15日、南アフリカワールドカップグループリーグG第1節がポートエリザベスで行われ、コートジボワール(FIFAランキング27位)とポルトガル(同3位)が対戦した。前半からボールを保持したのはポルトガルだったが、シュートチャンスを多く作ったのは手数をかけず攻めたコートジボワールだった。スコアは動かずハーフタイムを挟み後半に入ると、ポルトガルに流れが傾く。サイドからの攻めで相手ゴールに向かうも、ゴールは生まれず。防戦一方となったコートジボワールは終了間際に最後の力を振り絞り攻めの姿勢を見せるが、こちらも決め手を欠きスコアレスドロー。強豪同士の対決は引き分けに終わった。

 お互いリスクを回避した勝ち点1(ポートエリザベス)
コートジボワール 0−0 ポルトガル

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 組み合わせ抽選直後から“死のグループ”と呼ばれているグループG。中でも2位争いをすると見られているコートジボワールとポルトガルの対戦は、グループリーグ48試合の中でも屈指の好カードと言われ期待の高い試合だった。コートジボワールは大会直前、日本との親善試合で大黒柱のFWディディエ・ドログバ(チェルシー)が右腕を骨折し、大会の出場が危ぶまれた。この日のドログバはベンチに入ったものの、先発出場は叶わなかった。一方のポルトガルもウィングとして期待されていたナニが肩を痛め戦線を離脱。FWクリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリッド)らを擁する攻撃陣は強力ではあるが、万全の状態とはいえない2カ国の顔あわせとなった。

 序盤からボールを支配したのはポルトガルだ。息のあったDFラインがしっかりとしたコントロールで相手攻撃陣に仕事をさせない。前線ではC・ロナウドがドリブルを仕掛けつつ、個人技で突破を図った。

 前半7分、ゴール正面30m付近でMFラウール・メイレレス(ポルト)からのパスを受けたC・ロナウドが素早く反転すると、素早く小さなスイングで右足を振りぬく。強烈な弾道を残したシュートは無回転のまま相手ゴールを襲う。変化したボールは惜しくも左ポストに直撃したが、クラブチームで何度も披露してきたC・ロナウドが挨拶がわりの一撃を食らわし、スタジアムは大いに沸いた。

 だた、ポルトガルはボールを保持するものの、決定機を作ることはできない。前半のチャンスらしいチャンスは、7分のロングシュートのみ。ボールを相手に持たせられている印象すらある展開となった。

 コートジボワールは高い位置からプレスをかけ、ボールを奪うとシンプルにボールを繋ぎポルトガル陣内に攻め込む。17分、センターサークル付近でボールを奪取すると、一気にオレンジ色のユニフォームを着た4選手が駆け上がり、数的優位な場面を作る。最後にMFシェイク・ティオテ(トゥベンテ)が放ったシュートは大きく枠を外れたものの、ゴール前にはしっかりと3名が構えていた。シュートの精度が高ければ、GKが弾いたところに詰めることも十分考えられ、分厚い攻撃を仕掛けた。

 ポゼッションは少なくてもペースを握ったのはコートジボワールだった。高い身体能力はポルトガル相手でも十分に通用し、少々強引ながら相手ゴールへ向かっていく。しかし、ゴールが生まれることはなく、ジリジリとした展開で前半を終えた。

 後半に入ると、ポルトガルの攻撃に迫力が増し始める。13分には左サイドからのクロスにゴール前でFWリエジソン(スポルティング)があわせる。シュートは力なくGKがキャッチするものの前半はあまり見られない形で攻撃を組み立てる。34分にはボールを持ったC・ロナウドがゴール正面でフリーキックのチャンス。直接ゴールを狙うも枠をとらえることはできない。前半に比べれば攻めの形を作るポルトガルだったが、肝心のゴール前でうまくパスがつながらず相手ゴールを脅かすには至らなかった。

 後半は守勢に回ったコートジボワールが驚きのカードを切ったのは21分だった。FWサイモン・カルー(チェルシー)に替え、骨折しているドログバを投入。アフリカが誇るストライカーの登場にスタジアムはブブゼラの大音量に包まれた。とはいえ、ドログバのコンディションは万全とは言えず、ゴール前で大きな仕事をすることはできなかった。あくまで調整段階での出場となったが、今後、コートジボワールにとって頼もしい存在がピッチに帰ってきた。

 残り10分を過ぎたあたりからお互いにスペースを与え始め、カウンターの応酬となる。しかし、両国とも守備陣が安定し、大きな綻びを見せなかった。厳しいグループの初戦ということもあり、後半の中ごろからともに勝ち点1を取るという戦い方にシフトしたようにも感じられた。グループGは北朝鮮から勝ち点3を奪いつつ、得失点差で2位の座を争うことになる。そう考えれば、引き分けもやむなしという采配をした両指揮官の判断も間違ってはいない。

 攻守に渡り素早い展開となった試合は90分を戦って無得点のまま終了となった。勝ち点1ずつを分け合った2カ国。いかにブラジルからゴールを、北朝鮮から勝ち点3を奪うかが今後の明暗を分けることになりそうだ。

(大山暁生)

【コートジボワール】
GK
バリ
DF
コロ・トゥレ
ゴフリ
ティエネ
ドゥメル
MF
トゥーレ・ヤヤ
→ロマリッチ(87分)
エブエ
ティオテ
FW
カルー
→ドログバ(66分)
ジェルビーニョ
→ケイタ(82分)
ディンダン

【ポルトガル】
GK
エドゥアルド
DF
B・アウベス
カルバーリョ
フェレイラ
コエントラン
MF
P・メンデス
R・メイレレス
→アモリム(85分)
デコ
→チアゴ(62分)
FW
C・ロナウド
ダニ
→シマオン(55分)
リエジソン