二宮: 昨シーズンは黒星はわずか2つのみでしたが、今シーズンはここまで5敗(2月末時点)を喫しています。これについてはいかがですか?
石原: 負けた理由がはっきりしていれば、そこをしっかりと修正して、次のステップに進むことができます。それを繰り返しながら、チームを仕上げていけばいい。しかし、やってはいけないのは、理由をつけて敗戦を正当化すること。それでは進歩はありません。負けた時はそれを真摯に受け止め、そのうえできちんと対応していくこと。今シーズンはそうしたステップを踏んできましたので、敗戦もチームづくりの糧になったと思っています。

二宮: 昨シーズンの連勝の原動力となったのが、ヨンギョン選手でした。それだけに、今シーズンは彼女へのマークも厳しかったのでは?
石原: かなり研究はされていますね。ところが、驚くことに彼女はそれを上回るプレーをするんです。相手がヨンギョンを研究している反面、彼女自身も他のチームの傾向をつかんでいたのでしょう。

二宮: チームにとっては頼もしいエースですね。
坂下: はい。一番苦しい場面で決めてくれるのがヨンギョンなんです。それにプレーだけでなく、性格も明るくて、みんなに気さくに話しかけてくれるムードメーカーでもあるんです。

 勝敗を分けるのは選手の気持ち

二宮: 石原監督はビデオをチェックするなどして、きっちりとデータをとり、戦略を組み立てています。そうした積み重ねが結果につながっているのでは?
石原: ありがとうございます。しかし、結果とは選手たちの頑張りにかかっているものだと思っています。よく選手にも言うのですが、確かに私がデータに基づいて戦術を選択し、「こういう時にはどうすべきか」ということを選手に示唆しています。でも、それは勝敗にかかわる影響とすれば、15%くらいにすぎません。もちろん、きちんとデータをとったわけではなく、根拠のない数字ですが、そんな程度でしかないんです。データを駆使していくら私が指示を出しても、選手が弱腰であれば何もなりません。どんなに有能な武器を持たせても、実際に使う者がそれを使いこなせないのでは勝つことはできないわけです。ですからやはり最後、勝負を決めるのは選手に「絶対にボールを落とさないぞ」という強い意思があるかどうか。そして「何が何でも相手のコートにボールを落とす」という気迫があるかどうかなんです。

二宮: 8割以上は選手の力だと。
石原: はい。データというのはあくまでも選手の持っている能力をどのように発揮させるかという道筋でしかないんです。しかも、そのデータ通りに戦って必ず勝てるかというと、決してそうではありませんからね。やはり選手自身の能力や気持ちが何より大事なんです。

二宮: しかもデータが多ければいいというわけではありません。
石原: その通りです。だからこそ、頭の中を整理することが重要です。捨てるべきものは捨てて、大事なのはこれだということを見極めなければならない。昨シーズン以上に今シーズンは、そういった取捨選択ができるゲーム巧者になっているのかもしれませんね。

 適応者こそが生き残る!

二宮: 監督の考え方として、よく言われるのが“勝者”と“強者”です。元東北楽天監督の野村克也氏は“弱者”に知恵をつけることで“勝者”にしてきました。一方、今シーズンから楽天の新指揮官を務める星野仙一氏は「オレは“強者”を目指す。“勝者”は一度きりのもので長続きしない。それよりも常に強いチームをつくれば、勝つ可能性が高くなる」と言っています。石原監督はいかがですか?
石原: 大きく言えば、どちらかに入るのかもしれませんが、私は“勝者”でも“強者”でもなく、“適応者”になりたいと思っています。企業もそうですが、最後に生き残れるのは、その場に適応できるかどうかかなと。Vプレミアリーグにおいては、確かに1試合1試合を考えれば“強者”が勝つかもしれないし、“勝者”が勝つかもしれない。でも、もっと大きなスパンで考えれば、どちらにしろ、環境に適応できる能力を身につけたチームにならなければ勝てないのかなと。

二宮: “強者生存”“勝者生存”ではなく、“適者生存”だと。
石原: はい。強い者ではなく、適応する者が生き残る。スポーツ界でバレーボールが生き残るためにも“適応”というのは重い意味を持つのかなと思っています。

: バレーボールの技術も日に日に進化しています。それに乗り遅れないという意味でも適応力は必要です。
石原: 私も自分では勉強しているつもりではありますが、進歩のスピードになかなかついていけてないなと実感することも少なくありません。それほどめまぐるしく変わっているわけで、ついていくのに必死なんです。(笑)

二宮: 就任以来、結果を出しているわけですから、逆に石原監督はリードしているのでは?
石原: いえいえ、結果はあくまでも選手が出していること。幸いにも優秀な選手たちがいてくれているおかげなんですよ。その選手たちのさらに先をいくような先進的な戦略・戦術を提供できるように、今後も怠ることなく、勉強していきたいと思っています。

(おわり)

石原昭久(いしはら・あきひさ)プロフィール>
1966年2月10日、埼玉県生まれ。東海大学出身。現役引退後、1988年に日立女子バレー部コーチ、1990年にイトーヨーカドープリオールコーチとなる。ペルー共和国ユース代表監督を経て、2000年にイトーヨーカドー監督に就任し、同年黒鷲旗で準優勝に導く。01年より武富士バンブー監督を務め、02年にはVリーグ準優勝。昨季はJTマーヴェラス監督に就任し、準優勝に導いた。

坂下麻衣子(さかした・まいこ)プロフィール>
1985年2月25日、兵庫県生まれ。小学3年からバレーボールを始める。凪川学園高2年時にはインターハイに出場。武庫川女子大3年時にはユニバーシアードに出場し、活躍した。2007年、JTマーヴェラスに入団し、最優秀新人賞を獲得。09年には初めて全日本代表に選出されると、主力としてワールドグランドチャンピオンズカップ、アジア選手権に出場した。今季はキャプテンとしてチームを牽引している。

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(構成・斎藤寿子)
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