ラグビーの全国大学選手権は13日、東京・国立競技場で決勝が行われ、帝京大が筑波大を39−22で破り、史上初の4連覇を達成した。帝京大は持ち前の強力FWが相手の出足を止めると、BK陣が速いボール回しから敵陣を突破して圧倒。関東大学対抗戦で敗れた雪辱を果たした。今季の対抗戦を初優勝した筑波大は、国立大初の日本一を狙ったが及ばなかった。
(写真:4連覇で4度宙に舞った帝京大・岩出監督)
 赤いジャージが燃えさかる炎のごとく敵陣に広がっていく。その火の手を食い止められるチームはなかった。3連覇への原動力となったFWの強さのみならず、展開力も兼ね備え、進化を遂げての4連覇だ。

 お互いにミスが目立った立ち上がりから流れをつかんだのは帝京大だった。7分、昨春には日本代表にも選出されたSO中村亮士(3年)が軽やかなステップで中央突破。右サイドへボールをつないでゴールに迫る。筑波大も必死の防戦をみせたものの、最後は再び中村からCTB荒井基植(4年)、WTB磯田泰成(2年)とつながり、先制トライを挙げる。

 その後、お互いにPKを1本ずつ決めて8−3で迎えた19分には、今度は荒井が中央突破。左へ展開してゴール手前まで侵入すると、筑波大の守りが集中したところを中央へ回して中村が飛び込む。32分には密集から、SH流大(2年)がキックで相手守備の手薄な左前方へ蹴りだし、駆け出したWTB小野寛智(4年)がトライを決めて22−3と大きくリードを広げた。

 筑波もボールをまわして帝京陣内に迫ろうとするも、激しいタックルにボールをなかなか前へ運べない。それでも34分、帝京大のボールまわしのミスに乗じ、WTB福岡堅樹(1年)が反撃のトライ。筑波大のパスがつながり始め、やや盛り返したかたちで試合を折り返す。

 だが、帝京大の選手たちがボールを持つと、相手のタックルをはねのける推進力があった。その圧力に屈し、時間が進むにつれ、筑波のディフェンスの反応は徐々に遅れていく。10分にはFL松永浩平(4年)が相手選手を引きずりながら、左サイドへ飛び込むと、16分にはFB竹田宣純(3年)の突破から、今後は右へ展開してPR森川由起乙(2年)がトライを決めた。34−10。これで試合をほぼ決定づけた。
(写真:松永のトライ後、ゴールを決める中村)

 圧巻だったのは30分のダメ押しトライだ。自陣での相手のラインアウトからボールを奪うと、左へ大きくボールをまわし、磯田が俊足を飛ばして一気に敵陣へ。なんとかゴール前で磯田を止めた筑波だが、帝京はフォローも速い。ボールを受けた竹田が左サイドライン際を抜けると、必死のタックルも及ばなかった。通常ならボールを蹴りだして陣地を回復する場面ながら、あえてつなぎ、かつトライまで取り切る。レベルアップした帝京の強さを象徴するシーンだった。

 筑波大は34、39分と連続トライを決めるも、反撃はここまで。帝京は「初優勝までの積み重ね、初優勝からの1年1年の経験があって、今日のラグビーが体現できた」と岩出雅之監督も納得の内容で、前人未到の頂に達した。

 決勝のスタメンのうち、4年生はわずか6人。この日も躍動した中村や竹田、磯田といったメンバーは来季も主力として残る。
「守るべきものは守りながら、新たな挑戦をしていきたい」
 そう今後の抱負を語った指揮官の下、金字塔を打ち立てたチームの黄金時代はまだまだ続きそうだ。
(写真:今後も「学生の元気な笑顔が出るチーム」が目標に高みを目指す)