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田崎健太「国境なきフットボール」

第11回 ロベルト・バッジオ、“独占取材”の夜(後編)

 ロベルト・バッジオは、報道陣に一斉に取り囲まれた。「ファブリツィオ、行こう」 ここで彼を捕まえるしか方法はないのだ。 ファブリツィオは、報道陣をかき分け、僕は後に続いた。イタリア人記者はなぜか道をゆ
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田崎健太「国境なきフットボール」

第10回 ロベルト・バッジオ、“独占取材”の夜(中編)

 練習が終わると次々とパルマの選手が、練習場所から出てきた。フリスト・ストイチコフの姿が見えたので、手を挙げた。彼は頷くと僕たちのところにやってきた。「ジーコは僕のことをなんて言っていたんだい?」 ス
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田崎健太「国境なきフットボール」

第9回 ロベルト・バッジオ、“独占取材”の夜(前編)

 96年2月――。  イタリアはまだ寒かったことを覚えている。空気は乾いており、気温よりもずっと寒く感じた。今から12年前、僕にとっては生まれて始めての欧州だった。(写真:スイスでは当時国際サッカー連
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第8回 カズの足跡を辿って(後編)

 マツバラで結果を残した三浦だったが、87年10月に契約が切れた後、次のクラブがなかなか決まらなかった。ポルトアレグレにある名門インテルナシオナルとは一度契約がまとまったが、サインには至らなかった。(
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第7回 カズの足跡を辿って(前編)

 数年前、三浦知良と同じ時期にサンパウロに滞在したことがある。彼は永住権が切れないよう、2年に1度は必ずブラジルを訪れている。たまたまその訪問に重なった僕は、先にサンパウロを旅立つ彼を見送るためにいっ
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第6回 デポルの魔術(後編)

 長期にわたって日本を空ける時、僕は数日ごとにインターネットに接続して、メールを受け取ることにしていた。宿に荷物を置くと、ノートパソコンを持って電話局に向かった。(写真:デポルの優勝決定後、スタジアム
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第5回 「デポルの魔術」(前編)

 目を開けると窓の外に緑色の木々が生えているのが見えた。ずいぶん長い時間、眠ってしまっていたようだった。今朝はこのバスに乗るために朝6時半に起きていた。太陽の光が心地よく、眠ってしまっていたのだ。(写
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第4回 「広山望という生き方」(後編)

 2004年3月の最後の土曜、僕はフランス人の友人であるマニュエルが運転するシトロエンのワゴンに乗っていた。行き先はモンペリエのBチームの試合会場。 道の左右には葉が全て落ちた木々が、青い空を突き刺す
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第3回 「広山望という生き方」(前編)

 国外出張に出かける時は出発直前まで憂鬱だ。僕の場合、現地での協力者を除けば、1人での出張が多い。自分で全てをこなさなくてはならない。(写真:ペルーの首都リマにて) 1ヶ月を超える出張の場合は、世界一
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第2回 「神様ジーコの憂鬱」(後編)

 予定の1時間はすでに過ぎていた。フェネルバフチェのスタジアムの中にある会議室で、ジーコはクラブの会長たちと会っていた。 昨日、フェネルバフチェは格下に敗れている。会談の内容は厳しいことが想像できた。
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