21日、女子アイスホッケー日本代表「スマイルジャパン」のソチ五輪壮行会が横浜市内のホテルで開かれた。約200人が詰めかけた壮行会では、柔道界のアテネ五輪金メダリストの塚田真希(現全日本女子コーチ)氏らからエールを送られた。それを受け、飯塚祐司監督をはじめ、キャプテンの大澤ちほ(三星ダイトーペリグリン)がソチでの活躍を誓った。スマイルジャパンは本日からスタートした事前合宿を3日間行い、渡欧。チェコで同国代表と2試合テストマッチを行った後、2月にソチ入りをする。本大会直前には同組で対戦するロシア代表と1試合テストマッチを経て、9日に初戦を迎える。
「全く違いますね」。大澤が振り返るように1年前、最終予選でスロバキアに発つ前と現在では、スマイルジャパンを取り巻く環境は劇的に変わった。今回、横浜市内で開かれた壮行会にもテレビカメラが何台も入るなど注目も格段に上がった。「こういった環境に感謝して、多くの方々の声援を胸に頑張っていきたい」。

 壮行会では、塚田氏がアテネ五輪で獲得した女子78キロ超級の金メダルを持参した。それを首に掛けることを司会者に促されたが、大澤は断った。「やはり自分たちで獲って、自分たちの手で首に掛けたいなと強く思ったので掛けなかったです」。現役時代、カナダ代表として金メダルを獲得したカーラ・マクラウドコーチにもトリノ、バンクーバー五輪の金メダルを見せてもらった時も、メダルに触れたものの、掛けることはなかった。ここでも選手としてのプライドを覗かせた。

「目指すところはメダル獲得すること」。大澤は改めてメダル獲得を目標に掲げた。日本にとって、長野五輪以来16年ぶりの五輪行きの切符を手にして、もうすぐ1年が経とうとしている。出場国の中では世界ランキングは最下位だが、“下剋上”を果たす自信はある。「予選が終わって、1年間。色んなチームと試合をしていく中で、メダルに近づいている実感とメダルを獲れるという自信もついてきている。自分たちのホッケーをぶつけてくれば、結果はついてくるんじゃないかなと思っています」。スマイルジャパンの中で唯一五輪を経験している近藤陽子(SEIBUプリンセスラビッツ)は、当時の代表との違いをこう語る。「(当時は)勝つレベルに達していなかった。今はメダルを獲るための準備をしている」

 ソチではスウェーデン、ロシア、ドイツと対戦する。大澤が「まず自分たちのプレーをするということに意識を置いている。自分たちのプレーに磨きをかけることに集中しています」と語れば、近藤も「相手云々よりも自分たちのプレーを60分することが大事」と言う。21歳の若きキャプテンと、最年長のベテランは意識を共有している。

「自分たちのプレー」。すなわちスマイルジャパンらしいホッケーとは、どんなものか。大澤はこう説明する。「スピードとスタミナを生かしたプレーが自分たちのホッケーです。60分間、どの局面でも走り続けるのが一番の持ち味。試合終了のブザーが鳴るまで走り続けているところを見ていただけたらと思います」

 女子ソフトボール元日本代表監督の宇津木妙子氏から贈られた金色の達磨。達磨開眼の式で、飯塚監督は目の中に心としたためた。その理由を「チームに一番大事なものを書きました。一番最後に勝敗を分けるのは心だと思います」と明かした。決意表明で指揮官は関係者に感謝の意を述べ、「チームは順調に成長しており、今すぐ大会が来ても大丈夫な状態まで仕上がっていると思います」とチームへの手応えを口にした。決戦までは、あと20日を切った。まずはスウェーデンを相手に、スマイルジャパンらしいホッケーと、とびきりの笑顔を見せてほしい。

(文・写真/杉浦泰介)