“最強の予想士”と呼ばれるタコのパウル君はスペインの優勝を予想している。
これを阻止するためにはオランダのサポーターはドイツの水族館からパウル君を“誘拐”しフライパンでカラアゲにでもするしかあるまい。
全64試合詳細レポートと豪華執筆陣によるコラムはこちら 冗談はともかく、パウル君の予想にこれだけ各国のサポーターが神経を尖らせているのは、ワールドカップが国の威信をかけた戦いであることを余すところなく証明している。
ドイツではドイツ人とイタリア人がワールドカップの優勝回数(ドイツが3回、イタリアが4回)をめぐって口論になり、見下されたと感じたドイツ人がイタリア人を射殺するという痛ましい事件がおきた。そこまでやるかと呆れるがワールドカップの熱気は時に狂気に変質する。
さて決勝の予想は? 私はオランダの決勝進出は予想していたが、スペインはグループリーグでスイスに負けた段階で評価を下げた。
何よりスペインにはワールドカップでの成功体験がない。“いいチーム”と“勝てるチーム”はイコールではなく、結束力という点でイタリアやドイツの後塵を拝し続けてきた。 それについてはオランダにも同じことがいえるが、ここは74年と78年の二度、頂点にたちそびれている。
今回のチームはヨハン・クライフやマルコ・ファン・バステンのようなスーパースターはいないが、アリエン・ロッベンやヴェズレイ・スナイデルに代表されるように献身的で勝負に貪欲な勝負師たちが揃っている。
3度目の正直という言葉もある。頂点への執念という点でオランダがスペインをわずかに上回るとみる。ただし、私の予想もパウル君に返り討ちに遭うかも……。