
ハンドボールの全日本総合選手権男女決勝が12月21日、石川県金沢市いしかわ総合スポーツセンターで行われ、男子は大同特殊鋼が大崎電気に38−26で勝ち、3年連続13度目となる優勝を決めた。
大接戦となった女子は再延長戦までもつれこんだが、オムロンが北國銀行に25−24で競り勝ち、4年連続12度目の優勝を果たした。
(写真:日本代表での活躍も期待される大同特殊鋼・末松誠選手のシュート) 男子決勝は、前日の準決勝でともに接戦を制し、決勝進出を決めた大同特殊鋼(以下、大同)と大崎電気(以下、大崎)の対戦となった。立ち上がり、左腕山城貴志のサイドシュート、さらに武田享、山城の速攻で得点を重ねた大同がリードを奪う。対する大崎も永島英明の速攻、内田雄士の得点で反撃を試みるが、「武田とGK高木尚の連携」(大同・清水博之監督)が機能した大同は大崎の連続得点を許さない。さらに得点を重ねる大同が8点差と大きくリードし、20−12で前半を終了。後半に入っても流れは変わらず、多彩な攻撃で得点を重ねる大同。後半18分過ぎ、大崎のエース宮崎大輔がサイドからのシュートでこの日最初の得点をあげるが、大同の勢いを止めることはできず、大崎を圧倒した大同が38−26で3連覇を達成した。
試合後、大同の清水監督は「(全日本)総合に入ってからディフェンスはうまくいっていたが、オフェンスのリズムが取れていなかった。今日は末松を中心にそのリズムを掴み、全員で得点を取りにいくことができた。誰が出てもしっかり動けたことが結果につながった」と選手たちを称えた。好セーブを連発した主将のGK高木は「ディフェンスが助けてくれたからこそ、僕は止めることができた。宮崎選手のフリーのシュートを防ぐための練習を積んできた。みんなのおかげです」と充実の表情で汗をぬぐった。
(写真:試合後、厳しい表情で会見に応じる大崎のエース・宮崎大輔選手) 一方、完敗に終わった大崎の首藤信一監督は「重視していた立ち上がりの10分で離されてしまったのが最後まで響いてしまった」。シュートを12本打ちながらわずか1得点に終わったエース宮崎は「シーズンで一番悪いプレーが出た。昨日までは良いゲームができたが、今日は試合運び全体が悪循環だった。悔いが残る。言葉にならない」と唇を噛み、「まだ日本リーグは残っている。(3月の)プレーオフでの優勝を目標にしたい」と奮起を誓った。
女子は、北京五輪で韓国代表として活躍したエースの洪廷昊、多くの日本代表選手を抱えるオムロンに、地元の大声援を受ける北國銀行が体を張った攻守で食い下がった。
前半は12−9とオムロンが3点リードで折り返すが、後半、エース上町史織のカットインを中心に得点を重ねた北國銀行が8分35秒、同点に追いつく。ここから一進一退の攻防が続き、オムロン1点リードで迎えた残り24秒、北國銀行の上町がゴールを決め、19−19の同点で延長戦へ。延長戦でも両チームとも激しい気迫がぶつかりあう。勝負は再延長戦までもつれこみ、最後はオムロンの必死の守りに北國銀行がもう1点を奪うことができず、25−24でオムロンが勝利した。
(写真:激しい攻防となったオムロン対北國銀行の女子決勝) 4800人の観衆が見守る中での大接戦。試合後は両チームに多くの拍手が送られた。「大観衆の中、盛り上がった試合ができてよかった。北國銀行の選手たちは自信を持ってプレーしていた。守りきれたことが自信になった」とオムロンの黄慶泳監督。キャプテンの坂元智子は「北國銀行はスピードがあるので勢いに乗らせたら怖いチーム。(再延長後半に)7メートルスローを決めたときに勝利を確信した」と振り返った。
惜しくも優勝はならなかったもののオムロンと互角の戦いを見せた北國銀行の上町は「すごく悔しい」と涙を見せながらも「試合はすごく楽しかった。ベンチも含めチームメイト全員を信頼できた」。荷川取義浩監督は「選手は持てる力を十二分に発揮した。最後の最後まであきらめることなく戦ってくれた。一番の武器である“走る”をテーマに良い試合ができた」と健闘した選手たちを労った。
最優秀選手には男子が武田享(大同特殊鋼)、女子は藤井紫緒(オムロン)が選ばれた。
年明けには今大会で決勝を戦った大同特殊鋼、大崎電気、オムロン、北國銀行も参戦する男子10チーム、女子6チームによる日本リーグの戦いも続く。プレーオフを目指した熱い戦いにも注目だ。