21日、イギリス・ノッティンガムでロンドン五輪に向けた強化試合が行われ、U-23日本代表は五輪に出場する同メキシコ代表(北中米カリブ海1位)と対戦した。日本は前半1分、MF東慶悟(大宮)のゴールで先制。その後、同点に追いつかれたものの、後半42分にFW大津祐樹(ボルシアMG)が決勝ゴールを決めた。五輪前最後の実戦を勝利した日本は、26日にスペインとの初戦に臨む。
大津、芸術的決勝ボレー弾!(ノッティンガム)
U-23日本代表 2−1 U-23メキシコ代表
【得点】
[日] 東慶悟(1分)、大津祐樹(87分)
[メ] マルコ・ファビアン(39分)
耐えて勝つ。これがスペイン戦のキーワードとなる。メキシコは細かいパスを主体に攻めるスタイルから、“仮想スペイン戦”と位置付けられていた。日本は大方の予想どおり、メキシコにボールを支配された。しかし、決定的なピンチを凌ぐと、少ないチャンスのなかで2得点をあげた。
立ち上がりで先制点を奪えたことも大きかった。前半1分、決めたのは東だ。MF清武弘嗣(ニュルンベルク)がパスカットからカウンターで攻め上がり、FW永井謙佑(名古屋)が右サイドでクロスをあげる。これにファーサイドで合わせた。相手のミスを逃さず、守から攻への切り替えの早さが光ったゴールだった。
しかし、先制後はメキシコのパスサッカーに苦しんだ。各選手が連動しながら、時おりサイドチェンジを織り交ぜられ、幾度もゴール前まで迫られる。だが、日本守備陣はクロスに対しては相手選手をしっかりとマークし、簡単にボールに合わせさせない。また、中央をコンパクトにすることで、ミドルシュートの機会も与えなかった。
押し込まれながらも粘っていた日本だが、39分に同点弾を許した。メキシコ陣内でボールを奪われての速攻から、最後はファビアンに強烈なミドルシュートを叩き込まれる。前がかりになって手薄になった中央のスペースを突かれたとはいえ、これは相手褒めるしかないスーパーゴール。逆にいえば、個の力で勝るメキシコにこの1点しか与えなかったといえるだろう。
後半もメキシコにボールを支配される展開は続く。しかし、前半同様、粘り強い守備で簡単にゴールを許さない。その中で目を見張ったのはGK権田修一(FC東京)だ。スタイルである「ボールにアタックする」プレーで決定的なピンチを防いだ。40分には、MFジオバンニ・ドス・サントスにPA内へ抜け出されたものの、抜群のタイミングで飛び出し、先にボールに触ってシュートを打たせない。さらにこぼれ球をドス・サントスにつながれるが、MFラウル・ヒメネスのシュートはゴール右へ外れた。
この直後の42分、日本に待望の勝ち越し点が生まれる。決めたのは大津だ。前線へのロングボールにFW杉本健勇(東京V)と相手DFが競り合い、ボールがこぼれる。これをPA手前から右足ボレーで合わせると、シュートはGKの伸ばした手をかすめてゴール左上に突き刺さった。大津はニュージーランド戦、ベラルーシ戦ともにスタメンだったが、いずれも無得点で、この日はベンチスタート。最後の実戦で役割を果たしたストライカーは「途中からの出場ということで燃えていた。結果を出せてよかった」と納得の表情を見せた。リードした日本は相手陣内の深い位置でボールをキープして時間を稼ぎ、確実に勝利を手にした。
日本は試合を通して守勢に回る時間が長かった。しかし、守備陣が我慢し、攻撃陣が限られた好機を生かした。このようなサッカーができれば、同様の展開が予想されるスペイン戦でも、十分に勝ち点を期待できる。
思えばアトランタ五輪では、初戦で優勝候補ブラジルの猛攻に耐えて「マイアミの奇跡」を起こした。果たして、「グラスゴーの奇跡」を起こせるのか。最高のかたちで前哨戦を制した関塚ジャパンがいよいよ強敵に挑む。
<U-23日本代表出場メンバー>
GK
権田修一
DF
徳永悠平
→酒井高徳(79分)
鈴木大輔
吉田麻也
酒井宏樹
MF
扇原貴宏
→山村和也(67分)
山口螢
清武弘嗣
宇佐美貴史
→齋藤学(45分)
東慶悟
→杉本健勇(86分)
FW
永井謙佑
→大津祐樹(69分)