タンパベイ・レイズは現地時間25日付で、松井秀喜にメジャーの40人枠から外し、戦力外にすると発表した。今後は10日以内にトレードとなるか、自由契約になるか、マイナー契約を新たに結び直すかが決定する。今季の松井は開幕してからも所属先が決まらず、4月末にようやくレイズとマイナー契約。5月末にメジャー昇格を果たしたものの、打率.147、2本塁打、7打点と成績が低迷していた。
 この内容であれば、やむを得ない決定だろう。打撃を買われて、チームの一員になったにもかかわらず、打率は1割台。最初の3試合で2本塁打を放って以降は一発も出なかった。7月のヒットはわずかに2本。このところ9試合連続で快音が聞かれず、地元のファンからもブーイングを浴びていた。ア・リーグ東地区3位でプレーオフ進出を狙うチームはここにきてライアン・ロバーツをダイヤモンドバックスから獲得し、その代わり松井がロースターから外れた。

 松井にとってはメジャーでの野球人生をかけた大勝負と言っても過言ではなかった。昨季、オークランド・アスレチックスからFAとなって以降、なかなかオファーする球団が現われなかった。38歳という年齢や、両ヒザの古傷といった要素がネックになっていた面は否めない。その評価を覆すためにも、レイズで新たな松井秀喜像をアピールする必要があった。

 しかし、結果は出なかった。所属球団が決まらず、例年のように春先から調整を積めなかった点も、不調の一因だろう。それでも成績を残さなくてはいけないことは松井本人が一番よく分かっていたはずだ。再びアメリカでオファーを待つのか、日本に戻ってくるのか、それとも……。一時代を築いたゴジラの去就が気になる。

<イチロー、古巣ファンに別れの一打>

 ニューヨーク・ヤンキースに移籍したイチローが26日、古巣のシアトル・マリナーズ戦で「1番・ライト」で先発出場した。移籍に伴い、シアトルでは今季ラストゲームとなったイチローは、マリナーズ先発・岩隈久志と初対決。5回の第3打席でセンター前ヒットを放ち、5打数1安打で慣れ親しんだセーフコ・フィールドに別れを告げた。

 電撃移籍で試合中のベンチを一塁側から三塁側に移して3戦目。11年半プレーした古巣との今季最後の試合に、ヤンキースのジョー・ジラルディ監督は、マリナーズ時代にはお決まりだった「1番・ライト」のスタメンを用意した。

 しかも対するは後半戦から先発ローテーションに入った岩隈だ。巡り合わせとはいえ、移籍がなければ実現しなかった日本人対決が見られたのも、ファンにとっては貴重だった。

 そのイチローは初回、3回と岩隈の丁寧な投球の前にいずれも内野ゴロに倒れる。岩隈は立ち上がりにデレク・ジーターのソロ本塁打を浴びて失点したものの、2回以降は走者を背負いながらも、ゼロを重ねた。そして5回、1死無走者でイチロー、3度目のアットバット。外角のボールを叩きつけると打球はピッチャーの右を抜け、センター前へ抜けた。

 これで移籍後は3試合連続安打。シアトルのファンにもしっかり雄姿を焼き付けた。出塁したイチローはすかさず二盗を試みたが、これは岩隈とヘスス・モンテロのバッテリーがきっちりと対応し、セカンドでアウトに仕留める。送球を受けたショートの川崎宗則が、滑り込んできたイチローに勢いよくタッチし、ポーンとグラブを叩いて気合の入ったところを見せた。

 試合はヤンキースが8回に4点をあげて逆転し、3連戦を勝ち越して終えた。岩隈は5回6安打1失点で勝ち投手の権利を得て降板したが、メジャーでの先発初勝利はまたもお預けとなった。これでイチローはシアトルを離れ、いよいよニューヨークへ。28日からは新たな本拠地、ヤンキー・スタジアムにピンストライプのユニホームで初お目見えする。しかも相手は宿敵のボストン・レッドソックスだ。ただでさえ盛り上がるニューヨーカーの前で真価の問われる戦いが待っている。