大相撲秋場所は23日、千秋楽を迎え、14戦全勝の大関・日馬富士(伊勢ヶ濱)が13勝1敗で追う横綱・白鵬(宮城野)を直接対決で下し、2場所連続4度目の優勝を収めた。大関が2場所連続全勝優勝を達成するのは双葉山、貴乃花(いずれも後に横綱)に続き、史上3人目。日馬富士は横綱審議委員会の内規(大関で2場所連続優勝、またはそれに準する成績)を文句なしで満たし、場所後の第70代横綱昇進が確実になった。新横綱の誕生は白鵬以来、5年半ぶりで、2010年2月に朝青龍が引退してから続いていた1人横綱が17場所ぶりに解消される。
 まさに持てる力をすべて出し切り、綱をつかみとった。
 昇進へ越えなければいけない最後の壁、それが白鵬だった。先場所は寄り切りで破っているとはいえ、過去の対戦成績は12勝22敗と圧倒されている。

 そんな同じモンゴル出身の横綱に対し、立ち合いは右四つで胸を合わされて苦しい体勢。しかし、すぐに巻き替えて左を入れると、徐々に頭を下げ、もろ差しから横綱を半身にさせる。

 1分30秒を超す大相撲の中で十分な体勢をつくった日馬富士は攻勢に出た。両下手をひきつけ、西土俵へ。白鵬はこれをこらえて押し戻すが、大関は休まない。体を入れ替えて今度は東土俵へ寄り立てる。横綱はまたも両足を俵にかけて粘り、国技館は沸きに沸いた。

 ここで日馬富士は余力を振り絞って、左からの下手投げ。足腰の強い白鵬は片足で1周して残すも、最後は右肩から土俵に落ちた。まさに綱への重い扉を投げ飛ばした28歳は、疲労困憊といった表情で、しばらく土俵上で四つん這いになったまま立ち上がれなかった。

 幕内では2番目に軽い133キロ。鋭い出足と切れ味鋭い攻めで入門から8年で大関に昇進した。大関3場所目の2009年夏場所には初優勝。綱獲りも目前かと思われた。だが、その後はケガにも泣き、2年間は10勝が最高。昨年、名古屋場所には14勝1敗で2度目の優勝を果たしたものの、翌場所から連続で8勝に終わり、横綱への道のりはまたも遠のいた。

 そんな中、先場所は鋭い取り口が復活し、自身初の全勝優勝。3度目の綱挑戦となった今場所も「1日一番、全身全霊で頑張った」と本人が振り返ったように、白星をひとつひとつ積み重ねていく。白鵬戦はその集大成とも言える一番だった。

 これで夏場所千秋楽からの連勝も31に伸びた。新横綱となる九州場所は連勝記録にも注目が集まる。モンゴル出身では朝青龍、白鵬に続く、3代連続の横綱だ。青でも白でもない新たな色で角界に新たな時代を描く。