二宮: 長身のバレーボール選手はよく食べるイメージがありますが、お酒の方はどうなんでしょう?
植田: 強い選手は強いですよ。特に北京オリンピックでキャプテンを務めた荻野正二はよく飲みますね。今シーズン限りで現役を引退するのですが、最近、一緒に飲む機会があったんです。さすが、サントリー社員という表現がピッタリ、よく飲みますね(笑)。


二宮: 荻野さんがそこまで飲むとは……。イメージからすると、意外ですね。
植田: 昨年の年末にも元全日本男子監督でミュンヘン五輪金メダリストの大古誠司さんと私と荻野の3人で飲んだんです。大古さんの前でも「いったい、どれくらい飲むんだ!?」というくらい飲んでいましたね。

二宮: じゃあ、植田さんの周りで一番お酒に強いのは荻野さん?
植田: 僕は監督という立場ですから、現役選手とはあまり一緒にお酒を飲みに行かないんです。だから、あまり今の選手がお酒をどれくらい飲むか詳しくはわからないのですが、噂に聞くと、やはり最近のナショナルチームでは荻野が一番飲むみたいですね。しかし、荻野は飲まない時は飲まない。わきまえていました。2008年で現役引退した205センチの長身センター齋藤信治(東レ)も飲めばなかなか強いようですよ。

二宮: やはり飲み方は豪快なんですか?
植田: 荻野なんかはプロですね。例えばウイスキーの水割りの作り方なんか、非常にこだわっているんです。グラスに氷を入れて、ウイスキーを入れますよね。ここでまず、13回転半かきまぜるんです。それからまた氷を入れて、今度は3回転半かきまぜて、ようやく出来上がり。「何でそんなにまわすの?」って聞いたら、「これがウイスキーの一番美味しい飲み方だ」と。

 水割りの作るのも代表の仕事

二宮: 植田さんご自身はどうなんでしょう?
植田: お酒は大好きですよ。ほとんど毎日飲んでいるくらいです。

二宮: 現役時代から飲まれていたんですか?
植田: はい、飲んでいましたね。でも、若い頃は監督のをつくらせていただく方が多かったです。特に南将之監督、大古コーチの時代は、よく水割りをつくらせていただきました。2人は監督室で毎晩のように飲んでいたんです。海外遠征の時は、選手一人が3本ずつ持っていくんです。12名いますから合計36本。それを遠征先の監督室に置いておくわけです。

二宮: 選手は監督とは一緒に飲んだりはしなかったんですか?
植田: いえいえ、とんでもない。特に僕は一番若手でしたので、監督室に水と氷を持って行って、「一杯作っていけ」と言われたら、そこで作ってまた自分の部屋に戻るんです。

二宮: 水割りの作り方なんて、若い頃はなかなか難しかったんじゃないでしょうか?
植田: そうですね。一番最初は薄めに作ってしまって、「オマエ、何をやっているんだ!」と叱られたりもしました(笑)。監督によって水とウイスキーの割合が違いますので、それを覚えるところから始まるんです。例えば、南さんはウイスキー8に対して水が2なんです。

二宮: それは、ロックでよかったんじゃないですかね(笑)。
植田: そうなんです(笑)。大古さんは半分、半分でした。

 お酒は対話の重要なツールに

二宮: 選手はそうしたことも仕事の一つなんですね。
植田: いかに相手に美味しいものを出せるかというのが大事なんですね。しかも、また本当に美味しそうに飲むんですよね。もう、自分たちも飲みたくなるくらいに(笑)。

二宮: 目の前で美味しそうに飲まれたら、たまらないですよね(笑)。
植田: そうなんです。でも、そうやって若い頃からウイスキーをつくったりしているので、実はサントリーさんのルーツにも詳しいですよ。佐治敬三さんから始まって、鳥井信治郎さんのことを勉強しました。

二宮: 実際に「ザ・プレミアム・モルツ」を飲まれていかがですか?
植田:「モルツ」も好きですが、「モルツ」以上に薫りがよくていいですよね。また、斬新なデザインがすごく印象的です。これがまた「ザ・プレミアム・モルツ」の人気の秘密なんだと思いますよ。

二宮: 植田監督も選手とは一線を画しているんですか?
植田: はい、表向きはそうしていますね。ただ、最近はキャプテンを監督室に呼んで飲むこともあります。北京オリンピック前は荻野を呼んで、ヒザを交えて話をしましたね。

二宮: 大事なことを話すときなんかは、やっぱりお酒を飲みながらの方がいいんでしょうね。
植田: はい。お酒を飲むということは、お互いに落ち着いて座っている状態になるわけですよね。そこでグラスを交わしながら、同じ目線で話すことができる。そうすると、私と選手との間に距離感がなくなるんです。もちろん、「もっとこうしなければいけないよ」と厳しいことを言う時もあります。ただ、そういう場合も場が和んでいるだけに効果的だったりするんですよ。お酒はコミュニケーションをとるためにも、非常にいいツールだと思いますね。

 実業者語録は効果てきめん!

二宮: さて、ナショナルチームにはさまざまな企業チームから選手が集まってきます。選手のモチベーションを高めるための“秘策”は?
植田: 僕は各企業の実業者の話をしたりしますね。例えばパナソニックだったら松下幸之助さん、サントリーだったら佐治敬三さん。「お前らがこうして今、社員としてバレーボールができているのは、彼らの血のにじむような努力があったからなんだ」と。

二宮: うわぁ、それは選手たちには一番効くでしょうね。
植田: 監督という仕事も失敗は許されませんからね。不安だからこそ、そういうものを引っ張り出してきて勉強しているんです。僕のi-podには40人近くの実業者の言葉が詰まっているんです。全部で300時間くらいの長さになるでしょうか。松下さん、佐治さん、YKKの吉田忠雄さん、京セラの稲盛和夫さん、ソニーの盛田昭夫さん……。もう30回くらい聴いて暗記してしまったものもあります。

二宮: どんな言葉が印象に残っていますか?
植田: それぞれ会社創業からのエピソードがふんだんに詰まっているのですが、すごいと思ったのは佐治さんですね。高度経済成長真っ只中の時代から既に「プラン・ドゥー・チェック・アクション」を実践しているんです。「まずはやってみて、それでダメだったらチェックして、それからまたアクションを起こせばいい」と。当時からそういうことを考えているなんて、すごいなと感服しました。それを選手たちにも伝えるわけです。そうすると、選手たちは僕の後ろに創業者や経営者がいるように見えるわけです。

二宮: それは絶大な効果がありますね。
植田: 例えばパナソニックの選手には松下さんの話をすると、バッチリです。僕自身も監督になって改めて確認したいなと思っているのは松下さんですね。

二宮: 自分の会社のことながら、選手も知らないことの方が多いのでは?
植田: はい、そうなんです。「監督、何でそんなこと知っているんですか?」と選手によく言われるんですけど、「オレはお前らの創業者を尊敬しているんだ」と。そして、それぞれの商品の誕生には、長い歴史があることを話すわけです。

二宮: 植田監督、今度経営哲学の本を出しませんか? 絶対に面白い本ができますよ。
植田: 頑張ります(笑)。

<植田辰哉(うえた・たつや)プロフィール>
1964年7月25日、香川県生まれ。中学からバレーボールを始め、大阪商業大学高等学校、大阪商業大学を経て新日本製鐵に入社。日本リーグでは78〜80年に3連覇を果たし、新人賞、スパイク賞(2回)、ブロック賞(2回)などを受賞した。92年バルセロナ五輪に主将として出場し、チームを6位入賞に導く。新日鐵のコーチ、監督などを経て、2004年より全日本男子の監督に就任。08年には4大会ぶりのオリンピック出場を果たした。09年度より全日本男子監督に再任され、アジア選手権優勝、世界選手権予選1位、グランドチャンピョンカップ32年ぶりの銅メダルを獲得した。

★本日の対談で飲んだお酒★[/color]
 
世界的な酒類・食品などのコンテスト「モンドセレクション」のビール部門で、3年連続最高金賞(GRAND GOLD MEDAL)を受賞したザ・プレミアム・モルツ。原料と製法に徹底的にこだわり、深いコクとうまみ、華やかな香りを実現しました。

提供/サントリー

<対談協力>
梨の家
東京都港区港南2丁目15−2品川インターシティS&R棟3F
TEL:03―5479−5219
営業時間:11:00〜22:00 

☆プレゼント☆
植田辰哉監督のサイン色紙を読者2名様にプレゼント致します。ご希望の方はより、本文の最初に「植田辰哉監督のサイン色紙希望」と明記の上、下記アンケートの答え、住所、氏名、連絡先(電話番号)、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選は発表をもってかえさせていただきます。たくさんのご応募お待ちしております。
◎アンケート◎
 この対談を読んであなたは、今後ザ・プレミアム・モルツを飲みたいと思いましたか。
A.是非飲みたい
B.飲みたい
C.どちらともいえない
D.飲みたくない

(構成:斎藤寿子)
◎バックナンバーはこちらから