今年3月、10日間にわたって熱戦が繰り広げられたバンクーバーパラリンピック。42人の選手を送り込んだ日本は、前回トリノ大会の9個を上回る計11個(金3、銀3、銅5)のメダルを獲得し、連日のようにお茶の間をわかせた。なかでもノルディックスキー距離では日本勢初の金メダルに輝いた新田佳浩選手や、準決勝で地元カナダ勢を破る金星をあげ、銀メダルを獲得したアイススレッジホッケー日本チームの活躍ぶりはパラリンピックの歴史に残る快挙となった。
 奇しくも同月、当サイト編集長・二宮清純がプロデュースする新スポーツサイト「挑戦者たち」がスタートした。同サイトの人気コーナー「二宮清純の視点」ではパラリンピック開幕直前の新田佳浩選手、そして銀メダルを手に帰国したアイススレッジホッケー主将の遠藤隆行選手に独占インタビュー。競技にかける思いや、パラリンピックの舞台裏などが語られている。今回はその一部を紹介したい。
(写真:ファン・ヨンデ功績賞のメダルを手に)
二宮: 銀メダル獲得、本当におめでとうございます!
遠藤: ありがとうございます。

二宮: 遠藤選手はパラリンピックで最も輝いた選手に贈られるファン・ヨンデ功績賞も受賞されました。
遠藤: はい。1988年のソウル大会に設立された賞なのですが、日本人では初めてということで光栄に思っています。

二宮: ところで今回のバンクーバー大会では、日本チームとしての目標はどこに置いていたのですか?
遠藤: 僕自身は3大会目になりますが、日本チームとしては長野で初めて参加して以来、4大会目。過去3回は全て5位という結果に終わっていたんです。しかし、トリノの後の世界選手権で初めて4位になるなど、着実に力をつけてきていましたので、もうこれはメダルに届くところまで来ているなと。最低でも銅メダル獲得ということで臨みました。

二宮: 初戦のチェコに勝ったことで波に乗りましたね。
遠藤: あの試合は大事でしたね。チームは少しかたくなっているところもありましたが、2ピリオド始まってすぐに僕のシュートで先制することができました。ただ最終ピリオドでGK永瀬充がグローブからパックを落として、相手に押し込まれてしまった。これで同点となったのですが、逆にそれで永瀬の緊張もほぐれたようですね。

二宮: しかし、その後、決勝点を奪って勝ちました。チームにとっては大きな1勝でした。
遠藤: そうですね。チェコとは今年1月にも長野で開催された大会で対戦しているんです。その時、日本は予選でチェコに負けていましたからね。気を引き締めて試合に臨みました。初戦で負けていたら、メダルはなかったと思います。

二宮: 次の韓国には5−0と快勝しましたが、リーグ戦最後のアメリカには0−6で完敗でした。やはりアメリカとは力の差を感じましたか?
遠藤: 確かに力の差はあったと思います。しかし、それ以上に感じたのが気持ちの面での差でしたね。それまで自分たちはパラリンピックの決勝リーグに進んだことがなかったこともあって、精神的な未熟さを思い知らされたというふうに僕は感じました。

二宮: 気持ち的に未熟だったというのは?
遠藤: チェコと韓国に勝って、そのままのテンションでアメリカ戦に入ってしまったんです。そこで「そんな気持ちでは、決勝リーグは勝ちあがれないぞ」ということをアメリカがしっかりと教えてくれました。ですから嫌な負け方というよりは「あぁ、全然気持ちが入っていなかったな」と。


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