7月17・18日に行われたオールスターゲーム。メジャーリーグから8年ぶりにNPBに復帰した広島・黒田博樹がファン投票投手部門では史上最年長の40歳で選出された。


「まさか40歳でオールスターに出るとは考えてもいなかった。不思議な感じがする」
 正直な感想だろう。

 この黒田を含め、広島からは會澤翼、新井貴浩、菊池涼介、丸佳浩とファン投票で両リーグ最多の5人が選ばれた。

 その昔、オールスターゲームが赤ヘル一色に包まれたことがある。今から40年前の1975年だ。
 当時は3試合制で行われていた。7月19日、甲子園球場での第1戦。全セの3番・山本浩二と6番・衣笠祥雄が揃って2打席連続ホームランを放ったのだ。

 衣笠の回想――。
「確か、次の日の新聞に“赤ヘル軍団”という見出しが躍りました。まだカープは毎年Bクラスのローカル球団。そのチームの選手たちが連続してホームランを放ち、三塁ベースコーチだった長嶋茂雄さんの祝福を受け、ハイタッチをしている。まるで夢心地でしたよ」

 1本目はファン投票で選ばれた近鉄の太田幸司から。2本目は阪急のエース山田久志から。2人で4アーチ7打点。赤ヘルが全国区になった日でもあった。

 周知のように広島が赤い帽子、ヘルメットを採用したのは、この年からである。それまでの色は紺だった。

 赤ヘルに変えたのは、この年に監督に就任したジョー・ルーツである。
「赤は戦いの色。今季は闘争心を前面に出す」
 それがルーツの狙いだった。

 現場が戸惑ったことは言うまでもない。衣笠は語ったものだ。
「正直言って照れ臭かった。ルーツから“帽子の色を赤にする”と言われた時には“うわぁ、えらいことになった”と頭を抱えましたよ。だって赤の帽子なんて、小学校の運動会以来、被ったことがないんだから」

 ネット裏の口さがないファンからは「ちんどん屋か!?」とヤジられたという。

 このシーズン、広島は球団創設26年目にして初優勝をとげる。オールスターゲームでの両主砲の活躍がチームに勢いをもたらしたのだ。

 今季、開幕前には優勝候補の一角にあげられた広島だが、借金生活が続く。

 しかし、セ・リーグは空前の混戦だ。広島にもチャンスはある。オールスターゲームを浮上のきっかけに――。75年の再現はなるのか。

<この原稿は2015年7月24日号『週刊漫画ゴラク』に掲載された原稿を一部再構成したものです>


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