日本時間2日、EURO2012決勝戦がウクライナのキエフで行われ、スペイン代表とイタリア代表が対戦した。前半14分、スペインがMFダビド・シルバのゴールで先制する。同41分にはDFジョルディ・アルバが追加点を決めて2−0とリードを広げた。スペインはその後もゴールを重ね、4−0で試合終了。通算3度目の欧州王座に輝き、08年大会に続く連覇は史上初の快挙となった。

【決勝】
 決勝史上最多の4ゴール
◇7月1日、ウクライナ・キエフ
スペイン 4−0 イタリア
【得点】
[ス] ダビド・シルバ(14分)、ジョルディ・アルバ(41分)、フェルナンド・トーレス(84分)、フアン・マタ(88分)
 パス、パス、パス。ピッチ上でボールが次々とつながる光景に誰もが魅了されたのではないか。08年に欧州を制し、南アフリカW杯で世界一となったパスサッカーは、この試合も相手を凌駕した。4ゴールがすべて、流れの中から生まれたのが何よりの証だ。その中心にいたのはMFシャビ・エルナンデス。2アシストを記録し、無敵艦隊を頂点へと導いた。

 シャビの動きは試合序盤から際立っていた。前半7分、右CKからDFセルヒオ・ラモスのヘディングシュートを演出。10分には、MFセスク・ファブレガスとのワンツーで中央突破し、PA手前から右足を一閃する。いずれもゴールにはならなかったものの、キレのあるプレーでイタリアの守備陣を脅かした。

 そんな14分、シャビのパスから先制点が生まれる。ピッチ中央でボールを受けると、サポートに来たMFアンドレス・イニエスタに渡す。イニエスタはPA右サイドにスルーパスを通し、抜け出したセスクがクロス。これをシルバがニアサイドで頭で合わせた。シャビの巧さは相手のチェックに対し、簡単にボールを下げないところにある。このシーンでもボールを持ったまま相手から離れつつ、前方へのパスコースを探していた。常に前を向こうとする意識の高さと、それを可能にする際立ったテクニックが先制点につながったと言えるだろう。背番号8は、その後も積極的にボールのつなぎ役となり、攻撃のリズムを生み出していった。

 シャビは41分にも追加点を演出する。左サイドでアルバからパスを受けると、ドリブル突破。これで味方の動き出す時間をつくると、PAから少し離れた位置でタイミングよくスルーパスを送る。ボールはピンポイントで2人のDFの間を切り裂き、中央で抜け出したアルバの下へ。難なくゴール左へ流し込み、2点リードでスペインが試合を折り返す。

 後半に入っても、シャビを中心にスペインがボールを回して試合を支配した。16分には、イタリアが3人目の交代で投入したMFチアゴ・モッタが負傷退場。相手が10人での戦いを余儀なくされ、ますますスペインはボールポゼッションを高めていった。スペインは30分にFWフェルナンド・トーレスを入れるなど、トドメを刺しにかかる。

 決定的な3点目をもたらせたのは、またしてもシャビのアシストだった。後半30分、センターサークル付近でボールを奪い、すかさずPA中央へスルーパス。抜け出したトーレスの今大会3点目をお膳立てした。

 この1点で既に勝負は決まった感があったが、43分にはダメ押しのゴールが入る。途中出場のフアン・マタがPA内左サイドでGKと1対1となったトーレスからの横パスを受け、中央で押し込んだ。結局、スペインは決勝では史上最多の4ゴール、史上最大の4得点差という圧勝で連覇に花を添えた。

 今大会のスペインは、DFカルロス・プジョルとFWダビド・ビジャという攻守の柱を欠き、苦戦も予想された。しかし、シャビが攻撃のみならず、セントラルミッドフィルダーとして献身的な守備を見せるなど奮闘し、代役の選手も含めて穴を感じさせなかった。大会6試合で許した失点は大会最少の1、総得点8は同2位。攻守において抜群の安定感だった。EUROの連覇はもちろん、南アフリカW杯を含めたメジャー大会3連続制覇は史上初の偉業だ。選手個々のレベルでも、チームの成熟度でも世界をリードする無敵艦隊の快進撃は、しばらく止まりそうにない。