世にも恐ろしいお話でございます。予定通り事が進まず、目的地になかなか着かない電車が東京にあるらしい……。

 これは実際の体験談です。

 1月の寒いある日、編集長はある路線に乗って取材に向かいました。朝のラッシュ時間帯にもかかわらず、電車は遅れることなくスムーズに到着し、取材場所に着きました。

 ところが……待てど暮らせど相手は現われず、取材は一向に始まりません。編集長は冬空の下、待ちぼうけをくらってしまいました。

 後で聞けば、取材相手は道に迷い、場所が分からなくなってしまったとか。何とか取材はできたものの、予定は完全に狂ってしまいました。

 それから1週間後、編集長は再び同じ路線に乗って、取材に向かいます。特急に乗り、途中駅で1度、電車を乗り換えれば目的地にはすぐ到着するはず……。僕は降りる駅で編集長がやってくるのを待っていました。

 ところが……今度は待てど暮らせど編集長が現われません。慌てて電話をしてみると「まだ電車乗っているけど、着かないんだよ」との声。「どのあたりを走っているんですか?」と聞けば、なんと目的地をかなり通過している状態でした。

 運の悪いことに、編集長が乗り継いだのは到着駅を通過する特急電車。かなり先の駅まで連れて行かれた編集長は、頑張って引き返したものの、待ち合わせ時刻をだいぶ過ぎてしまいました。

 さらに1週間後、編集長は三度、同じ路線に乗って移動する取材が入りました。
「もう乗り替えて通過したら元も子もないから、そこからタクシーで向かうよ」
 時間に余裕を持って出発し、特急の停車駅からタクシーに乗ります。

 ところが……この日に限って道は大渋滞。約10分で着く距離にもかかわらず、タクシーはウンともスンとも進んでいきません。楽勝で取材先に着くはずが、ギリギリで駆け込むかたちになってしまいました。

「もう、この路線は鬼門だよ……」
 グッタリとした表情でポツリとつぶやいた編集長。一体、どうすれば、きちんと予定通り、目的地に到着し、取材ができるのか……。

 お祓いか何かの方法で呪いを解くしかないのかもしれないと思いつつ、その路線に乗らなくてはいけない仕事が、しばらくやってこないことを祈るばかりです。

(実は僕も、同じ路線に乗って約束に遅れたことがあります……スタッフI)
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