16日、南アフリカワールドカップグループリーグH第1節がネルスプロイトで行われ、ホンジュラス(FIFAランキング38位)とチリ(同18位)が対戦した。試合開始からチリがボールを支配しつつ、人数をかけた分厚い攻撃を仕掛けた。得点が生まれたのは前半34分、FWジャン・ボーセジュール(クラブ・アメリカ)のゴールでチリに先制点が入る。その後も攻め続けたチリが試合をコントロールし、そのまま1対0で勝利を収め、48年ぶりの勝ち点3を獲得した。
ホンジュラス、攻め手なく完敗(ネルスプロイト)
ホンジュラス 0−1 チリ 【得点】
[チ] ジャン・ボーセジュール(34分)
全64試合詳細レポートと豪華執筆陣によるコラムはこちら 試合開始から主導権を握ったのはチリだった。南米予選で32得点を奪った攻撃的なサッカーは健在で、華麗なパスを出す司令塔MFマティアス・フェルナンデス(スポルティング)、スピードのあるドリブラーFWアレクシス・サンチェス(ウディネーゼ)らが起点となり攻めを仕掛ける。基本は4−3−3の布陣ながら、状況に応じて3−4−3にもなる自在な戦術でボールを支配しつつ、厚みのあるサイド攻撃でホンジュラスゴールに襲い掛かった。
前半2分、ゴール正面のフリーキックをM・フェルナンデスがカーブをかけて狙うが、惜しくもバーの上にわずかに外れる。22分には右サイドから左サイドに流れたサンチェスの突破から、FWホルヘ・バルディビア(アル・アイン)がシュートを放つ。相手DFに阻まれ得点にはならなかったが、ゴールの匂いを感じさせるものだった。
先制点が生まれたのは前半34分。M・フェルナンデスからのスルーパスに反応したのは、オーバーラップしてきた右サイドバックのマウリシオ・イスラ(ウディネーゼ)。ニアサイドに低いセンタリングを入れると、ゴール前に走り込んできたボーセジュールがスライディング。マークしていた相手DFも足を伸ばしボールに触れるが、クリアがボーセジュールの腰に当たり、そのままゴール右隅に決まる。最後のシュートこそ泥臭いものではあったが、そこに至るまでの形はチリの攻撃サッカーを象徴するような綺麗なものであった。
その後もチリがボールを支配し、M・フェルナンデスのパスやサンチェスのドリブル突破などで、攻撃を仕掛け試合をコントロールする。
一方のホンジュラスは、英・プレミアリーグで活躍するMFウィルソン・パラシオス(トッテナム)、DFマイノル・フィゲロア(ウィガン)を中心とした守りでボールを奪いカウンターを試みる。しかし北中米予選で活躍したFWダビド・スアソ(ジェノア)を怪我で欠いた前線に迫力はなく、惜しいシーンはロスタイムにMFラモン・ヌニェス(オリンピア)が放ったフリーキックのみだった。
後半に入ってもチリの優勢は変わらない。17分、M・フェルナンデスの縦パスからサンチェスがドリブル突破からミドルシュートを打つ。ゴール左に外れたが、右サイドのイスラが飛び出しておとりになるなど、ホンジュラス陣内で試合を進めた。
追加点の気配を感じさせたのは19分。左からのフリーキックをM・フェルナンデスがファーサイドにクロスを上げると、DFアルトゥーロ・ビダル(レバークーゼン)が頭で中に落とす。フリーで待っていたのはDFワルド・ポンセ(ウニベレシダ・カトリカ)。慎重にヘッドで合わせるも、GKノエル・バジャダレス(オリンピア)のファインセーブで決定的なチャンスを逃がす。流れを大きく変えかねないほどのビッグプレーだったが、その後もホンジュラスの反撃を抑えきり1対0でチリが勝利を収めた。
チリは地元開催での62年大会以来の白星で最高のスタートを切った。得点こそ1点にとどまったが、マルセロ・ビエルサ監督が作り上げた魅力的な攻撃サッカーは今大会でのダークホースとなりうる。62年大会では3位に入ったが、現実的にはまず決勝トーナメント進出を目指したい。次のスイス戦も勝利して有利な状況でグループリーグ最終節を迎えたい。
敗れたホンジュラスは、特に攻撃面でいいところがなかった。エースのスアソを欠いたとは言え、カウンターでチャンスを作ることが出来なかった。次戦スペインとの対決でも劣勢が予想されるだけに、何らかの策を講じないと予選敗退は規定路線となってしまう。また采配でも同国最多得点を誇るFWカルロス・パボン(レアル・エスパーニャ)、同国最多キャップ数を持つMFアマード・ゲバラ(モタグァ)というベテランを下げるなど、荒療治に出たが効果は生まれず、レイナルド・ルエダ監督はビエルサとの指揮官対決にも完敗した格好だ。
(杉浦泰介)
【ホンジュラス】GK
バジャダレス
DF
チャベス
フィゲロア
イサギーレ
メンドーサ
MF
W・パラシオス
ゲバラ
→トーマス(67分)
アルバレス
エスピノーザ
ヌニェス
→マルティネス(78分)
FW
パボン
→ウェルカム(60分)
【チリ】GK
ブラーボ
DF
ポンセ
メデル
イスラ
ビダル
→コントレラス(81分)
MF
カルモナ
ミジャール
→ハラ(52分)
M・フェルナンデス
FW
バルディビア
→M・ゴンサレス(87分)
ボーセジュール
サンチェス