25日、南アフリカワールドカップグループリーグG最終節がダーバンで行われ、ポルトガル(FIFAランキング3位)とブラジル(同1位)が対戦した。世界トップレベルの技術を誇る両国の対戦は細かいパスが数多く繋がる展開となる。前半はブラジルが押し気味に進めるものの無得点で折り返すと、後半はポルトガルが徐々に主導権を掴んでいく。ただ、ドローでも決勝トーナメントへ駒を進める両国は無理に得点を狙いにいくことはなく、そのままスコアレスで試合終了。試合前の順位と同じ1位ブラジル、2位ポルトガルのままグループリーグを終えた。
テクニシャン同士の戦いもスコアレス(ダーバン)
ポルトガル 0−0 ブラジル
全64試合詳細レポートと豪華執筆陣によるコラムはこちら グループGは第2節を終えてブラジルが2連勝で首位、2位には北朝鮮に7対0で圧勝したポルトガル、以下コートジボワール、北朝鮮と続いた。ポルトガルは2戦目の大勝が効いており、勝ち点でコートジボワールに並ばれても得失点差で圧倒的なアドバンテージがある。両者ともに決勝T進出はほぼ決まっており、勝利したチームが1位でグループを抜けるという図式になっていた。
ブラジルは2節で負傷したエラーノ(ガラタサライ)、レッドカードを受けたカカ(レアル・マドリッド)を欠き、さらにロビーニョ(サントス)にも休養を与え、中盤の構成が大きく変わった。本来右サイドバックであるダニエウ・アウベス(バルセロナ)を右サイドMFとして起用し、左にはMFジュリオ・バチスタ(ローマ)を配置。そしてトップ下にFWニウマール(ビジャ・レアル)を置く布陣で試合に臨む。
対するポルトガルはクリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリッド)のワントップでスタート。ブラジルを相手にポゼッションサッカーを展開せず、カウンターで対抗する策に出た。
試合は前半開始からブラジルペースとなる。6分にはD・アウベスがPAやや外からミドルシュートを放つ。ブラジルには右サイドバックにマイコン(インテル・ミラノ)がおり、なかなか出場機会に恵まれないD・アウベスだが、所属するバルセロナでは不動のレギュラーであり、世界屈指のサイドプレーヤーだ。エラーノの代わりとしてハーフの位置に入ったことで、マイコンとの併用となり、右サイドから幾度となくチャンスを演出していく。
ブラジルに最初の決定機が生まれたのは30分。右サイドでボールを持ったD・アウベスがゴール前へ低いクロスを送る。ポルトガルDFは全員が戻りきっていたものの、バウンドしながら入ってきたボールはそのままファーサイドへ流れる。そこへ飛び込んだのはニウマールだ。右足のアウトサイドでうまくボールにあわせシュート。これをGKエドゥアルド(ブラガ)がかろうじて触りボールはクロスバーに当たりゴールにはならない。
対するポルトガルはC・ロナウドのスピードを生かしつつカウンターを狙う。しかしブラジルDFは落ち着いてこれに対応しチャンスを作ることはできない。41分に速いリスタートからC・ロナウドがロングシュートを放つが、これはGKの正面を突く。このシュートがブラジルにとって前半唯一の枠内シュートであり、ほとんど効果的な攻めを見せることなく前半を折り返す。
後半に入ると、ポルトガルに流れが傾く。13分には右サイドから途中交代のシモン・サブロサ(アトレティコ・マドリッド)がシュート。これはGKジュリオ・セーザル(インテル・ミラノ)が落ち着いて処理する。
その2分後にポルトガルに絶好のチャンスが生まれた。中盤でパスを受けたC・ロナウドがスピードに乗ったドリブルで右サイドを駆け抜ける。DF1人をかわすとマークに入ったDFルシオ(インテル・ミラノ)も抜きにかかる。ルシオは必死に守備をみせ彼の突破を許さず一旦はボールを奪取。しかし諦めないC・ロナウドはボールを再びコントロールしようと試みる。するとルシオは堪らずスライディングでボールをクリアする。そのボールはブラジルゴール前へと転がっていき、そこに走りこんだのはMFラウール・メイレレス(ポルト)だった。ファーサイドでボールに追いつくとシュート体勢に入る。そこへGKが果敢な飛び出し。両者が交錯したように見えたがギリギリのところでJ・セーザルがクリアしており、判定はコーナーキック。ポルトガルは千載一遇のチャンスを逃がすことになった。
ブラジルは後半もボールを持つものの、攻撃にアクセントをつける選手がいなかった。やはりカカにエラーノ、ロビーニョといったリズムを変える動きをする者がいなければ、さしものブラジルも相手ゴールを脅かすには至らない。途中交代でFWラミレス(ベンフィカ)、FWグラフィッチ(ヴォルフスブルク)などがピッチに入ったがゴールはなかなか生まれず、試合は膠着状態に入っていく。
終盤はドローでも決勝トーナメントに進める両国があきらかにペースダウンする展開となった。トーナメントの組み合わせを考えると、ここはグループ2位の方が楽な組み合わせになる可能性もある。ポルトガルがパワープレーに出なかったのにはそのような事情もあるのだろう。結局、試合はこのままスコアレスドローで終了し互いに勝ち点1を分け合った。グループGは1位ブラジル、2位ポルトガルが勝ち抜け、ベスト16入りを果たした。
好ゲームが期待された試合だが、やや拍子抜けする展開になった感が否めない。試合終了後にはスタンドからブーイングも聞こえた。ただ、これからの長い戦いを考えれば両者にとってベターな結果である。この引き分けがどちらに吉と出るかは、隣のグループで2位にいるスペインの結果次第となりそうだ。
(大山暁生)
【ポルトガル】GK
エドゥアルド
DF
B・アウベス
カルバーリョ
コスタ
コエントラン
MF
ペペ
→P・メンデス(64分)
R・メイレレス
→ヴェローゾ(84分)
チアゴ
デュダ
→サブロサ(54分)
ダニー
FW
C・ロナウド
【ブラジル】GK
J・セーザル
DF
ルシオ
ファン
マイコン
M・バストス
MF
F・メロ
→ジョズエ(44分)
G・シウバ
D・アウベス
バチスタ
→ラミレス(82分)
FW
ニウマール
L・ファビアーノ
→グラフィッチ(85分)