ボストン・レッドソックスの松坂大輔投手は28日、シアトル・マリナーズ戦に先発登板した。今季3度目のイチローと松坂の対決は、第2打席にイチローがセンター前にタイムリーヒットを放ち、3打数1安打。松坂は8回をその1点のみに抑えたが、勝敗はつかなかった。試合は1−1で迎えた延長11回、マリナーズがホセ・ロペスのタイムリーでサヨナラ勝ちをおさめた。
▼桑田、6試合ぶりの失点
 ここまでメジャー2度の対決で5打数無安打2四球。イチローVS松坂は2人の結果のみをみれば、松坂の完勝に終わっている。ただし、松坂は5月4日の試合で7点を失うなど、マリナーズ戦では結果を残せていない。両者にとって、どこか不完全燃焼の感が残る対戦だった。
 6月に入って松坂はピッチングが安定している。いずれの試合も6〜7回を投げ、2失点以内に抑えた。対するイチローも前回の対決時の打率は.281。それを.362まで上げてきた。本領をみせ始めた両者の激突が楽しみな第3Rは、マリナーズの本拠地セーフコフィールドでゴングが鳴った。

 いつものように「1番・センター」でスタメン出場したイチロー。初回、松坂との勝負の時を迎える。初球は147キロのストレート。これが外角に決まった。2球目もほぼ同じコースにカットボール。早くもカウント2−0と松坂が追い込んだ。
 そして3球目、松坂は再びストレートで勝負する。外角低め、バッターからもっとも遠い位置に速球が決まる。イチローもバットを出したが、さすがに当てることはできなかった。空振り三振。第1打席は松坂が制した。

 ここにきてストレートに本来のキレが出てきた松坂は、マリナーズの各打者を相手に直球で押す投球を展開する。課題の立ち上がりを三者凡退で終えると、3回2死まで順調にアウトカウントを増やした。
 ところが、3回2死から休養の城島健司に代わってマスクを被る9番ジェイミー・バークがセンター前に運ぶ。ストレートに詰まらされた打球はセンターのダイビングキャッチも及ばず、グラウンドを転々。この間に打者走者は2塁へ進み、今日の初ヒットで松坂はピンチを迎える。

 そしてイチローがバッターボックスに入った。初球、第1打席と一転して、松坂はインコースを突く。151キロの厳しいストレート。イチローはこれに反応し、バットを鋭く振りぬく。白球はフラフラとセカンドの頭を越え、センターの青芝の上にポトリと落ちた。イチローのメジャー対松坂初安打。これがタイムリーとなり、マリナーズは1点を先制する。
 ただ、好調・松坂は以降、さらに安定した内容をみせる。4回から6回まではパーフェクト。6回1死で迎えたイチローとの第3打席では外寄りのカットボールとストレートでカウント2−0とあっさり追い込む。1球外して、最後は再び外にカットボール。コースギリギリに決まり、主審がストライクのコールをあげた。見逃し三振に倒れたイチローは不服そうにベンチに下がっていった。

 松坂の好投に応えたいレッドソックスは直後の7回、ココ・クリスプの犠牲フライで同点に追いつく。7回、8回と松坂は先頭打者を許したものの、後続を断ち、味方の援護を待つ。しかし、レッドソックス打線も走者を出しつつも、あと1本が出ない。結局、8回113球を投げて3安打1失点、8奪三振でマウンドを降り、勝敗はつかなかった。

 イチローは9回の第4打席でレッドソックス2番手・岡島秀樹のカーブにバットをうまく当てて、ショート内野安打。4打数2安打で打率を.364に伸ばした。イチローに足でヒットを稼がれた岡島は1死1、3塁のピンチを招き、降板した。城島は完全休養で出番はなかった。

 松坂、イチローの第3Rの結果は3打数1安打。主に外にボールを集め、イチローに甘い球をひとつも投げなかった松坂に対し、イチローも内角の速球を負けじと打ち返した。ようやく3度目にして、高い次元でしのぎを削る両者の一騎打ちが見られたと言っても過言ではない。
 次回、対戦の可能性があるのは、8月3日からの3連戦。両チームの試合はこれが今季ラストとなる予定だ。オフにFAとなるイチローの動向次第では、2人の対決が見られなくなる可能性もある。1球1球に火花散るような戦いをもう1度見せてほしいところだ。

 ロペス、サヨナラ打
ボストン・レッドソックス 1 = 000000100 00
シアトル・マリナーズ  2 = 001000000 01× (延長11回)
勝利投手 デービス(2勝0敗)
敗戦投手 ピネイロ(1勝1敗)

【イチロー成績】
 4打数2安打1打点
第1打席 空振三振
第2打席 中前安打 1打点
第3打席 見逃三振
第4打席 遊内野安打
第5打席 四球

※第3打席まで松坂、第4打席は岡島と対戦

<桑田、6試合ぶりの失点>

 ピッツバーグ・パイレーツの桑田真澄投手が同日、フロリダ・マーリンズ戦に中継ぎ登板した。5−3とリードして迎えた7回、3番手としてマウンドに上がった桑田だったが、先頭のヘインリー・ラミレスにソロアーチを浴びてしまう。しかし、その後の2人は打ち取り、左打者を迎えたところで左腕ダマソ・マルテと交代した。

 結局、桑田は3分の2イニングを投げて1失点。ホールドをマークしたものの、デビュー登板(対ニューヨーク・ヤンキース)以来の失点だった。得点を許したのはいずれもホームラン。球威のない桑田にとって、コントロールが生命線であることを改めて示した形になった。 
 なお試合はパイレーツが8回に同点に追いつかれたが、延長10回にソロ本塁打2本で勝ち越し。接戦を制した。
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