労働組合・日本プロ野球選手会は4日、大阪市内で会合を開き、来年3月に開催される第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への参加を表明した。選手会は7月の総会で大会の収益分配見直しなどについて改善が見られないため、1度は不参加を決議。NPB(日本プロ野球組織)側は、その後の主催者との交渉で、代表のスポンサー権が条件付きながら日本側にもあることを確認。代表常設に伴うNPBの収益増加などを材料に説得を行ってきた。今後は大会3連覇へ向けて代表監督を選考し、チームを編成する作業に移る。代表の指揮官には前中日監督の落合博満氏や福岡ソフトバンクの秋山幸二監督らが候補に挙がっている。
 代表スポンサー料やグッズの売上はすべて主催者であるメジャーリーグ機構(MLB)と同選手会が立ち上げた運営会社に入り、収益から日本が受け取るのはわずか13%……。選手会が主張していた大会の不平等な構造には何ら変わりがない。それでも参加に転じたのは、日本代表による一定のビジネスモデル構築のメドが立ったことが背景にある。

 選手会の不参加表明を受け、NPB側は8月にWBCの運営会社との話し合いを実施。大会の名称やロゴを使わなければ、独自のスポンサー活動を行えるとの見解を引き出した。これにより、NPBでは既に常設化を決めていた日本代表で毎年2回程度の国際試合を開催し、収入を得るといったプランを練り、3日の実行委員会で事業部局の設置を承認していた。

 とはいえ代表の活動を軌道に乗せるには、やはりWBCなどの国際大会への参加は不可欠だ。代表常設に伴う収益は4年間で40億円と見込まれ、選手会側も不参加によってNPBが新たな収入源を失うマイナス面を考慮した。WBCの運営会社は日本時間6日に大会日程の発表を予定していたため、まさに土壇場での態度変更となった。

 とはいえ、これでWBCを巡る問題は解決したわけではない。主催者側は、NPBとの交渉で先にあげた不平等な条件を変更する考えはないと明言している。今後も大会に参加する中で、いびつな構造が変わらなければ、NPBにとってメリットはない。この点は引き続き、粘り強い交渉で改善を訴えていくことが求められる。

 また、3日の実行委員会では15年に国際野球連盟主催の国際大会を日本に招致する方針が決まっている。選手会の主張にも盛り込まれていたように、日本主導で新たな枠組の世界大会創設を目指す努力も必要だろう。WBCで3連覇を目指すことはもちろん、世界の頂点に立った国だからこそできる国際的な施策を、今回の問題を機に真剣に考えたい。