11月6日(木)
 6日、日本シリーズは西武ドームで第5戦が行われた。序盤に埼玉西武が試合の主導権を握りかけるも、大事な場面で一本が出ず足踏み状態に陥った。逆に小刻みな継投で最少失点で乗り切り、終盤に打線が爆発した巨人が7−2で快勝。3勝2敗とした巨人が日本一に王手をかけた。

◇第5戦
 阿部、2安打2打点の活躍(巨人3勝2敗、西武ドーム)
巨人      7 = 010000402
埼玉西武   3 = 101000001
勝利投手 西村健(1勝0敗)
敗戦投手 涌井(1勝1敗)
本塁打  (巨)阿部1号ソロ
      (西)平尾1号ソロ
 どちらが勝っても日本一に王手をかける大事な一戦は、西武・涌井秀章、巨人・上原浩治という第1戦と同じエース対決となった。先にリードを奪ったのは西武だった。初回、涌井が簡単に三者凡退に切って取るとその裏、1番・片岡易之、2番・栗山巧、3番・中島裕之の怒涛の3連打で無死満塁と絶好のチャンスをつかんだ。
 しかし、4番・中村剛也は空振り三振、5番・石井義人の打球は平凡なセカンドゴロに。これが併殺くずれとなり西武に先取点が入るものの、6番・後藤武敏も見逃し三振に倒れ、結局1点どまりに終わった。

 2回表、巨人は前日に続いてDHで先発出場した5番・阿部慎之助がセンターバックスクリーンへ本塁打を放ち、あっさりと試合を振り出しに戻した。その裏、西武にアクシデントが起こった。キャッチャー細川亨が一塁へかけこむ際に右肩を負傷し、西武は司令塔を欠くこととなった。だが、細川の後を任された21歳3年目の銀仁朗が日本シリーズ初出場とは思えないほどの冷静なリードで3回から5回まで全て3人で巨人の攻撃を終わらせた。

 3回裏、1死から中島の平凡なゴロをショートの坂本勇人が一塁へ悪送球。中島は二塁へと進み、再び得点のチャンスを得た。中村はセンターフライに倒れるも、5番・石井義人が初球のフォークをうまくとらえ、打球はライトへ。中島は一気に三塁もまわり、勝ち越しのホームを踏む。さらに後藤、7番・佐藤友亮と続き、2死ながら満塁とした。だが、8番・銀仁朗が空振り三振に倒れ、またも1点どまりに終わった。

 巨人は上原が3回で降板したものの山口鉄也、西村健太朗、豊田清、越智大祐といったリリーフ陣が踏ん張り、4回以降は西武打線に追加点を許さなかった。その投手陣の踏ん張りに打線も応えた。7回表、それまで2安打に抑えられていた涌井に対し、怒涛の攻撃を見せる。1死から4番・ラミレスが二塁打で出塁すると、続く阿部がライトへ安打を放つ。ラミレスは三塁をもまわり、一気にホームへ。巨人が再び同点に追いついた。主砲のガッツあふれるプレーに若手も燃えた。6番・亀井義行、7番・脇谷亮太、8番・坂本勇人がいずれも長打を放ち、巨人はこの回一挙4点を挙げて試合の主導権を握った。

 一方、西武は不運が続いた。主軸の中島が4回裏の3打席目で空振り三振に倒れた際、右わき腹を痛めて交代したのだ。主力の相次ぐ負傷退場も影響したのか、西武は打線がつながらなかった。毎回のようにランナーを出しながらもあと1本が出ず、4回以降はゼロ行進が続いた。

 逆に9回表にも巨人は2点を追加し、7−2とリードを広げた。9回裏、西武は途中から負傷退場した中島の代わりを務めた平尾博嗣の一発で1点を返したものの、時すでに遅し。結局、西武は巨人よりも多い13安打を放ちながら、3得点に終わった。

 序盤でエースがマウンドからひきずり降ろされる劣勢ムードからリリーフ陣と打線の奮起で逆転に成功した巨人。原辰徳監督は笑顔で次のようにインタビューに答えた。
「今日は少ないチャンスだったが、7回のビックイニングがよかった。(ラミレスの激走は)勢いをつけたと思う。(阿部は)やってくれると信じていた。(上原は)今までみんなを助けてきたし、今日はみんなが彼を助けた。若い選手たちが自信をもって戦っているのはチームにとって頼もしいし、このような大きな舞台でいい活躍ができるというのは彼らの大きな財産となると思う。気分よく東京ドームでジャイアンツらしい戦いができる。期待していてほしい」

 また、前日無得点に終わった打線を鼓舞したキャプテンの阿部は次のように試合を振り返った。
「守備では貢献できないので、打つ方で今日はやっとなんとか貢献できたかなと思う。涌井もいいピッチャーなので積極的にというのを頭の中に入れてやったらいい結果になった。(7回の集中打について)ラミレスが熱いプレーを見せてくれたので僕も一緒になってついていこうとつなげた。とにかく僕が下を向かないでベンチを盛り上げていければいいと思っている。今日はみんなで勝ったと思う。あと2つ何があるかわからないのでまた気を引き締めて明後日から頑張りたい」

 敵陣で2勝1敗と勝ち越しを決め、6年ぶりの王座奪還に王手をかけた巨人。その6年前と同じく西武を倒して日本一を奪回するのか。それとも西武が底力を見せて逆転優勝を果たすのか――。移動日をはさみ、第6戦は8日(土)、東京ドームで行なわれる。