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田崎健太「国境なきフットボール」

第30回 トルシエを追いかけてマルセイユまで<Vol.4>

田崎健太「国境なきフットボール」(第2金曜更新)

 マニュエルは、用意した紙を急いで広げると、打合せ通り順番に聞いていくよという風にぼくをちらりと見た。「では、トルシエ監督。次の質問をします。日本代表監督時代、あなたは規律を決めて選手をまとめようとし
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田崎健太「国境なきフットボール」

第29回 トルシエを追いかけてマルセイユまで<Vol.3>

田崎健太「国境なきフットボール」(第2金曜更新)

 とにかくトルシエに話を聞くことはできそうだと、ぼくは胸をなで下ろした。「地元の記者に、トルシエのことを聞いてみようぜ」とマニュエルは、椅子にふんぞり返って煙草を吸っていた地元記者に話しかけた。「なん
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田崎健太「国境なきフットボール」

第28回 トルシエを追いかけてマルセイユまで<Vol.2>

田崎健太「国境なきフットボール」(第2金曜更新)

 出発前日、マニュエルにチームの広報へ電話を入れてもらうように頼んだ。「記者会見は十一時に始まるってよ。2時間あれば着くだろうから、8時半に俺の家を出ることにしよう」 モンペリエからマルセイユまでは、
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田崎健太「国境なきフットボール」

第27回 トルシエを追いかけてマルセイユまで<Vol.1>

田崎健太「国境なきフットボール」(第2金曜更新)

 ぼくの仕事は勘違いされやすい。ブラジルやフランス、世界各国好きな場所を気楽に旅しているように思われるらしい。 確かに、日本を空けることは多い。長い年で4カ月、だいたい平均年のうち2、3カ月は国外にい
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田崎健太「国境なきフットボール」

第26回 酒豪・ソクラテスとの対話<Vol.6>

田崎健太「国境なきフットボール」(第2金曜更新)

 子どもの頃からの憧れの選手という以上に、ソクラテスと話しをすることはぼくにとって楽しみだった。 ぼくは様々な質問をソクラテスに投げかけた。――どうして医学部に行こうと思ったの?「ブラジルの社会を見れ
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田崎健太「国境なきフットボール」

第25回 酒豪・ソクラテスとの対話<Vol.5>

田崎健太「国境なきフットボール」(第2金曜更新)

 ソクラテスは「ワールドカップは特別な大会だ」と強調した。「ブラジルではワールドカップは情熱そのものなんだ。選手は皆セレソンとしてワールドカップに出ることを夢見る。俺も大会のずっと前から、頭の中はワー
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田崎健太「国境なきフットボール」

第24回 酒豪・ソクラテスとの対話<Vol.4>

田崎健太「国境なきフットボール」(第2金曜更新)

 ソクラテスは、日本を訪れたことがあった。「六本木は楽しかったね。朝方、六本木のバーで飲んでいたら、1982年のワールドカップのビデオが偶然にスクリーンに映ったことがあった。みんな盛り上がってみていた
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第23回 酒豪・ソクラテスとの対話<Vol.3>

田崎健太「国境なきフットボール」(第2金曜更新)

“フェノメノ”(怪物)こと、ロナウドはこの時、ロナウジーニョと呼ばれていた。「zinho(ジーニョ)」という接尾語をつけると、「小さい〜」とか、「〜ちゃん」と意味になる。逆に「ão(ァオ
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第22回 酒豪・ソクラテスとの対話<Vol.2>

田崎健太「国境なきフットボール」(第2金曜更新)

 一気に飲みすぎた……。 トイレの鏡に映った僕の顔は、明らかに赤く酔っていた。無理もない。ソクラテスと、飲み始めて3時間以上が経っていたのだ。 長時間飲み続けることは、僕にとって珍しいことではない。そ
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第21回 酒豪・ソクラテスとの対話<Vol.1>

田崎健太「国境なきフットボール」(第2金曜更新)

 彼と初めて会ったのは、今から10年以上前、1997年の秋のことだ。 当時、僕は出版社を休職してブラジルのサンパウロを拠点に南米大陸をバスで回っていた。いや、正確には「回ろう」としていた。(写真:僕の
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