16日、南アフリカワールドカップグループリーグA第2節がプレトリアで行われ、南アフリカ(FIFAランキング83位)とウルグアイ(同16位)が対戦した。序盤から攻勢に出たウルグアイが前半24分、FWディエゴ・フォルラン(アトレティコ・マドリッド)の豪快なミドルシュートで先制する。その後も開催国を相手に完全アウェーのウルグアイが攻め続け、後半35分にはPKでフォルランがこの日2点目を奪って試合を決めた。ロスタイムにも1点を追加し、3対0でウルグアイが今大会初勝利をあげ、グループA首位に立った。

  点取り屋フォルランが本領発揮の2ゴール(プレトニア)
南アフリカ 0−3 ウルグアイ
【得点】
[ス] ディエゴ・フォルラン(24分、80分)、アルバロ・ペレイラ(90+5分)

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 第1節では両国とも引き分けており、勝ち点3が是が非でも獲りたい第2節となった。序盤から試合を支配したのは地力に勝るウルグアイだった。第1節ではシュート0本に終わったFWルイス・スアレス(アヤックス)を最前線に配置し、トップ下のポジションにフォルランが入る。この2人のコンビネーションは強豪国にとっても脅威となる破壊力がある。南アフリカDFも必死にプレッシャーをかけるが、欧州のトップリーグで結果を出している彼らを抑えることは容易ではなかった。

 先制点が生まれたのは前半24分。ゴールから30m付近まで下がってフォルランがボールを受ける。DFから距離を置いてゴールに振り向くと、素早く右足を振りぬいた。シュートコースに入り体を張った守備をみせたDFアーロン・モコエナ(ポーツマス)だが、彼の体に当たったボールは、ドライブ回転がかかりゴール方向へ向かう。GKイトゥメレング・クーン(カイザー・チーフス)が全く反応できないような高さから落ちてきたシュートはクロスバーを叩きながらゴールへと吸い込まれた。リーガ・エスパニョーラで2度の得点王に輝くストライカーがW杯の大舞台でも普段どおりの豪快なシュートを披露し、ウルグアイがリードを奪った。

 1点を取ると南米の古豪はじっくりと後方からビルドアップする戦法をとり、ゆったりとしたペースで試合を進める。まず同点にしなければならない南アフリカはボールを持つことができず、攻撃を仕掛けることすらできない。堅守速攻を得意とするウルグアイが完全に試合を掌握しながら前半を折り返す。

 後半に入ると、南アフリカにこの日最大のチャンスが巡ってくる。15分に右サイドからクロスが上がり、ニアサイドへ走りこんだのはカトレゴ・ムフェラ(マメロディ・サンダウンズ)だ。ノーマークとなりヘディングでクロスにあわせるが、シュートはゴール右を通過する。このチャンスをものにできなかった南アフリカにこの後、決定的なシーンが訪れることはなかった。

 試合を決定づける2点目がウルグアイに入ったのは35分だった。右サイドからフォルランが放ったシュートは一旦DFに当たりファーサイドへ流れる。そこへ走りこんだのはスアレス。南アフリカ守備陣はオフサイドと認識し全員の足が止まったものの、スアレスはオンサイドでプレーは続きGKをかわしにかかる。すると、詰めていったGKクーンの足がスアレスにかかり、ピッチの上へと倒れこむ。主審はこのプレーに対しPKと判断し、さらにクーンにレッドカードを提示した。一発レッドの上PKを与える展開に、会場はしんと静まり返る。PKのキッカーはもちろんフォルランだ。急遽ピッチに立ったGKムーニーブ・ジョセフス(オーランド・パイレーツ)が守るゴールに向け、強烈なシュートを放ちゴールネットの上部を揺らした。堅い守備を誇るウルグアイがリードを2点に拡げた時点で勝負あり。このゴールが生まれると、会場の南アフリカサポーターの多くは帰路に着き始めた。

 さらに後半ロスタイムにもA・ペレイラがヘディングを決めたウルグアイが3対0で南アフリカに完勝した。ボール保持率こそ五分五分だったものの、シュート数は19対10とウルグアイが南アフリカを圧倒した。この組は本命なきグループだけに、勝ち点3をとっただけでなく、3ゴールを奪ったことは大きな意味を持つ。ウルグアイにとってグループ首位通過も見えてくる勝利となった。決勝トーナメントでの組み合わせを考えれば、1位通過と2位通過は雲泥の差となる。メキシコ戦でも勝ち点3を奪い、少しでも楽な形で決勝トーナメントへ駒を進めたい。

 一方の南アフリカはウルグアイ相手に勝ち点を奪えなかったのは苦しい。最終節の相手は優勝経験国のフランス、本来ならばシードされていてもおかしくないチームだ。過去のW杯では開催国がグループリーグで敗退した例はない。今日の敗北が不名誉なグループリーグ敗退第一号へと近づくことになった。次戦は玉砕覚悟で攻撃的な布陣で臨むことになるか。過去にはブラジルを世界一に導いた経験もあるカルロス・アルベルト・パレイラ監督の秘策にすがるしかなさそうだ。

(大山暁生)

【南アフリカ】
GK
クーン
DF
モコエナ
クマロ
ガクサ
マシレラ
MF
レチョロニャネ
→モリリ(57分)
ディクガコイ
モディセ
チャバララ
ピーナール
→ジョセフス(79分)
FW
ムフェラ

【ウルグアイ】
GK
ムスレラ
DF
ルガーノ
ゴディン
フシーレ
→A・フェルナンデス(71分)
M・ペレイラ
MF
ペレス
→ガルガノ(90分)
アレバロ
A・ペレイラ
FW
カバーニ
→S・フェルナンデス(89分)
スアレス
フォルラン