
前日、ドラフト会議を終えたプロ野球では11月1日からいよいよ日本シリーズが開幕する。今季はリーグ優勝を果たしたセ・パ両王者の巨人と埼玉西武がそれぞれクライマックスシリーズをも制覇し、頂上決戦に挑む。両者のシリーズ対戦成績は西武が6勝3敗(西鉄時代を含む)と大きく勝ち越している。だが、今回は2002年以来、6年ぶりの顔合わせ。両者ともに主力メンバーはガラリとかわっているだけに過去の成績は参考にはならない。果たしてシリーズ史上最多タイの10度目の対戦はどんな戦いが繰り広げられるのか。
(写真:就任1年目で日本一を狙う西武・渡辺監督) ともに打線が強力な西武と巨人。本塁打数は西武が198本、巨人が177本といずれもリーグトップの数字だ。だが、西武は長打力だけではない。盗塁数(107)もリーグ最多を誇り、機動力にも長けている。パワーのみに頼らない幅広さがライオンズ打線の強みといえる。一方、巨人はというと、4番・ラミレスを中心とした主軸による一発攻勢の傾向が強い。だが、警戒しても打たれてしまうのが巨人打線の怖いところ。甘い球は絶対に見逃さないその勝負強さは、12球団一といっても過言ではないだろう。いずれにしろ、両者ともに投手は一瞬たりとも気の抜けない戦いとなりそうだ。
投手陣に目を移してみると、シーズンでの先発の柱は西武・涌井秀章と巨人・グライシンガーだ。だが、クライマックスでもしっかりとエースの働きをした涌井に比べ、グライシンガーは初回に中日のウッズに先制の2ランを浴びるなど、精彩を欠いた。さらに今季の交流戦ではグライシンガーは西武戦2試合を投げているが、ともに黒星を喫している。あわせて5本の本塁打を打たれるなど、いずれも序盤に大炎上しての完敗だった。
(写真:第1戦目に上原をたてた巨人・原監督) こうした相性の悪さを考慮したのか、巨人は初戦に上原浩治をたてる予定だ。シーズン序盤は5試合連続で白星がつかず絶不調を極め、ファームでの調整を余儀なくされた上原だったが、1軍復帰後は調子も上々だ。クライマックスでも第2戦に先発し、8回4安打2失点の好投を披露した。ホーム・東京ドームでの初戦だけに巨人は絶対に負けられない。その大事な一戦を原辰徳監督は上原に託した。女房役の阿部慎之助は故障で代打あるいはDHでの出場が濃厚。司令塔を欠くチームにとって、エースの復活はなくてはならない。果たして、上原は期待に応えられるのか。
両者ともに不安を拭いきれないのが、西武・グラマン、巨人・クルーンの外国人クローザーだ。それだけに8回までに少しでも相手を突き放しておきたいところ。一発攻勢の巨人は当然、主軸は警戒される。そこで重要なのが1、2番でプレッシャーをかけることはもちろん、クリーンアップ後の谷佳知や坂本勇人の働きだ。彼らが活躍することによって、投手の集中力を分散させられるからだ。
一方、一度火をつけたらその勢いは誰にも止められないのが西武打線だ。パワーのあるG.G.佐藤やブラゼルを故障で欠く西武だが、不安は全くない。同じく2人を欠いての戦いを強いられたクライマックスでは5試合中3試合で2ケタ安打をマーク。機動力をいかしながら、相手投手の意欲を削ぐ見事な集中打で1イニングに大量得点を奪った。日本シリーズでも序盤から積極的にしかけ、早めに主導権を握りたい。
勝てば西武は4年ぶり、巨人は6年ぶりの日本一。前回対戦した6年前は原巨人が伊原春樹監督率いる西武に4連勝を飾った。果たして原巨人は今回も圧倒的な力をみせつけられるのか。それとも、新生・渡辺西武が雪辱を果たすのか。明日、熱戦の火蓋が東京ドームで切って落とされる。