耳が痛いが、前日本代表監督イビチャ・オシムのセリフには、うなずけるものが少なくない。
たとえばオランダ戦の本田圭佑。「中央部でキープしようという意欲は理解するが、FWのポストプレーは彼の専門ではない。まして大柄なオランダDFとレスリングをしているようではすぐに消耗する。長い時間キープをしようとして、ゴールに迫るどころか逆にボールを失い、相手チームの攻撃の起点をつくってしまった」(日刊スポーツ6月21日付)
もちろん、不慣れなポジションを、ほとんど“一夜漬け”のようなかたちで任されている本田にも同情の余地はある。しかし、ことオランダ戦に限っていえば、本田のワントップは残念ながらあまり機能していなかった。
引き分けでも決勝トーナメントに進出できるデンマーク戦は、日本にとっては願ったりかなったりだ。これだけアドバンテージを有して決戦に臨めるなんて、テストマッチ4連敗直後には及びもつかなかった。
しかし、手負いの獅子ほどこわいものはない。デンマークは当然のことながら「1点リードをされている」という前提でキックオフと同時に総攻撃を仕掛けてくるだろう。
カメルーン戦を見る限り、デンマークの攻撃の起点は右サイドのデニス・ロンメダールだ。南アフリカにやってきて“エース殺し”に磨きをかけた長友佑都がどれだけ、この地域の治安を守れるか、そこが大きなポイントとなるだろう。
日本はとにかく地上戦に持ち込みたい。デンマークのDF陣は大男揃いゆえに、やや機敏さに欠ける。そこを突くのだ。狭い地域での局地戦となれば岡崎慎司や玉田圭司のアジリティ(俊敏性)が生きる。
本田の出来にもよるが、高性能の小型車を早めに投入し、大男たちがその処理に追われれば、得点のチャンスも広がってこよう。投入するカードとその時間帯が勝敗のカギを握ることになりそうだ。