10日、女子アイスホッケーの5カ国対抗戦「スマイルジャパン ブリヂストン ブリザックチャレンジ」最終日が行われ、日本代表(世界ランキング10位)がドイツ代表(同7位)と対戦した。日本は第1ピリオドに先制を許すと、第2ピリオドには2点を追加され、リードを広げられた。第3ピリオド終盤にFW大澤ちほ(三星ダイトーペリグリン)が1点を返したが、1対3で敗れた。ソチ五輪の本番を前に同組で戦う相手に屈したかたちとなった。日本は今大会通算2勝2敗で終え、大会ベストプレーヤーにはFW米山知奈(三星ダイトーペリグリン)が選ばれた。
(写真:試合中、戦況を見つめる飯塚監督)
「本番で当たる相手だったので、弾みをつけたかった」と、キャプテンの大澤は唇を噛んだ。五輪前哨戦となったドイツ戦。やはり4日連続での試合はスマイルジャパンの持ち味である“足”を鈍らせた。スイス戦で見せたような素早いプレッシングは影を潜め、ドイツに屈した。

 互いにチャンスを作るが、ゴールにはわずかに届かなかった。すると、均衡が破れたのは15分32秒だった。ドイツのFWマヌエラ・アンヴァンダーのミドルシュートに反応したのは、FWマリー・デラブレ。ゴール前でパックに触れ、コースを変えた。日本のGK藤本那菜(ボルテックス札幌)もパックを抑えることができず、ゴール左に吸い込まれた。日本は今大会初めて先制点を相手に許した。

 第2ピリオドに入っても、日本はリズムをつかめない。開始早々、右寄りにいたドイツのアンヴァンダーがミドルレンジからファーサイドへパスを送った。パックに気をとられていた日本の守備陣はデラブレをフリーにしてしまっていた。デラブレは落ち着いて、この日の2得点目を決めた。

 早い時間に差をつめておきたい日本。1分50秒に左サイドを突破したFW坂上智子(三星ダイトーペリグリン)がパスを送ると、FW足立友里恵(SEIBUプリンセスラビッツ)に絶好のシュートチャンス。しかし、足立のシュートはゴール右に外れ、得点には結びつかなかった。

 なかなかペースをつかめない日本は、ピリオド終盤にも失点を喫する。パックをキープし、ゴール裏から左サイドに回り込んだDFズザン・ゲッツに完全に引きつけられた。ゴール前にいたFWモニカ・ビットナーがシュートを確実に決め、0対3。3点のビハインドを背負い第2ピリオドを終えた。

 意地を見せたい日本は、残り2分を切りGKの藤本那菜をベンチに下げ、FWを投入する“6人攻撃”を敢行した。作戦が奏功したのは19分10秒。右サイドのDF床亜矢可(SEIBUプリンセスラビッツ)からFW久保英恵(SEIBUプリンセスラビッツ)につなぐ。久保はニアサイドにいる米山に当てると、米山はダイレクトでファーサイドへ展開。そこにフリーで待ち受けていたのは、大澤。冷静にゴール左に叩き込み、一矢を報いた。

「思った通りドイツは強かった。簡単には勝たせてもらえないチーム」と、日本の飯塚祐司監督は試合を振り返った。ドイツの手堅いホッケーを崩すことはできず、逆に守備の綻びを突かれた。枠内シュート数は21対23。チャンスの数もそれほどの差はない。ただ着実に得点につなげたドイツとの差が、1対3というスコアに表れた。

 強化試合的な意味合いがあった今大会、世界ランキング上位の相手に2勝2敗。まずまずの結果を残した。指揮官は「得点力での成長が見られた」と、4試合を通じて無得点試合がなかったことを収穫に挙げた。一方で、課題であった1対1については、成長を認めつつもまだまだ強化の必要があるという。本番までは、あと3カ月を切った。スマイルジャパンがソチの舞台で笑顔の花を咲かせられるかは、この残り少ない時間での成長に懸かっている。

(文・写真/杉浦泰介)