8月ももう終わりというにもかかわらず、日本列島は猛暑が続いています。果たして、寝苦しい夜はいつまで続くのでしょうか……。

 さて、ある日のことです。日も暮れかかった時間帯に、編集長がスタッフルームに入ってきました。ふと、編集長の方を見ると、ドアの前に立ったまま、真剣な表情で私たちスタッフをグルリと見渡しているではありませんか!

「どうしたんだろう……」
 しばらく見ていると、編集長の目があるところでピタッと止まりました。視線は一番奥の最年少スタッフS.Y.くんに注がれていました。

 すると編集長は突然、S.Y.くんに近づいていきました。イヤホンをつけてテープを起こしていたS.Y.くんはそのことに全く気が付きません。

 トントンと、編集長がS.Y.くんの肩を叩きました。あまりの突然のことに、ビクッとするS.Y.くん。イヤホンを外し、編集長を見上げたその目はかすかにおびえているようにも見えました。

 実はこの時、S.Y.くんの頭の中ではああでもない、こうでもないといろいろなことが駆け巡っていたそうです。
「何か、ミスをしてしまったのだろうか……」
「もしかして、さっき食べたアイス、編集長のと間違えてしまったんだろうか……」
「いや、昨日食べたチョコレートのことかな……」

 意を決してS.Y.くんが「はい、何でしょうか?」と聞き返すと……。
「お腹、空かないか?」
「えっ!?」
 想像していたものとはあまりにもかけ離れた答えに、S.Y.くんはまるでコントのように椅子から転げ落ちそうになりました。

 そして、スタッフルーム全体に張りつめた空気が一変しました。それまで2人の様子を見守っていた他のスタッフも、ほっと胸をなでおろすと同時に、大笑い! 今度は編集長が驚く番でした。

「どうしたんだ?」
「あまりにも真剣な表情をされていたので、何かミスをしてしまったかと……」
「いやいや、お腹が空いたから、カレーを食べたいと思ってさ。一番、お腹が空いてそうなオーラを出していたのが、Sだったから、声をかけてみたんだ。どうだ? 一緒に行かないか?」
「あ、はい! 喜んで!」

 事務所付近のカレー専門店へと向かった編集長とS.Y.くんの後ろ姿を見ながら、安心していると……「ぐ~!」「ぐ~!」。あちらこちらからお腹の音が鳴り始めました。お腹が空いていたのは、どうやらS.Y.くんだけではなかったようです(笑)。

(スタッフS)


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