ページのトップへ

第108回 反逆のバンク 〜競輪選手・松本整〜

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 松本整が“中年の星”と騒がれたのは一昨年のことだ。 7月の寛仁親王牌に続き、9月のオールスター競輪をも制覇した。自らが打ち立てた最年長G1制覇の記録を再び自らの手で塗りかえた。 この時、松本は43歳
続きを読む

第107回 全身全霊を傾けたイチローとの攻防 〜古田敦也〜

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

「もし日本シリーズがなくなるようなことがあれば、日本プロ野球のレベルは確実に低下する」 プロ野球再編騒動の折、選手会会長の古田敦也は、1リーグ制への流れをこのような言葉で牽制してみせた。 思い出すのは
続きを読む

第106回 主将の熱い日々 〜ラグビー選手 箕内拓郎〜

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 44日間に渡ってオーストラリアで行われた第5回ラグビーW杯はルーツ国イングランドの優勝で幕を閉じた。5回目のW杯にして初めて、エリス杯が北半球にもたらされた。 決勝の対オーストラリア戦は劇的な幕切れ
続きを読む

第106回 残り10秒で勝負師失格のハンス・オフトの教訓<後編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 日本代表監督に就任したオフトが、真っ先に衝突したのがラモスだった。 当時のラモスは選手たちのボス的存在であり、誰からも一目置かれていた。もっといえば不動の10番ラモスを抜きにして、チーム構成など描け
続きを読む

第105回 残り10秒で勝負師失格のハンス・オフトの教訓<前編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 アトランタ五輪でのブラジル撃破、悲願のワールドカップ(フランス大会)初出場、そしてワールドユース選手権準優勝と、目覚しい進歩をとげる日本サッカー。その礎を築いたのは誰か、と問われれば、私は迷うことな
続きを読む

第104回 自然体の歓喜、求道者の苦悶(後編)

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

「頭が真っ白になりました」 金メダルの感想を、鈴木桂治はこう述べた。「長い4年間だったか?」と問うと、「今考えると短かったですね」と答えた。 忘れられないのは4年前のシドニーでのワンシーンだ。鈴木桂治
続きを読む

第103回 自然体の歓喜、求道者の苦悶(中編)

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

「自然体でやりますよ」 アテネに出発する前、鈴木桂治は私にこう言った。相手を過度に意識しない。秘策に頼らない。そのことを自らに言い聞かせて決戦の地に向かった。 24歳がこうした境地に至ったのには理由が
続きを読む

第102回 自然体の歓喜、求道者の苦悶(前編)

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 金メダルを無造作にズボンのポケットに突っ込んだままベッドに横たわった。翌朝、目が覚めて不安になった。「昨日のことは夢だったんじゃないか……」 慌ててズボンのポケットをまさぐった。ひんやりとした手触り
続きを読む

第101回 甦ったワールドリーグ戦<後編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 第3回ワールドリーグ戦には、カール・クラウザーやミスターXに混じって、もうひとり実力派のアイク・アーキンスも参加していた。当時を知る関係者によるとアーキンスは本物のギャングであり、気心の知れた日本人
続きを読む

第100回 甦ったワールドリーグ戦<中編>

二宮清純「ノンフィクション・シアター・傑作選」

 さて、リングスに目を移してみよう。<メガバトル>の参加外国人はクリス・ドールマン(オランダ)、ディック・フライ(同前)、ヘルマン・レンティング(同前)、ハンス・ナイマン(同前)、ウィリー・ピータース
続きを読む