15日、南アフリカワールドカップグループリーグF第1節がルステンブルグで行われ、ニュージーランド代表(FIFAランキング78位)とスロバキア代表(同34位)が対戦した。格下と目されていたニュージーランドがロングボールを多用しながらチャンスを狙い、守備では人数をかけてスロバキアの攻撃を抑える。両者ほぼ互角の内容で前半を0対0で折り返した。後半5分、FWロベルト・ヴィテック(アンカラギュジュ)がヘディングでゴールを奪い、スロバキアが先制する。その後はスロバキアが押し気味に試合を進めるものの追加点を奪えず、このまま試合は終了するかと思われた。しかし、後半ロスタイムにDFウィンストン・リード(ミドティラン)のヘディングが決まり、ニュージランドが同点に追いつく。劇的な展開で引き分けに持ち込み、互いに勝ち点1を獲得した。
第1節を終え、4カ国が横並び(ルステンブルグ)
ニュージーランド 1−1 スロバキア【得点】
[ス] ロベルト・ヴィテック(50分)
[ニ] ウィンストン・リード(90+3分)
全64試合詳細レポートと豪華執筆陣によるコラムはこちら ニュージーランドは82年スペイン大会以来2度目の出場となり、本大会で勝ち点を得た経験はない。対するスロバキアは、チェコスロバキアから分離独立後、初出場を果たした。先に行われた同組のイタリアとパラグアイが引き分けたため、初勝利を目指す両国にとって、グループリーグ突破に向けて、大事な1戦となった。
ニュージーランドは190センチを超える長身選手を揃えており、ロングボールを長身FWロリー・ファロン(プリマス)に預けるシンプルなプレーやセットプレーでチャンスをうかがった。前半5分、フリーキックからFWクリス・キレン(ミドルスブラ)が頭で合わせるもGKに止められる。38分にはFWシェーン・スメルツ(ゴールドコースト・ユナイテッド)がファロンとのワンツーから抜け出してPA内でシュートを放つが、ここもGKに阻まれる。
対するスロバキアは、司令塔MFマレク・ハムシク(ナポリ)とドリブラーのMFウラジミール・ヴァイス(ボルトン)を中心に攻撃を展開する。22分、左サイドで突破したヴァイスがハムシクへ横パスを送る。PA内でボールを受けたハムシクがゴール右隅を狙うもののシュートは枠を外れる。43分には右サイドで得たフリーキックをヴァイスがおとりとなり、DFマレク・チェフ(WBA)が横に流す。中央で受けたハムシクがダイレクトでミドルシュートを放つ。GKに弾かれゴールにこそならなかったが惜しいプレーが続いた。
前半は両チームほぼ互角の内容となり、スコアレスで折り返した。戦前の予想ではニュージーランドが劣勢と見られていただけに、前半の戦いぶりは想像以上の善戦となった。
しかしながら、後半早々に先制点を奪ったのはスロバキアだった。右サイドでボールを持ったFWスタスニフ・セスタク(ボーフム)がアーリークロスを入れる。ニアサイドで待っていたヴィテックが頭で合わせてゴールネットを揺らし、スロバキアが待望の先取点を獲得する。セスタクがクロスを上げた際に、ヴィテックが最終ラインを1歩はみ出していたようにも見えたが判定は変わらずゴールが認められた。一方のニュージーランドにとって微妙なゴールは不運な失点となってしまった。
リードを奪ったことにより、地力で勝るスロバキアが試合をコントロールする。対するニュージーランドは先取点を許すと、前半に見せていた作戦は影を潜め、攻め込まれる時間が続く。
ニュージーランドリッキー・ハーバート監督は、27分にクリス・ウッド(WBA)、33分にはジェレミー・クリスティー(タンパベイ・ローディーズ)を入れて状況を打破しようと試みる。
すると、43分にMFトニー・ロックヘッド(ウェリントン・フェニックス)がクロスを上げ、スメルツがニアサイドで頭を合わせる。ゴールは枠を逸れたが、前半見せていた自分たちの武器を思い出したかのような攻撃だった。
このまま試合が終了するかと思われたが、土壇場でニュージーランドに劇的な同点ゴールが生まれる。ロスタイム3分、左サイドで相手DFと競り合ったスメルツがクロスを上げる。ファーサイドでそのボールに合わせたのは、パワープレーで上がっていたリード。叩きつけたヘディングはゴールポストに当たって、ゴールに吸い込まれた。敗戦濃厚な展開の中、最後の最後で追いついた大きな価値のある1点だった。
試合はそのまま1対1で終了し、追いついたニュージーランドは勝ち点1を奪い取り、対するスロバキアは勝ち点2を失う形となった。
ニュージーランドは2度目のW杯出場で初めての勝ち点を奪取した。持ち味である高さのある攻撃が通用したことも自信となり、予選突破へ向けて好スタートを切ったと言えるだろう。ハーバート監督は選手としてスペイン大会に出場し、勝ち点を挙げられなかった28年前の雪辱を果たした。この勢いのまま次戦、強豪イタリアに挑む。
一方のスロバキアはリードした後、試合をコントロールしながらも終盤に追いつかれた。分離独立後初出場とはいえ、格下相手に勝ち点3を取りこぼした格好だ。追加点を奪えなかった攻撃陣と最後まで守り切れなかった守備陣ともに、次のパラグアイ戦までに立て直しを図りたい。
(杉浦泰介)
【ニュージーランド】GK
パストン
DF
ネルソン
リード
スミス
MF
ヴィセリッチ
→クリスティー(78分)
エリオット
ロックヘッド
バートス
FW
キレン
→ウッド(72分)
スメルツ
ファロン
【スロバキア】GK
ムハ
DF
シュクルテル
ジュリツァ
チェフ
ザバフニーク
MF
シュトルバ
ハムシク
イェンドリシェク
ヴァイス
→クツカ(90+1分)
FW
セスタク
→ホロシュコ(81分)
ヴィテック
→ストフ(84分)