「笑顔がアピールポイント」と入団発表でファンに語っていた右腕の顔はマウンド上でこわばっていた。
「後で映像を見ました。だいぶ緊張してひきつっていましたよね」
デビュー登板から数日後、あらためて当日を振り返ってもらうと白い歯をみせて苦笑いした。
(写真:座右の銘は“為せば成る”。次の登板へ黙々と走り込みをしていた)
ライアンというニックネームがすっかり定着した。
ドラフト2位ルーキーの小川泰弘である。メジャーリーグで史上最多となる通算5714奪三振をあげた伝説の大投手、ノーラン・ライアンばりに左ヒザを顔の位置まで高く上げる投球フォーム。開幕から先発ローテーションに入って早くも3勝(1敗)をあげ、故障者続出の東京ヤクルトにとって希望の光となっている。
(写真:4月27日の巨人戦では菅野智之とのルーキー対決を制した)
「オフがあるので仮に肉離れしても無理して投げるつもりでした。靭帯断裂とか、そういう大ケガさえしなければ……」
一昨年、昨年とクライマックスシリーズを前に館山昌平の右腕は限界に達していた。一昨年は右手指の血行障害で人差し指と中指の感覚がなかった。そのオフに手術を受けて血行障害は改善されたが、昨年は右ひじが悲鳴をあげていた。
(写真:実際、一昨年のCSでは右前腕の肉離れも起こしていた)
3月31日の東京ヤクルト−阪神は、阪神のドラ1右腕・藤浪晋太郎のデビュー登板で大きな注目を集めていた。
「みんな藤浪を見に来てて、誰も俺を見ていないんだ」
そんな思いを抱いてマウンドに上がったヤクルトの先発は4年目の左腕・八木亮祐である。これまでの実績は昨季、1勝をあげたのみ。「誰も見ていない」は大げさにしても、確かに28,109人の視線はほとんどが藤浪の一挙手一投足に注がれていた。
侍ジャパンのWBC3連覇への挑戦は幕を閉じた。
だが、東京ヤクルトのファンにとって、まだ大会は終わっていない。日本時間19日はオランダ代表が準決勝でドミニカ共和国代表に挑む。オランダの主砲、ウラディミール・バレンティンは第2ラウンドで痛めた足の状態が気がかりだが、米国での練習試合ではホームランを放った。キューバを2度も撃破した勢いで番狂わせに期待したい。
(写真:17日にはファンを招いての決起集会を開催。村中、赤川、日高、平井、中村、森岡、雄平の7選手が参加した)








