19日、南アフリカワールドカップグループリーグE第2節がプレトリアで行われ、カメルーン(FIFAランキング19位)とデンマーク(同36位)が対戦した。いきなり先制点を奪ったのはカメルーン。前半10分に相手DFからボールを奪い、最後はFWサミュエル・エトー(インテル・ミラノ)がシュートを決める。対するデンマークはサイド攻撃から活路を見出し、33分にFW二クラス・ベントナー(アーセナル)がクロスを押し込み同点に追いつく。後半はカメルーンペースで進むも、追加点を奪ったのはデンマークだった。16分、右サイドを突破したFWデニス・ロンメダール(アヤックス)が左足でシュートを決め勝ち越しに成功する。その後もカメルーンが攻め続けるも堅守を誇るデンマークDFを崩すことはできず2対1で試合終了。デンマークが勝ち点3を獲得し、カメルーンはグループリーグ敗退となった。この結果を受け、オランダの決勝トーナメント一番乗りが決定した。
最終節で決勝Tかけ日本と直接対決(プレトリア)
カメルーン 1−2 デンマーク【得点】
[カ] サミュエル・エトー(10分)
[デ] 二クラス・ベントナー(33分)、デニス・ロンメダール(61分)
全64試合詳細レポートと豪華執筆陣によるコラムはこちら 第1節を落としたチーム同士の対戦となったが、7時間前に行われた日本対オランダの結果を受け、追い込まれていたのはカメルーンだった。この試合で引き分けても決勝トーナメント進出の可能性が限りなく小さくなるため、彼らにとって必要なものは勝利だけだった。
そんな心理を反映してか、序盤からカメルーンが攻勢に出る。高い位置からプレッシャーをかけ、デンマークからボールを奪取していく。日本戦では出場しなかったMFアレクサンドル・ソング(アーセナル)がアンカーの位置に入ることによって、チームのバランスは非常によくなっていた。
先制点が入ったのは積極的な守備からだった。10分、デンマークGKトーマス・セーレンセン(ストーク)がMFクリスティアン・ポウルセン(ユベントス)にボールを預けると、C・ポウルセンが右サイドへ不用意な横パスを出す。それを狙っていたFWピエール・アシル・ウェボ(マジョルカ)が悠々とカットし、ゴール前のエトーにパスを出す。このエリアでフリーでボールを受ければ、エトーがシュートを外すことはあり得ない。冷静に右足でゴール左隅に流し込み、カメルーンが先制に成功する。チームの絶対的エースが得点を奪ったことで、カメルーンは勢いに乗った。一方のデンマークは試合開始直後に痛恨のミスから失点する格好となった。
得点後も攻めつづけたのはカメルーンだった。13分にはFWアシル・エマナ(ベティス)のミドルシュート、さらに29分にも同じくエマナがシュートを狙うが2本ともゴールの枠をとらえることはできない。
デンマークがペースを掴み始めたのは20分過ぎから。デンマークが狙ったのは右サイドからの攻撃だ。サイドバックのラルス・ヤコブセン(ブラックバーン)やサイドMFロンメダールがDF裏へと走りこみ、効果的な攻めとなる。カメルーンは攻撃に出るとサイドバックが上がることが多く、そのスペースをうまくついて逆襲を狙っていった。
同点弾が生まれたのは右サイドからだ。33分にDFからの長いフィードに走りこんだロンメダールがカメルーン陣内深くに侵入し、低く速いクロスをゴール前へ入れる。そのボールに合わせたのはベントナーだ。DFを振り切りPAへ入ると、最後は滑り込みながら丁寧にボールをゴールへ押し込む。デンマークが狙い通りの形を作り、前半のうちに同点に追いついた。
1対1になると、お互いにさらなる決定機が生まれる。42分にはセンターサークル付近でベントナーがタメを作りラインの裏に走りこんだロンメダールへスルーパス。完全に抜け出したロンメダールがシュートを放つも一旦はGKに弾かれる。そこへFWヨン=ダール・トマソン(フェイエノールト)が詰めるが、ここはカメルーンの必死のクリアにあう。その直後、カメルーンの反撃では再びDFラインでボールを奪いエトーがシュート。これは左ポストに弾かれゴールにはならない。目まぐるしい展開で惜しい場面が続くものの、ゴールが生まれることはなく、前半は1対1で終了する。
後半に入ってもカメルーンが攻勢をかける。立ち上がりのコーナーキックではDFセテファン・エムビア(マルセイユ)が高い打点からゴールを狙うが、これはGKの好セーブに阻まれる。ボールを保持し続けたカメルーンが迫力のある攻撃でデンマークゴールに迫った。
追加点が生まれたのは16分だった。カメルーンの左サイドDFブノワ・アスー=エコト(トッテナム)がドリブルで突破しクロスをあげ、最後はウェボのヘッドがGKにセーブされる。そのボールをつなげたデンマークが前線のベントナーにボールを預ける。アスー=エコトが上がって出来た右サイドのスペースにスルーパスを出すと、またも走りこんだのはロンメダール。カバーに入ったジャン・マクーン(リヨン)と1対1になりながらPAに入っていき、切り返して左足でシュート。ボールは左サイドネットに吸い込まれ、デンマークに2点目が入る。カメルーンはまたもやロンメダール一人にやられてしまい、痛恨の勝ち越しゴールを許してしまう。
その後はカメルーンが攻め続け、デンマークが逆襲を狙うという構図になる。66分にはカメルーン、70分にはデンマークにビッグチャンスが生まれたが、どちらも得点には至らない。グループEはオランダが2勝をあげており、この試合でどちらが勝つにしても日本との2位争いは得失点差が重要になる。どちらに次の1点が入るか。日本サポーターにとっても大きな関心の的になった。
最後の最後まで攻め続けたカメルーンだったが、前半でのミスを後半に入り修正したデンマークDF陣を切り崩すことはできなかった。試合はこのまま2対1で終了しデンマークが勝利した。この結果、カメルーンのグループリーグ敗退が決定し、オランダがグループ2位以内を確定させ決勝トーナメント進出を果たした。注目の2位争いは勝ち点こそ並んでいるものの得失点差で日本がデンマークの上に立ち、最終節で日本がデンマークに引き分けでも決勝トーナメントへ進出することになった。
日本にとってさらなる朗報はセンターバックのキアルが通算2枚目のイエローカードを受け、次節出場停止になったこと。日本にはサスペンションの選手がおらずベストメンバーで試合に臨める。デンマークには守備の要の欠場と勝ち以外で敗退という高いハードルが残った。直接対決となる最終節は5日後にルステンブルグで行われる。
(大山暁生)
【カメルーン】GK
ハミドゥ
DF
ヌクル
バソング
→イドリス(72分)
アスー=エコト
エムビア
MF
A・ソング
ジェレミ
エノー
→マクーン(46分)
FW
エマナ
エトー
ウェボ
→アブバカル(78分)
【デンマーク】GK
セーレンセン
DF
キアル
アッゲル
ヤコブセン
S・ポウルセン
MF
C・ポウルセン
グロンキア
カーレンベルク(67分)
ヨルゲンセン
→イエンセン(46分)
ロンメダール
FW
ヨンセン
→J・ポウルセン(86分)
ベントナー