5日、ニューヨーク・ヤンキースとシアトル・マリナーズ戦が行われ、ヤンキース井川慶投手が今季5度目の先発マウンドに立った。井川は城島健司にソロ本塁打を浴びるなど、3アーチを含む9安打を打たれて5回途中8失点で降板した。日米2000本安打まであと2本の松井は3回にソロ本塁打を放ったが、安打はその1本のみ。記録達成は6日以降にお預けとなった。
前回、先発投手の負傷で緊急登板。2勝目をあげてヤンキースを救った背番号29は、またもや首脳陣の期待を裏切ってしまった。
この日の井川はストレートで押す投球を展開した。02年の日米野球以来の顔合わせとなったイチローとのメジャー初対決は初球、2球目とストレートを選択。2球目の低めの直球を打たせて、レフトフライに仕留めた。
初回を無難に立ち上がった井川を打線も援護する。裏の攻撃でヤンキースは打者一巡の猛攻。6安打を集中させて5点を先制する。
2回もストライク先行の投球で簡単に2死をとった井川は7番・城島健司との初対決を迎える。0−1からの2球目、低めのストレート。城島はこれをフルスイングすると打球はヤンキースタジアムの深い左中間へぐんぐん伸びる。レフトの松井が懸命に追うが、白球はそのままスタンドに吸い込まれた。第3号となるソロホームラン。03年のダイエー対阪神の日本シリーズでも井川からアーチを描いている城島が、完璧な一打でメジャーの先輩の貫禄を示す。
結果的には、この本塁打が井川の歯車を狂わせた。3回、一死からイチローとの第2打席。高めのストレートで一塁方向にゴロを打たせたものの、イチローの俊足がまさり、内野安打で出塁を許す。
初のセットポジションでの投球となった2番エイドリアン・ベルトレとの対戦で、この日初めてフルカウントになると、勝負にいったスライダーが内に甘く入る。次の瞬間、快音を残して打球はレフトスタンドへ。井川は2回に続く被弾でリードは2点に縮まった。
その裏、ヤンキースの攻撃は松井秀喜から。松井はマリナーズ先発の韓国人右腕、白嗟承の外角のスライダーをジャストミート。火の出るような当たりがライトスタンドに消えていった。日米通算2000本安打まであと1と迫るソロ本塁打で、後輩の日本人左腕を援護する。
しかし、井川の狂った歯車は元に戻らない。4回も1死2塁のピンチ。本塁打を打たれた城島こそ内角の速球で三振に仕留めたが、続くユニエスキー・ベタンコートに外角のチェンジアップをうまくレフト線に運ばれ、1点を返される。
さらに、9番・ホセ・ロペスに勝負にいったストレートが高めに入る。ロペスがバットを鋭く振りぬくと、大飛球がレフトスタンドへ。痛恨の一発を浴びて井川は最大5点もあったリードをすべてはきだしてしまった。
直後のイチローとの対決では直球がすっぽ抜け、頭部付近に。イチローはもんどりうって倒れながらボールを避けたが、マリナーズベンチから全選手が乗り出してスタジアムは一触即発の雰囲気に包まれる。主審が両軍に警告を与えて場を制したが、すでに井川は自分のリズムを取り戻す機会を逸していた。
井川は裏に2点を勝ち越してもらったため、5回のマウンドには上がったものの、先頭のホセ・ビドロ、続く4番ラウル・イバネスに連打を浴びる。たまらずベンチを飛び出したジョー・トーリ監督に交代を告げられた。ヤンキースは2番手以降の投手も精彩を欠き、この回に大量8失点。結局計15点を奪われて、壮絶な打撃戦を11−15で落とした。
前回の好投で先発に復帰した井川だったが、結果は5回をもたず、9安打8失点。今季最悪の内容に終わった。四球は1と自滅ではなかったものの、今度はここ一番での制球が甘く、マリナーズ打線のえじきになった。トーリ監督は次回も先発起用を示唆しているが、低迷からの脱出が急務のチーム事情を考えると、がけっぷちのマウンドになることは間違いない。
なお、マリナーズのイチローは内野安打2本で4打数2安打。城島はソロを含む3安打2打点の活躍だった。
マリナーズ、先発全員安打、全員得点シアトル・マリナーズ 15 = 012380100ニューヨーク・ヤンキース 11 = 501200300
勝利投手 オフラハティ(1勝0敗)
敗戦投手 ビーン(0勝1敗)
セーブ プッツ(6S)
本塁打 (マ)城島3号ソロ、ベルトレ4号2ラン、ロペス4号2ラン
(ヤ)松井2号ソロ、デーモン2号3ラン
【松井成績】
3打数1安打1打点
第1打席 四球
第2打席
右本塁打(1打点)
第3打席 四球
第4打席 一ゴロ
第5打席 二ゴロ
【イチロー成績】
4打数2安打
第1打席 左飛
第2打席
一塁内野安打第3打席 四球
第4打席
一塁内野安打第5打席 四球
第6打席 三ゴロ
【城島成績】
4打数3安打2打点
第1打席
左中間本塁打(1打点)
第2打席 空振三振
第3打席
右前安打(1打点)
第4打席
左二塁打第5打席 三ゴロ併殺打
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