星野仙一監督率いる野球日本代表は北京五輪出場権獲得を目指し、12月1日からアジア予選に挑む。韓国、台湾、そして1次予選を勝ち抜いたフィリピンと総当りのリーグ戦を行い、わずか1カ国が北京五輪の切符を掴むことができる。来年3月の最終予選に持ち込むことなく、星野ジャパンは出場権を得ることができるか――。対戦国の戦力を分析する。
韓国は昨季“三冠王”が投打の軸に
 投手陣はメジャーなど海外でプレーする選手のほとんどが不在だが、昨春のワールド・ベースボール・クラシックで活躍した守護神オ・スンファンが安定している。彼につなぐ先発、中継ぎをどう組み立てるかがカギとなりそうだ。

 先発の軸となるのが高卒2年目のリュ・ジョンジン。昨季は新人ながら最多勝、防御率、奪三振の三冠王に輝き、今季も17勝を挙げた韓国屈指のエースだ。150キロ近い速球が最大の武器だが、チェンジアップや落差のあるカーブなどの変化球でかわす術もある。
 元中日のソン・ドンヨルヘッド兼投手コーチが投手陣をどうさばいていくのか、その腕にも注目だ。

 打線は足の速い選手が揃っており、機動力を使った攻撃が見られそうだ。4番には一発のあるキム・ドンジュが座る。これまでの国際大会では目立った活躍はないが、沖縄での直前合宿では8試合で4本の本塁打を放っており、好調さを維持。日本球界からも注目されている。
 また5番のイ・デホは身長192センチ、体重100キロのパワーヒッターだ。昨年は韓国プロ野球史上2人目となる三冠王に輝いた。変化球に強く、故障で抜けたイ・スンヨプと比べても遜色ない。星野仙一監督が最も警戒する打者だ。

【五輪実績】
‘84(ロス)4位
‘88(ソウル)4位
‘96(アトランタ)予選リーグ敗退
‘00(シドニー)銅メダル


強打者揃う台湾打線に注目!
 ニューヨーク・ヤンキースのワン・チェンミン、ロサンゼルス・ドジャースの左腕・クォ・ホンツィとメジャーで活躍する2人の投手が不在の台湾。その中で11月に行なわれたワールドカップで最優秀防御率賞に輝いた東北楽天のリン・オンユと防御率1.00をマークしたヤン・ジェンブが先発の軸を担う。ともに国際経験は豊富でチームからの信頼も厚い。
 リリーフには今季ドジャースに在籍したツァオ・チンフィが控えている。オフに自由契約となったため、球数制限は設けられていない。チームにとっても心強い存在だ。

 台湾打線の核弾頭には今季9月にメジャー昇格を果たし、2本塁打を放ったドジャースのフウ・チンルンを置き、中軸には長距離砲がズラリと顔を揃える。不動の4番チェン・チンフォンをはじめ、左のシャ・ジェンシェン、右のフォン・ジェンミンのパンチ力は日本、韓国にもひけをとらない。
 また、監督にクオ・タイユエン(郭泰源)、コーチにはルー・ミンスー(呂明賜)と日本野球を熟知している首脳陣だけに、星野ジャパンにとっては手強い相手となりそうだ。

【五輪実績】
‘84(ロス)銅メダル
‘88(ソウル)予選リーグ敗退
‘92(バルセロナ)銀メダル
‘04(アテネ)予選リーグ敗退


フィリピンは投手力が最大の武器
 1次予選では3試合中2試合を完封勝ちしたフィリピン。チームの中心はエースのダーウィンだ。オーバー、サイドと自由自在に投げ分けることができるサウスポー。スピードこそ130キロ前後だが、ボールの出どころがわかりにくく、打者はタイミングを取りにくい。

 また、サイドスローのデラカルサダも要注意だ。左投げの上に変則的なフォームのため、タイミングをはかりにくい。その実力は2005年5月に行なわれたアジア大会で、社会人選抜の日本代表が3者連続三振に切ってとられたほどだ。

 打線は小粒ながら主砲のビリジリオを軸につなぎの攻撃で得点を奪う。変化球は苦手とするバッターが多いが、スピードへの対応力は優れている。
「高校野球地方大会の3、4回戦レベル」と言われているフィリピンだが、タイなどに比べて情報が少ないだけに、甘くみていると足元をすくわれる可能性もある。

【五輪実績】
実績なし