二宮: 田中雅美さんといえば、日本のトップスイマーとして長い間、水泳界を牽引されてきました。オリンピックにも3大会連続出場されています。
田中: ただ、現役が長かったとはいえ、実は25歳で引退しているんですよ。


二宮: オリンピック3大会連続出場の選手は、それほど多くはないでしょう。
田中: 水泳では山本貴司君、中西悠子ちゃん、稲田法子ちゃんも3回ですね。

二宮: 田中さんはかなりお酒が好きとうかがっています。お酒を飲む楽しみを覚えたのは、いつ頃からですか?
田中: 最初は大学の時の打ち上げですね。ただ、現役時代は朝練が多かったので、普段の生活ではあまり飲まずに、大きな大会が終わった時に飲むという感じでした。

二宮: 朝練というのは何時頃に起きるんですか?
田中: 6時前でした、5時半とか。7時には入水が始まるので、そのくらいですね。

二宮: それは朝ご飯を食べてから?
田中: いや、本当は食べたほうがいいんですけど、朝早いので食べないで練習することが多かった。

二宮: 多い時で、1日どのくらいプールに入っているものですか?
田中: 5時間……、2時間ちょっとプールに入って、それが朝練と夜練で2回。それ以外にも、筋トレなどを陸上の練習をやっていました。

二宮: それだけ運動すればお腹も減るでしょうね。
田中: そうですね、今思えば、よく食べていたなと感じます(笑)。

二宮: お酒の方は、水泳部ですから飲む量も、みんなハンパじゃないでしょう。
田中: そうですね。大学の頃は、まわりに男子部員が多かったので賑やかにやっていました。ただ、今の若い子たちはそんなに飲むイメージはないですね。

二宮: お酒は練習の息抜きにもなったのでは?
田中: 大きな大会があった後に、お酒を飲む時間は唯一リラックスできる時でしたから、オフの時間に楽しませてもらいました。その時はどのくらい飲んだかな……、いい感じになるくらい(笑)? 量は結構飲みましたね。

 家でもおいしくお酒を楽しむ

二宮: 今回はこちらの焼酎で乾杯しました。「那由多(なゆた)の刻(とき)」です。お味はいかがですか。
田中: あっ、すごくスッキリしてる。おいしい。なにかフルーティな感じがします。これは女性でも飲みやすいですね。「那由多(なゆた)の刻(とき)」っていうんですか? そば焼酎なんですね。

二宮: ウイスキーなどと同じように樫樽に入れているそうです。
田中: すごく、おいしいです。アルコールの嫌な感じが全くないですね。スッキリしてます。これだと女の子でもロックですんなり飲めますね。というか、飲みすぎてしまいそうです(笑)。

二宮: ご出身は北海道ですよね。北海道だと日本酒が多いのですか?
田中: いや、ウチは焼酎でした。父は焼酎を飲むことが多かったので。

二宮: それなら、田中さんがご実家に帰ったら、お父さんが「まぁ、一杯飲め」と?
田中: そうですね。家でも飲みます。お父さんは喜んでくれますね。

二宮: 普段、主にどんなお酒を飲まれますか?
田中: 料理にあわせて日本酒やワインを飲むこともありますけど、基本は焼酎です。うん、焼酎、大好きですね(笑)。

二宮: 田中さんは新婚ですから、旦那さんとも毎晩?
田中: 家で食事をする時もそうですし、外で友人と一緒の時も含めて、結構深い時間まで飲んでいたりします(笑)。

二宮: お互いに飲めるのはいいですね。
田中: 実は、知り合ったきっかけもお酒なんですよ。

二宮: へぇー(笑)。
田中: 正確にはお友達のお店があって、そこのみなさんやお客さんたちとゴルフに行く機会があり、その時に知り合ったんです。

二宮: じゃぁ、パッと見た瞬間に「あ、この人だっ!!」と?
田中: 私がですか? いえ、思わなかったです(笑)。友達は最初から紹介するつもりで誘っていたらしいんですけど、私はそういう風には思っていなかったので……。「まぁ、いい方だな」という感じで。彼は、最初から紹介してもらうつもりで来ていたようでしたけど。

二宮: 意気込みが違ったんですね。
田中: そうみたいです。って自分で言うのも変なんですけど(笑)。

二宮: 旦那さんも飲めるのなら、毎晩楽しくていいですね。
田中: 二人で楽しいおいしいお酒を飲むために、働いているようなものです。

二宮: それは幸せなことですよ。
田中: そうですね。仕事でも交友関係でも、お酒ですごく人の輪が広がったなと思うんです。いろいろな会話からアイディアが生まれて、そこから動き出したことも多いので、お酒は私にとっては大きな存在です。

 2人とも同じ3位でも……

二宮: 田中さんが初めてオリンピックに出られたのは高校生の時。もうあれから15年も経つんですね。
田中: 私、二宮さんと番組でご一緒させていただいたことを、すごく覚えているんです。シドニーの選考会が終わって、NHKさんの番組に出させていただいた時でした。当時はまだ、水泳競技を民放さんでは扱っていなかったんですよね。その時の選考会の記録が、結構よかったんです。その泳ぎを二宮さんにストローク数など、客観的に分析していただいて……。

二宮: なにか偉そうなこと、言ってませんでしたか(笑)。
田中: いえいえ、そんなことないです。競技の関係者でない方が、そこに目をつけられるのはすごいなと思ったんです。コーチや選手は当たり前のようにそういう話をするものなんですが、二宮さんは一般の方にもわかりやすいように専門的な話をされていて、すごいなと思ったことを覚えています。

二宮: 人の動きを見ることは得意なんですけどね。自分でやることは難しい(苦笑)。
田中: たしかに、自分でやるのは難しいですよ(笑)。でも、私も引退してから色々なスポーツを見るようになりましたけど、視点によって全然受け取り方が違うので、色々と表現するのは難しいですよね。二宮さんは、泳ぎの方はいかがなんですか?

二宮: 僕ですか? 田中さんの前で言うのも何ですが、一応背泳ぎで市内大会3位になったことはあります。恥ずかしいなぁ。
田中: おお、すごい。

二宮: もう、この話はやめにしましょう(苦笑)。

 一風変わった引退後の楽しみ方

二宮: 現役時代と比べて、生活のリズムは変わりましたか?
田中: 全然違いますね。やはり現役を終えてから、今までやれなかったことをしたいという思いがあって。実はそのうちのひとつに、ダイエットがあったんです。

二宮: たしかに、水泳選手は筋力が必要ですから、ダイエットは現役の時にはできませんね。
田中: 仮に一食抜いてしまえば次の日の練習に影響してしまいますからできませんでした。やってみたかったことといえば、体に悪いこと。何て言えばいいのかな……、不摂生をしてみたかったんです。

二宮: え、不摂生がしたいっ!?
田中: はい。偏食とかも。現役時代はバランス、バランスでしたから。ダイエットのために、朝と昼を食べないような生活をしてみました。それで、夜にはお酒たくさん飲んで、おつまみをたくさん食べてとか。結局、体調が悪くなりましたけど(笑)。

二宮: あまりオススメできないダイエットのようですが(笑)。で、どのくらい落としましたか?
田中: 一番痩せていた時では14キロくらい落ちてたかな。

二宮: それはスゴイな。目眩とかしませんでした?
田中: 徐々に落としていったんです。最初は極端なダイエットをして、「食べない動かないダイエット」と言っていたんですけど、体調を崩した上にヘルニアになってしまって……。

二宮: ダイエットとヘルニアには因果関係があるんですか?
田中: 現役の時には、一切ヘルニアになったことがなかったんです。でも、不摂生をしていたら筋力が弱まってきて腹筋と背筋のバランスが崩れて、病院の先生に「田中さんは運動不足です」って言われてしまいました(笑)。

二宮: アハハ。笑っちゃいけないけど、田中さんが運動不足ならほとんどの日本人が運動不足です。
田中: そうなんですよ。引退してからたった2年しか経っていないのにそう言われてしまって、「これじゃいけないっ!」と思ったんです。今は運動をして、食事を取りつつも、きちんと選んで食べるようにしています。

二宮: 運動不足と言われたときは、よく食べていたんですか?
田中: ……というよりも、全く動かなかった(笑)。筋肉を落としたかったから、動いてはいけないと思ったんです。とにかく細くなりたかったので。

二宮: でも、動かないというのは辛いでしょう。
田中: いやー、楽しかったですね。ただひたすら家にいて、DVDをまとめて何本も見るとかやっていました。当時はワンルームに住んでいたので、本当に手の届くところのものだけを取って、生活しているような感じでした。でも、このダイエットは完璧に間違ったやり方ですからね。結果的に痩せはしたんですけど、むくみますよね、動いていないから。本当に体によくないことをしていたと思います。

二宮: 現役時代にできなかったことをしたい。何かわかるような気がしますね。
田中: あと、現役ではできなかったことの中に、ドラックストアでの買い物があるんです。これがもう、楽しくて仕方がなかった(笑)。

二宮: そうか、ドーピングの問題がありますもんね。
田中: 現役時代は薬が全くダメでしたから。引退して風邪薬を飲んでいい体になって初めて、「ああ、風邪ってこんなにすぐ治るんだ」と思いました(笑)。

二宮: 市販の風邪薬は、まず飲めないですね。
田中: カフェインが入っているので、ダメですね。しかも、現役時代はちょっとの風邪ならば「泳げっ!!」と言われるんですよ。結局、治らないまま長引いてしまうことが多かったです。

二宮: 簡単に風邪が治るというのは、衝撃的ですね。特に水泳だから、他の競技よりも体が冷えてしまう。
田中: 私たちの頃は、まだ「泳げば治る」なんていわれている時代ですしね。「そんなの、治りません!!」って思っていました(笑)。サプリメントでも栄養士さんから薦めていただいたものは飲めたんですが、制限がなくなってからは色々なものを研究したり試してみましたね。

二宮: 飲んだサプリメントの効き目は?
田中: うぅーん、どうだったんでしょうか(笑)。まぁ、ああいうものは、やはり運動をしながら飲むというのが大事なんでしょうね。

(後編に続く)

<田中雅美(たなか・まさみ)プロフィール>
1979年1月5日、北海道遠軽町生まれ。7歳で本格的に水泳を始め、94年日本選手権で100m、200m平泳ぎで2冠を達成。翌95年には100m平泳ぎで日本記録を更新する。96年アトランタ、00年シドニー、04年アテネとオリンピックに3大会連続出場し、アトランタ大会で200m平泳ぎ5位、シドニー大会で100m平泳ぎ6位、200m平泳ぎ7位入賞。さらにシドニー大会では400mメドレーリレーで3位となり、念願のメダルを獲得した。アテネ大会でも200m平泳ぎで4位となり3大会連続入賞を記録。05年に現役を引退し、現在はスポーツコメンテーターとして活躍する一方、水泳の普及活動にも尽力している。







★今回の対談で楽しんだお酒★[/color]

長期に渡り、樫樽の中で貯蔵熟成した長期貯蔵の本格そば焼酎「那由多(なゆた)の刻(とき)」。豊かな香りとまろやかなコクの深い味わいが特徴。国際的な品評会「モンドセレクション」2010年最高金賞(GRAND GOLD MEDAL)受賞。

提供/雲海酒造株式会社

<対談協力>
阿波踊り
東京都中央区銀座7−2−17 銀座不二家ビル2階
TEL:03−6218−0253
営業時間:
ランチ  11:30〜14:30(月〜金)
ディナー 17:00〜23:30

☆プレゼント☆
田中雅美さんの直筆サイン色紙を長期貯蔵本格そば焼酎「那由多(なゆた)の刻(とき)」(720ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はより、本文の最初に「田中さんのサイン色紙希望」と明記の上、下記クイズの答え、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選は発表をもってかえさせていただきます。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。
◎クイズ◎
 今回、田中雅美さんと楽しんだお酒の名前は?


 お酒は20歳になってから。
 お酒は楽しく適量を。
 飲酒運転は絶対にやめましょう。
 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

(構成:大山暁生)
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