25日、南アフリカワールドカップグループリーグG最終節がネルスプロイトで行われ、北朝鮮(FIFAランキング105位)とコートジボワール(同27位)が対戦した。序盤から圧倒的に攻め続けたコートジボワールが、14分にMFトゥーレ・ヤヤ(バルセロナ)のシュートで先制点を奪う。20分にもMFロマリック(セビージャ)のヘディングでリードを2点とし前半を折り返す。後半もコートジボワールの攻勢が続き、37分に1点を追加すると北朝鮮の反撃を許さず、3対0のスコアで逃げ切り、勝ち点3を獲得する。コートジボワールは大会初勝利をあげるも、2位ポルトガルには届かず決勝トーナメント進出を逃した。

 チョン・テセ、無得点で大会去る(ネルスプロイト)
北朝鮮 0−3 コートジボワール
【得点】
[コ] トゥーレ・ヤヤ(14分)、ロマリック(20分)、サロモン・カルー(82分)

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 グループリーグ突破のため、大量得点の欲しいコートジボワールは立ち上がりから試合を支配した。開始直後にFWカデル・ケイタ(ガラタサライ)がトゥーレ・YとのワンツーでPA内に侵入しシュートを打つ。これはコースが甘くGKの右足に阻まれる。11分、右サイドからのクロスを受けたFWディディエ・ドログバ(チェルシー)がヘディングでゴールネットを揺らす。しかしここはオフサイドの判定。コートジボワールの圧倒的な優勢から、得点が入るのは時間の問題だった。

 ゴールが生まれたのは14分。左サイドバックのアルトゥール・ボカ(シュツットガルト)がグラウンダーのセンタリングを入れると、PAの少し外でボールを受けたのはトゥーレ・Y。バルセロナに所属する長身MFは、トラップしてゴールを見ると冷静にシュートを右隅に流し込んだ。早い時間に先制点をあげ、コートジボワールにとっては理想的な展開となる。

 追加点が入ったのはその6分後。左サイドでボカがクロスを入れると、ファーサイドで待っていたドログバが左足で絶妙なトラップ。反転し抜け出すと右足で強烈な一撃を放つ。シュートはバーを叩くが、こぼれ球に反応したロマリックが頭で押し込み、リードを2点に広げる。

 ここからコードジボワールのゴールショーが始まるかと思われたが、FW陣が数ある決定機を生かし切れない。31分にケイタがボレーシュートをゴール左に外す。さらにFWジェルビーニョ(リール)が38分にゴール前でスルーパスを受けたシーンと、45分に左からのクロスをヘディングで合わせた場面の2回。ともにPA内でのチャンスをものに出来ない。

 前半はコートジボワールの一方的なペースで2対0のまま終了する。対する北朝鮮は守備陣がラインを引き過ぎて、FW陣が孤立する場面が目立った。過去2戦で見せたカウンターの鋭さはなく、前半のシュートはFWホン・ヨンジョ(ロストフ)の直接フリーキック2本のみだった。

 後半もコートジボワールの攻勢は続く。11分、コーナーキックからDFコロ・トゥーレ(マンチェスター・シティ)がヘッドで中に落とすと、ドログバがダイビングヘッドで合わせる。17分には、ボカのクロスをファーサイドで待っていたドログバがヘディングシュートを打つ。ともに枠を外したが、英プレミアリーグの得点王が徐々にその存在感を見せ始めた。

 対する北朝鮮のエースFWチョン・テセ(川崎F)も負けじと相手ゴールを狙う。8分と13分にPAの右から強烈なシュートを放つ。ともにゴールにはならなかったが前半に比べて、いい位置でボールをもらえるようになる。

 なかなか追加点を奪えないコートジボワールのズベン・ゴラン・エリクソン監督は、19分にノーゴールのケイタとジェルビーニョに代えてアルナ・ディンダン(ポーツマス)とサロモン・カルー(チェルシー)を入れ、この試合を大差で勝利することを諦めない姿勢を見せる。

 しかし立て続けにあったチャンスをカルーが生かし切れない。26分、中央をドリブルで突破し左足でミドルシュートを放つものの、これは飛びついたGKにキャッチされる。27分にはPA内でボールを受けシュートを放つも枠の外へ。

 すると我慢の続いた北朝鮮に決定的なチャンスが訪れる。36分、途中出場のキム・グムイル(4・25体育団)のクロスを胸トラップするとGKと1対1になりシュート。GKに当たったこぼれ球を自ら詰めるが、ここも相手DFにブロックされてしまい、W杯初ゴールを奪うことは出来ない。

 直後の37分にコートジボワールがリードをさらに広げる。左サイドを突破したボカがクロスを入れると、ニアサイドに飛び込んだカルーがボレーで合わせ、ゴールネットに突き刺す。勝利を確実なものとしたコートジボワールがその後も得点を奪いに相手陣内に攻め入ったが、追加点を決めることは出来ずに3対0でタイムアップ。コートジボワールがグループリーグ3試合を1勝1敗1分けとした。

 試合に勝利したコートジボワールは、勝ち点3を積み上げたが、G組3位となり2大会連続でグループリーグ敗退となった。3試合で勝ち点4は悪い成績ではないが、善戦で満足出来るレベルのチームではない。W杯は2度目の出場と歴史は浅いが、ドログバやトゥーレ兄弟などを揃え戦力はアフリカでも屈指の存在だった。今大会はアフリカ開催であるために、躍進を期待されたが、決勝トーナメントに進めなかった。グループリーグ敗退した他のアフリカ4カ国と同様、身体能力や個人技の高さには目を見張るものがある。しかしプレーの正確さや試合運びなど未熟な部分も目についた。まずは選手と協会が一丸となり、長期的なチーム作りを図ることが最重要課題だ。そして個人と組織の力がかみ合った時、コートジボワールがW杯の覇権を争う日が来るだろう。

(杉浦泰介)


【北朝鮮】
GK
リ・ミョングク
DF
リ・ジュンイル
リ・グァンチョン
パク・チョルジン
チャ・ジョンヒョク
チ・ユンナム
MF
アン・ヨンハ
パク・ナムチョル
ムン・イングク
→チェ・グムチョル(67分)
FW
ホン・ヨンジョ
チョン・テセ

【コートジボワール】
GK
バリー
DF
K・トゥーレ
ゾコラ
エブエ
ボカ
MF
トゥーレ・Y
ティオテ
ロマリック
→ドゥンビア(79分)
FW
ケイタ
→カルー(64分)
ジェルビーニョ
→ディンダン(64分)
ドログバ