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背番号「3」の再臨<後編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 26年ぶりの「背番号3」を目の当たりにして、なぜ、少年時代、あれほどまでに長嶋茂雄が好きだったのか、やっと謎が解けた。つまり「背番号3」は躍動の象徴だったのだ。「3」という背番号そのものが美しいので
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背番号「3」の再臨<前編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 球場へ向かう道は県外からの車であふれていた。渋滞の中には九州各県はもちろん、遠く東北や関東のナンバープレートを付けた車も見受けられた。 2月12日。宮崎キャンプが始まって12日目の土曜日、今日こそ長
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ラガーマンの決断 ラグビー・村田亙

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

「オレも、もう少し若かったらなァ……」 人生の大切な局面において決断できなかった理由を、年齢のせいにする人間に仕事のできる者はいない。 日本のラグビー界においてプロ第一号となり、フランスのラグビーリー
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プロ野球の速球王、前人未踏の160キロへの挑戦 ヤクルトスワローズ・五十嵐亮太<後編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 高校3年夏の千葉県大会1回戦、五十嵐は稲毛高を前に12奪三振の完封劇を演じた。この試合の2回、彼は自己最高の144キロを記録した。ヒットこそ4本許したものの、打球はいずれも球威に押されて詰まっていた
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第114回 プロ野球の速球王、前人未踏の160キロへの挑戦 ヤクルトスワローズ・五十嵐亮太<前編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 誰よりも速いボールを投げたい。 誰よりもボールを遠くへ飛ばしたい。 野球を始めた少年が、最初に思うことは、このどちらかである。 前者の方に魅力を感じた少年はピッチャーへの道を選び、やがてエースとして
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第113回 リベンジの冬へ 武蔵

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

「立ち技最強」と呼ばれるK−1は、これまで12回のワールドグランプリを行っているが、日本人王者はまだ誕生していない。 ナチュラルなヘビーウェイト揃いの外国人勢に比べ、日本人選手は体格的に見劣りする。一
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第112回 野茂英雄が挑戦し続けるMLB孤高のマウンド<後編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 メジャーリーグで通用する条件は何か? 野茂がアメリカで成功をおさめてからというもの、こういう質問を受けることが多くなった。「やはり、三振をとれるフォークボールがあるということですか」「ストレートも1
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第111回 野茂英雄が挑戦し続けるMLB孤高のマウンド<前編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

「近鉄時代のビデオ・テープを取り寄せ、動作解析をするとメカニック的に、ほとんどかわった点はない。強いていえば上半身がブレていることでしょうか……」 受話器の向こうで野茂は言った。 ニューヨーク・メッツ
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第110回 「核弾頭の明暗」 〜石井琢朗vs.松井稼頭央〜<後編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 同じショートでトップバッター。しかもリーグの盗塁王。比べるなと言われても比べないわけにはいかない。 ライオンズの松井稼頭央が、このシリーズではじめて笑みを見せたのは3戦目が終わった後だった。 5回表
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第109回 「核弾頭の明暗」 〜石井琢朗vs.松井稼頭央〜<前編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

「最初の1打席に賭けていました。転がしてしまいさえすれば、あとはヨーイドンの勝負だなと……」 惜しくもシリーズMVPは逃したものの、22打数8安打(打率・364)、1打点、3盗塁、出塁率5割の活躍で優
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