9日、女子アイスホッケーの5カ国対抗戦「スマイルジャパン ブリヂストン ブリザックチャレンジ」が行われ、日本代表(世界ランキング10位)がスイス代表(同5位)を2対0で下した。日本は序盤からスピードを生かしたプレーで主導権を握ると、第1ピリオドにFW平野由佳(三星ダイトーペリグリン)のゴールで先制。第2ピリオドに入ってからは、均衡した展開になったが互いに得点は生まれかった。リードして第3ピリオドを迎えた日本は、FW久保英恵(SEIBUプリンセスラビッツ)が追加点を奪い、そのままスイスの反撃を許すことなく、2試合連続完封勝利した。
(写真:第2Pに貴重な追加点を挙げた久保)
「60分間、我々が目指しているホッケーをやってくれた」。日本代表の飯塚祐司監督がそう語ったように、序盤から速いプレスが奏功し、公式戦で1度しか勝利していない相手に快勝した。

 前日に大会初勝利を挙げた日本は、この日はソチ五輪に出場する世界ランク5位のスイスと対戦した。ベストメンバーでないとはいえ、ソチ五輪では上位グループに入る強豪相手にどこまで自分たちができるのか。スマイルジャパンの腕試しには格好の相手だった。

 試合が動いたのは8分35秒。日本は敵陣の左サイドでパックを持ったFW大澤ちほ(三星ダイトーペリグリン)が中央後方にいるDF青木香奈枝(三星ダイトーペリグリン)につないだ。パックを受けた青木はミドルレンジからゴールを狙う。シュートはそのままいけば、枠を外れそうな軌道だったがスクリーンに入っていた平野がパックを叩いてゴールへ流し込んだ。日本は相手の一時退場によるパワープレー(PP)を確実に生かし、3試合連続で先制した。

 日本はその後もチャンスを作って、スイスゴールに襲い掛かったが、ここは相手守護神フローレンス・シェリングのセーブに遭い追加点を奪えなかった。シェリングは12年の世界選手権のベストGKの実力をいかんなく発揮した。日本は第1ピリオド終盤に久保が相手選手を引っかけるトリッピングで、マイナーペナルティ(2分間の一時退場)を受けた。1人少ないキルプレー(PK)に入ったが、ゴールマウスを守る藤本那菜(ボルテックス札幌)を中心に凌いだ。日本は第1ピリオドを1点のリードで終えた。

 しかし第2ピリオドに入ると「相手に合わせてしまった」と勢いは小康した。第1ピリオドは14対4と圧倒した枠内シュート数も10対7というかたちで表れた。3連戦ということもありある程度、運動量が落ちることは予想できた。ただ飯塚監督としては「(FWのセットを)4つのサイクルでやっている割には落ちが早かった」と課題に挙げた。終了後のインターバルで、その点を叱責したという。

 再び息を吹き返した日本は、最終ピリオドも相手を圧倒した。7分には、久保が再びトリッピングでマイナーペナルティを受け、PKとなったが、ここもスイスに得点を許さなかった。すると、2度の反則を受けたエースが、「反省というか、結果を残さなくてはいけないと思った」と意地を見せる。9分に敵陣深い位置でパックを奪うと、久保は左サイドからカットイン。そこから「前が空いたので、とりあえずゴールに向かって打った」というシュートはゴールに突き刺さった。エースが貴重な追加点を叩き出し、日本の勝利をグイッと手繰り寄せた。

 守っては、守備陣が7日のドイツ戦でハットトリックをしたFWフェーベ・シュテンツに枠内シュート1本と仕事をさせなかった。個の能力が高いスイス全体でも12本に抑え、2試合連続で完封。4年前の世界選手権では2−3で敗れている相手に雪辱を晴らした。「スイスにはいいイメージがなかったと思うので、“自分たちがやってきたホッケーがトップ5に通用することができた”。そういった選手たちの自信につながると思います」と指揮官も手応えを口にした。
(写真:素早いプレスで相手を追い込み2戦連続無失点)

 明日は、ソチ五輪では同組となるドイツと戦う。今大会はスイスに延長で敗れたが、スロバキアには日本を上回る7ゴールと大勝している。スマイルジャパンは世界ランキング7位を相手に自分たちの持ち味を発揮できるのか。飯塚監督は「どこまで差を詰めているか。ドイツの強みも弱みも再確認できると思う」と語った。今大会最終戦は、ソチ五輪に向けて重要な一戦となる。

(文・写真/杉浦泰介)