上位浮上へ、40歳右腕がフル回転する。
 今季、8年ぶりに日本復帰を果たした広島・黒田博樹は、23日の巨人戦に中4日で登板。7回1失点で勝利投手になった。今後も終盤に12連戦が組まれる過密日程で、中4日の先発もありそうだ。ここまで19試合に投げて、8勝6敗、防御率2.85。久々に経験する日本のプロ野球と、自身のピッチング論について、二宮清純がインタビューした。
(写真:年齢による変化を感じつつも、「今の体、今のボールで進化していきたい」と話す (C)akiko photography)
二宮: 久しぶりの日本で大きく変わったと感じた部分はありましたか。
黒田: カープに関して言えば、球場が変わってファンの熱気が違いますね。以前も広島のファンはたくさんいましたが、今はビジターの球場でもカープファンでいっぱいになる。その部分の熱気は、ものすごく変わりましたね。

二宮: 本拠地のマツダスタジアムの雰囲気はどうですか。
黒田: 昔の甲子園で投げているような感覚ですね。ファンの後押しがあって、ホームアドバンテージを感じられる球場になったのではないでしょうか。

二宮: ボールやマウンドの違いもあったでしょうが、しっかりアジャストして投げているように映ります。
黒田: でも、僕のイメージではアメリカの方がボールはすごく動いていたなという感じがしますね。ただ、僕の意識としては、自分から見てボールが動いているかどうかよりも、バッターの反応を大事にしたい。投げていて動くのがわかるのは、それだけ曲がりが早いということ。理想はバッターの手元で曲がることです。

二宮: バッターがストレートと思って振ったらとらえきれず、「あれっ?」という感覚に陥るボールですね。
黒田: 曲がったか、曲がっていないかぐらいでグシャっと詰まる。それが僕の一番、調子がいい時です。バッターが「今、何を打ったのかな?」という反応をみせてくれれば、僕のボールが状態がいい証拠だと思います。

二宮: では、黒田さんの究極のピッチングは、全部バッターを1球でアウトにすることだと?
黒田: そうですね。三振を取るほど、疲れることはないですから(笑)。

二宮: 三振へのこだわりは全くないと?
黒田: いろんなボールを見せて三振を取るよりも、バッターが狙っているところでボールをちょっと動かして打ち取る。その方が投げるリズムが良くなって、野手も守りやすい。現時点で、僕が目指しているピッチングはそういうところですね。

<現在発売中の『FLASH』(光文社)9月1日号では黒田投手へのインタビュー記事が掲載されています。こちらも併せてご覧ください>