27日、女子東アジアカップ2013の最終戦が蚕室総合運動場で行われ、なでしこジャパン(日本女子代表、FIFAランク3位)が韓国女子代表(同16位)に2−1で敗れた。なでしこは前半14分、FWチ・ソヨンに先制ゴールを許した。後半22分にもチ・ソヨンに得点を決められた。反撃は28分のFW大儀見優季の1点に留まった。この結果、なでしこは3連覇を逃して2位。北朝鮮が初優勝を収めている。
主将・宮間、敗北に悔し涙(蚕室総合運動場)
韓国女子代表 2−1 日本女子代表
【得点】
[韓] チ・ソヨン(14分、67分)
[日] 大儀見優季(73分)
「勝たなくてはいけない試合なのに、自分たちの力が足りなかった」
主将のMF宮間あやは目を腫らしていた。3連勝するつもりで臨んだ大会の結果は1勝1敗1分け。悔しさが溢れ出た。
この試合に先駆けて行われた試合で勝ち点で並ぶ北朝鮮が中国を下していたため、なでしこは勝利が3連覇への絶対条件となった。
序盤、主導権を握ったのはなでしこだった。ボランチの宮間が積極的に中心にパスを受け、前線にボールを供給した。8分、PA手前のFW岩渕真奈へのスルーパスが韓国DFの足に当たり、こぼれ球がゴール前の大儀見のもとへ。しかし、大儀見はDFに体を入れられてシュートは打てなかった。
このままなでしこペースで展開すると思われたが14分、セットプレーから韓国に先制点を許した。PA手前、ゴール正面から少し右よりの位置のFKを、チ・ソヨンにゴール右上へ蹴り込まれた。なでしこは優勝に向けて2点が必要となった。
攻勢を強めたかったなでしこだが、先制して勢いづく韓国のハードプレスの前になかなかシュートまで持ち込めない。起点となる宮間、MF田中明日菜の両ボランチへのパスを寸断され、いいかたちを組み立てられなかった。1点ビハインドのまま試合を折り返した。
佐々木則夫監督は後半開始から田中に代えてMF阪口夢穂、後半12分には岩渕を下げてFW大野忍をピッチへ送り出した。展開力と突破力のある選手を入れて攻撃の活性化を図ったが、中1日の疲れかなでしこは2人目、3人目の動き出しがあまり見られず、決定機をつくりだせない。
すると21分、韓国に追加点を奪われた。後半21分、MFクォン・ハンヌルに右サイドを突破されてクロスを上げられる。これをファーサイドにいたチ・ソヨンに、ゴールに押し込まれた。GK海堀あゆみが果敢に前に出たものの、その脇を抜かれた。
優勝に3点が必要となったなでしこが反撃したのは28分だった。大儀見が宮間のミドルシュートがクロスバーを直撃してこぼれたボールを右足で押し込んだ。この直後、なでしこベンチは右サイドバックのDF中島依美に代えてFW菅澤優衣香を投入。前線の選手を増やして勝負に出た。
攻勢を強めるなでしこは36分、MF安藤梢が左サイドから中央に切り込んで右足でミドルシュート。しかし、これは右ポストを直撃してゴールならず。42分には、阪口が宮間の蹴ったFKが韓国DFに跳ね返されたボールをPA手前からダイレクトで狙った。前に出ていたGKの頭上は越えたものの、カバーリングに入ったDFにがヘッドでクリアされた。結局、なでしこはアディショナルタイムでもゴールを奪えず、韓国に約5年ぶりの黒星を喫するとともに、大会3連覇を逃した。
「フィニッシュの精度、ボールを支配してもゴールを奪いきれていない」
佐々木監督がこう指摘したように、なでしこはチャンスはつくれていた。しかし、それをモノにできないと、相手の流れになってしまう。宮間は「(試合を)難しくしてしまったのは自分たち」と唇を噛んだ。
11年W杯を制し、ロンドン五輪で銀メダルを獲得したなでしこがぶつかった壁はアジアだった。これは、世界の女子サッカーが成長していることの証といえる。なでしこも進化しなければ、再び世界で勝つことはできない。そのためには、取り組んでいる縦に速いサッカーの精度向上や新戦力の台頭が必要となってくる。宮間は最後に「また応援してもらえるチームになる」と誓った。今回味わった悔しさを、無駄にはしない。