パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)第1ステージでは東北楽天が投打に圧倒し、福岡ソフトバンクに連勝。レギュラーシーズンの勢いそのままに第2ステージ進出を決めた。21日(水)からは舞台を札幌ドームに移し、北海道日本ハムと楽天が激突。日本シリーズの出場権をかけた熾烈な争いが行なわれる。
「てっぺんをとりに行くのは本気ですから!」
第1戦のヒーローインタビュー、普段はそれほど派手なパフォーマンスをしないエース岩隈久志から “日本一奪取”宣言が飛び出した。それを証明するかのように翌日の第2戦では、田中将大がソフトバンク打線を1失点に抑え、岩隈に続いての完投勝利を収めた。打ってはベテラン主砲の山崎武司が2試合連続のホームラン。投げるべき選手が投げ、打つべき選手が打つ――楽天は最高のかたちで第1ステージを突破した。CS開幕直前には野村克也監督の退任騒動などが勃発し、レギュラーシーズンでつかんだ勢いがしぼんでしまうのでないかと懸念されていた。だが、楽天はこれを逆にチームの力にかえ、これまで以上に結束。加えて世間を味方につけた感さえある。
その楽天を迎え撃つのはシーズンを通して攻守ともにリーグ一の安定感を誇り、2年ぶりのリーグ優勝を果たした日本ハムだ。第2ステージではホーム開催と1勝のアドバンテージが与えられている。さらパ・リーグ単独で行なわれていた頃を含めると、今回で4シーズン連続のプレーオフ。梨田昌孝監督は初采配となるが、主力選手は短期決戦の勝ち方を熟知している者も少なくない。創設5年目にしてCS初出場の楽天の選手との経験の差は明らかだ。
だが、チーム状態は決して万全ではない。最大の不安材料はダルビッシュ有の欠場が決定し、頼れるエース不在でCSを戦わなければならないという点だ。初戦の先発が濃厚な武田勝が今シーズンの楽天戦5勝1敗と相性がいいとはいえ、先発陣の層の薄さは否定できない。楽天打線の勢いも考慮に入れれば、2番手以降の中継ぎ陣が勝敗を分けるカギを握りそうだ。そのため建山義紀、江尻慎太郎、菊池和正、金森敬之、林昌範、宮西尚生の5人のほか、坂元弥太郎、榊原諒、山本一徳の3人を一軍に帯同させ、先発、中継ぎともにこなす多田野数人を含め、10人で第2ステージをやりくりする模様だ。後ろには3勝0敗34セーブ、防御率1.20と安定感抜群の守護神・武田久が控えているだけに、それまでの継投に注目したい。
一方、打線は好調だ。昨シーズンまでとはうってかわって、今シーズンは12球団トップのチーム打率2割7分8厘、689得点をマークした。終盤戦、故障に悩んだ高橋信二、糸井嘉男、金子誠、小谷野栄一の調整も順調でベストの布陣で第2ステージ突破を目指すことができそうだ。
楽天は第1ステージで好投した岩隈、田中が中5日での登板がほぼ確実で、先発は第1戦から永井怜、岩隈、田中の順が濃厚だ。問題は第4戦以降、誰を先発に立てるか。青山浩二、藤原紘通、長谷部康平らが有力視されるが、先の3投手に比べればやや不安な面は拭えない。日本ハムに1勝のアドバンテージが与えられることを考えても、先発3本柱で確実に白星を稼ぎたいところだ。
シーズンの対戦成績は日本ハム13勝11敗とほぼ互角。加えて日本ハムのホーム戦は6勝6敗と楽天にそう苦手意識はないはずだ。日本ハムが王者の意地を見せ、2年ぶりの日本シリーズ出場権を獲得できるのか。それとも楽天がこのまま勢いに乗って野村監督退任の日を引き延ばすことができるのか。見応えのあるデッドヒートが期待できそうだ。