27日、ロンドン五輪アジア最終予選第3戦が東京・国立競技場で行われ、U−22日本代表はU−22シリア代表と対戦した。日本は前半終了間際、MF扇原貴宏(C大阪)のクロスからDF濱田水輝(浦和)が頭で合わせて先制点をあげる。後半30分に同点ゴールを許したが、41分に、MF大津祐樹(ボルシアMG)がヘッドで勝ち越し。2−1で3連勝を飾った。この結果、日本は勝ち点を9に伸ばし、C組の首位に立った。
大津、2試合連続の決勝ゴール!(国立)
U-22日本代表 2−1 U-22シリア代表
【得点】
[日] 濱田水輝(45分)、大津祐樹(86分)
[シ] アルスマ(75分)
一進一退の攻防を制し、日本がグループ首位に躍り出た。勝ち点で並ぶシリアとの大一番の勝利に大きく貢献したのは、最終予選でまさに“扇の要”となっているボランチ・扇原と、22日のバーレーン戦で決勝点をあげた大津だった。
「ボールに絡むことだったり、自分のところから縦に(ボールを)入れることだったり、逆サイドに展開したりということを意識していた」
試合後にこう扇原が語ったように、日本の攻撃の多くは彼を起点、あるいは経由して組み立てられていた。前半37分には、ピッチ中央でボールを持つとFW大迫勇也(鹿島)に縦パス。そこから大津、MF東慶悟(大宮)とつなぎ、東が後方から走り込んできたMF山口螢(C大阪)にスルーパスを送る。GKと1対1の局面を演出するが、シュートは戻ってきたDFにブロックされた。
また、扇原はセットプレーでも存在感を見せた。立ち上がりのFKやCKでは簡単に相手にクリアされていたことから、前半33分にはショートコーナーを選択。パスを受けたDF酒井宏樹(柏)が入れたクロスをDF鈴木大輔(新潟)が頭で合わせた。ゴール右に外れて得点にはならなかったものの、この試合、初めてセットプレーで相手を崩した。
そして45分、この工夫を加えた扇原のセットプレーから待望の先制点が生まれた。右からショートコーナーで東にパス。東から戻されたボールをダイレクトでゴール前に入れ、これを濱田が頭でゴールに叩き込んだ。前半終了間際での先制点をアシストした背番号3は「理想のボールが蹴れた。(このゴールで)楽になった」と振り返る。22日のバーレーン戦でも先制点につながるCKを蹴っており、2試合続けて扇原が流れを呼び込んだ。
ただ、日本は先制したものの、主導権を完全に握っていたわけではなかった。後半に入っても拮抗した状態が続き、後半30分には、ついに同点ゴールを許す。バイタルエリアでボールを持った10番アルスマにPA内まで持ち込まれ、GKが出てきたところを落ち着いて右足で流し込まれた。その直後にも危ない場面があり、流れがシリアに傾きかける。だが残り5分を切った41分、またもドイツ帰りの大津が日本を救った。
左SB比嘉祐介(流経大)がファーサイドへ上げたクロスにダイビングヘッド。土壇場での決勝点に国立競技場は興奮の坩堝と化した。
「ゴールへの意識はドイツに行ってから成長した部分。そこを見せられてよかった」とヒーローは胸を張った。ゴール以外でも、大津は前の試合に続き積極的にボールを受け、関塚隆監督の期待するサイドでの「仕掛け」「タメ」から、攻撃のリズムをつくった。
「自分は結果を求めてやってきたので、(2戦とも)出せたことはよかった」
戦前は清武弘嗣(C大阪)や原口元気(浦和)ら、主力の穴を埋められるかが注目されていた。しかし、結果は穴埋めどころか2試合連続の決勝弾。持ち前のスキルフルなドリブルに、ドイツで身につけた球際の強さを加えたアタッカーは、強烈なインパクトを残した。
最終予選の前半を終え、無傷の3連勝。関塚監督は、選手の成長を感じている。
「球際でのプレーは本当に強くなってきている。勇気をもってやれている。予選を勝ち抜いていく戦いというのはこういうものだと。そういうのがひとつひとつ積みあがってきていると思う」
もちろん、指揮官は満足していない。
「われわれはまだ何も勝ち取っていない。(次の)2月5日のアウェー戦に向けて、さらに成長した姿を見せたい」
それは選手たちも同様だ。GK権田修一(FC東京)は2次予選でホーム&アウェーを戦ったクウェート戦を引き合いに出す。2次予選ではホームでの第1戦を勝利したが、第2戦で黒星を喫し、得失点差でからくも最終予選出場を決めた。
「2次予選はトータルで上回ればいいという考えで2戦目に負けてしまった。その経験を生かして次もしっかり勝ちにいく」
次戦は来年2月5日のアウェーでのシリア戦。主力不在と長距離移動を伴った苦しい試練を乗り越えた関塚ジャパンが、この勢いを保ったまま、一気にロンドンへの切符を手繰り寄せる。
<日本代表出場メンバー>
GK
権田修一
DF
比嘉祐介
鈴木大輔
濱田水輝
酒井宏樹
MF
山口螢
扇原貴宏
大津祐樹
→山本康裕(90分+4)
山田直輝
→山崎亮平(81分)
東慶悟
FW
大迫勇也
→永井謙佑(75分)