クライマックス・シリーズ進出を目指した昨季、あと一歩、3位・中日に及ばなかったカープ。ブラウン改革は今季こそ花開くのか? 新球場で広島の街は盛り上がるのか?
 08年12月15日、都内で『第5回東京カープ会』が開かれた。熱心なカープファン約280人と6人のパネリスト、ゲストが、愛するカープについてトークバトルを展開した。“最強赤ヘル軍団”も、今や万年Bクラスチーム。そろそろ復活の時だ!
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二宮: さて、何はともあれ来年度はですね、クライマックス出場と思っているわけですが、石井琢朗選手に言わせれば「それではダメなんだ」と。「優勝争うくらいの気概がないとダメなんだ」と聞いて「なるほどなぁ」と思ったわけですが、まずは上田さんから。今年のカープは一時期は3位に入って、「ひょっとしたらこのままいけるかなぁ」と思いましたよね。最後は中日との地力の差が出たといえばそれまでだけれども、最終的に2ゲーム差つきましたよね。何が一番、原因だったんですか。
上田: 去年、この場で「カープは3位になれます」っていうほら話をしてうけたのを覚えているんですけども(笑)、今年のカープが強かったのは市民球場バブルだったと思いますよ。みんなで市民球場が最後だって盛り上がって。今年は神宮球場だってものすごい盛り上がりでしたからね、カープファンで。ここにいらっしゃる方も随分、行かれたと思いますけど、今年は違ってましたもんね、スタンドの熱気がね。そういうのがあって勝ったんですよ。だから今年勝ったのは半分はバブルですよ。
 バブルでも何でもいいんですよ。だって、球団創設したのが1950年でしょ。初優勝はその25年後にしているんですよ。最後の優勝って1991年ですよ。もう17年経ってるんですよ。あと8年したら初優勝した時よりも遅れるっていうくらいの事態になっているわけで、今年をどうつなげるかだと思うんですよ。要するに9月28日にセレモニーをやってね、必ずここへ戻ってくるぞ、と言ってですね、翌日の阪神戦に大竹寛をとばして青木高広が先発っていう大奇襲に敗れですね(笑)。見事に奇襲に失敗して。一方、中日は28日の巨人戦、0−0できて上原浩治が荒木雅博にホームラン打たれて、まさかの中日勝ちでしょ。その前日の横浜戦では山口俊のサヨナラ押し出しですよね。中日は姑息に2つ勝ったんですよ。カープは29日のヤクルト戦にも負けて2連敗。ここでもう絶望ですよ。ということは、必ずここに帰ってくるといって、一日で約束を破ってるんです。選手もファンも破っている。これを来年度、実現させるかだと思う。どうやって来年、市民球場で日本シリーズをもう1回やるかっていうことを考えるべきだと思う。

二宮: それが課題だとするならば、川口さん、何が足りなかったのでしょうか。
川口: そうですね、チームとしてはレベルが上がってきているというのはわかりました。特に前田健太とか新しい選手たちが機能したし、キャッチャーを石原慶幸で固定してずっと被らせていたっていうのは、バッテリーの中ではすごく大きかったのかなとは思いますね。

二宮: ピッチャーが育ちましたよね。健太もよくやったし、篠田純平もまぁまぁよくやったし、齊藤悠葵もまぁまぁよくやったし……。まぁまぁまぁくらいですけどね(笑)。でも、最後はモノになったし、永川勝浩も今年は化けたし。
川口: そうなんですよ。永川が今年、安定感抜群だったしね。

二宮: チームのMVPは永川でしょ。
川口: はい。僕もそう思いますね。

上田: 川口さんにお訊きしたいんですけど、今年の永川って鬼でしたよね。つまり、38セーブしましたでしょ。そのうち9回に出てきて1点差をセーブしたのが20くらいあるんですよ。

二宮: しかもね、イニングまたいでることが多い。
上田: そう。だってルイスが勝ったっていうけど、ルイスっていうのは8回に化けるんだから。そうすると、7回から出てきて1回1/3抑えて勝ってるんですよ。1点差、2点差を。これが20試合くらいあるんです。これがひっくり返ったら今年の横浜になります。つまり来年は下手すると今年の横浜になるかもしれないんですよ。

二宮: 明るい話、明るい話(笑)。
上田: もしかしたら優勝するかもしれないんですよ。で、川口さんに訊きたいのは永川は来年、大丈夫ですか?

川口: 大丈夫です。
上田: 疲れはないですか?
川口: 疲れないでしょ。僕もリリーフ経験したことありますけど、疲れないですよ。

(Vol.8につづく。随時更新します)


川口和久(かわぐち・かずひさ)
1959年7月8日、鳥取県出身。鳥取城北高校から社会人野球チーム・デュプロを経て、80年広島にドラフト1位で入団。長年、左のエースとして活躍する。87、89、91年と3度の奪三振王のタイトルを獲得。94年にFA権を得て、読売ジャイアンツに移籍。96年にリーグ優勝を果たした際には胴上げ投手となった。98年シーズン終了後に現役を引退。通算成績は435試合、139勝135敗、防御率3.38。現在、解説者の傍らテレビやラジオにも出演するなど、幅広く活躍している。







上田哲之(うえだ てつゆき)
1955年、広島県出身。5歳のとき、広島市民球場で見た興津立雄のバッティングフォームに感動して以来の野球ファン。石神井ベースボールクラブ会長兼投手。現在は書籍編集者。










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