元日恒例の第57回全日本実業団対抗駅伝競走(ニューイヤー駅伝)が1日、前橋市の群馬県庁前を発着点とする7区間100キロのコースに37チームが出場して行なわれ、“花の4区”でトップに躍り出たコニカミノルタが、そのまま一度もトップの座を明け渡すことなく守りきり、4時間49分32秒で5年ぶり7度目の優勝を果たした。2位にはトヨタ自動車九州、3位にはカネボウが入った。
 9時10分、元日の朝日が差し込む中、号砲とともに37チームが一斉にスタートした。予想通り、序盤から飛び出したのは1万メートル日本ランキング1位、トヨタ自動車の21歳若きエース宮脇千博だった。その後ろを2年ぶりに1区での区間賞を狙う旭化成の大西智也がついていった。宮脇はどんどんペースを上げ、後続を引き離す。5キロ地点での差は、約25秒となった。加速していくトップの2人に対し、35チームの大集団は、なかなかペースが上がらなかった。

 7キロ過ぎ、苦しい表情を浮かべていた大西が遅れ始めると、それに気づいた宮脇が一気にスパートをかけ、大西との差がみるみるうちに広がっていった。一方、後続の集団は徐々に縦長へと変化していく。そんな中、注目選手の一人、右ヒザのケガから復帰し2年ぶりの出場となった北村聡(日清食品グループ)は後方へと下がっていった。

 世界を目指すため、大学進学はせず、高卒でトヨタ自動車に入社した宮脇。その意識の高さが表れた走りで、ダントツのトップで2区のジョン・ツォーにたすきを渡した。2位には28秒差で旭化成が入り、連覇を狙う日清食品は31位と大きく出遅れた。

 外国人選手が走ることのできるインターナショナル区間の2区は、順位が大きく動く。ツォーはなんとかトップを守りきるも、そのわずか2秒後には猛烈な追い上げを見せたトヨタ紡績のパトリック・ムトゥンガが続いた。自らのこの激戦区に立候補したスーパールーキー鎧坂哲哉(旭化成)は積極的な走りで粘りを見せるも、2位から15位に順位を落とした。一方、日清食品は、北村の遅れを取り戻そうと激走したバルソトン・レオナルドがトップから1分13秒差で18位にまで順位を上げてきた。

 3区では3.5キロ過ぎ、トヨタ自動車の高林祐介がトヨタ紡績の山本芳弘にトップを明け渡すと、ジリジリとその差は広がり、結局12位にまで下がった。逆に一気にトップとの差を縮めたのが、旭化成の深津卓也だ。12人を抜き、一気に3位まで上げてエースの堀畑宏行にたすきを渡した。12月の福岡マラソンでは日本人トップの2位に入った堀畑。だが、その疲労が残っていたのか、8キロ過ぎあたりから苦しい表情を浮かべ、ストライドが伸びない。一方、トップと34秒差の4位でたすきを受け取ったコニカミノルタが猛追を見せた。キャプテンでエースの宇賀地強が序盤こそ抑え気味で入ったが、6キロあたりから徐々にペースを上げると、堀畑を抜き去り、約13キロあたりでトップの中本健太郎(安川電機)と椎谷智広(トヨタ紡織)と並ぶと、その後、後続との差を広げていった。

 しかし、その宇賀地以上の快走を見せたのが、“元祖山の神”と言われた今井正人(トヨタ自動車九州)だ。向かい風が吹く中、“爆走”とも言うべき力強い走りを披露し、トップの宇賀地とわずか1秒差の2位。前回の佐藤悠基(日清食品)を上回る1時間2分50秒の区間新記録をマークした。一方、堀畑は10位に後退した。

 5区では2008年に“ごぼう抜き”記録となる24人を抜く走りを見せた三津谷祐(トヨタ自動車九州)と、ルーキーの伊藤正樹(コニカミノルタ)がトップ争いを繰り広げた。12キロ過ぎ、伊藤がスパートをかけ、三津谷を引き離す。結局、伊藤は26秒差をつけてたすきを渡すと、6区の新田良太郎は2位との差をさらに2分10秒に広げた。そしてチームで唯一優勝経験のあるベテラン松宮隆行がアンカーを務めた。松宮は安定した走りを見せ、そのままトップでゴール。コニカミノルタは2位と4分近くの差をつける圧倒的な強さで5年ぶりの栄冠を手にした。大混戦となったのは2位グループだ。7チームの争いとなり、最後までもつれたが、デッドヒートを制したのはトヨタ自動車九州の酒井拓弥。3位にはカネボウの中村悠希が入った。

 注目のルーキー柏原竜二(富士通)は、6区を走り、ニューイヤー駅伝デビューを果たした。13位タイでたすきを受け取った柏原は、昨年まで箱根で見せていた馬力のある走りを見せ、順位を1つ上げた。だが、途中までは個人タイムもトップだった柏原だったが、結果は4位とふるわず、満足のいく結果とはならなかった。

 順位は以下の通り。
(1)コニカミノルタ(2)トヨタ自動車九州(3)カネボウ(4)Honda(5)中国電力(6)SUBARU(7)トヨタ紡織(8)トヨタ自動車(9)日清食品グループ(10)旭化成(11)安川電機(12)富士通(13)日立物流グループ(14)YKK(15)佐川急便(16)JR東日本(17)九電工(18)NTT西日本(19)大塚製薬(20)JFEスチール(21)小森コーポレーション(22)愛三工業(23)NTN(24)三菱重工長崎(25)マツダ(26)自衛隊体育学校(27)愛知製鋼(28)八千代工業(29)プレス工業(30)山陽特殊製鋼(31)黒崎播磨(32)トーエネック(33)中央発條(34)西鉄(35)四国電力(36)中電工(37)重川材木店