6日(現地時間)、翌日の開会式に先立って競技がスタートした。女子モーグル予選に加え、今大会から新種目であるフィギュアスケート団体、スノーボードの男女スロープスタイル予選が行われた。フィギュアスケート団体では、各国のエースが揃う男子シングルのショートプログラムで羽生結弦(ANA)がトップに立ち、10ポイントを獲得した。ペアのショートプログラムでは高橋成美、木原龍一組(木下クラブ)が8位で3ポイントを追加。日本は2種目を終えた時点の総合順位で4位スタートとなった。女子モーグル予選1回目は5大会連続出場の上村愛子(北野建設)が7位に入り、予選通過。15位の星野純子(リステル)、22位の村田愛里咲(行学学園教)は2日後の予選2回目で決勝進出へのチャンスにかける。伊藤みき(北野建設)は公式トレーニングで負傷したため、予選1回目を棄権した。男子スロープスタイル予選1組に出場した角野友基(日産X-TRAIL)は31.00で13位。各組上位4人までが進める決勝には届かなかったが、8日に行われる準決勝へと進んだ。
 演技終了の瞬間、突き上げた人差し指は、誰がトップに立つかを誇示しているようだった。

 今大会から新たに採用されたフィギュアスケートの団体戦。金メダルを期待される日本の一番手は、男子シングルのショートプログラムの羽生だ。19歳のエースは、ゲイリー・ムーアの『パリの散歩道』に乗りながら、艶やかなステップを見せた。冒頭の4回転トーループをしっかり着氷すると、その後のジャンプもほぼ完璧に決めた。

 初の大舞台にも硬さは感じられなかった。「会場の中でも日本の国旗や声援を受けて、楽しんでできた」と、最終滑走で最高の演技を見せた。技術点は52.55のハイスコア。トータルでも97.98と高得点をマークした。個人戦でもライバルとなるパトリック・チャン(カナダ)、エルゲニー・プルシェンコ(ロシア)を上回り1位。日本に10ポイントをもたらし、トップバッターとしての仕事を全うした。

「だいぶリンクに慣れてきた」と羽生。14日から始まる個人戦に向けても、大きな弾みとなるパフォーマンスだった。

 続いて行われたペアのショートプラグラムには、高橋、木原組が第1滑走で登場した。冒頭のトリプルサルコウとコンビネーション技のスロウトリプルサルコウは着氷がやや乱れた。46.56点と10カ国中8位。エースが繋いだ勢いを加速させたかったが、世界の壁は厚かった。

 高橋、木原組は結成1年とペア歴は浅い。木原にいたってはシングルからの転向後1年とペアのスケーターとしてのキャリアも短かった。この舞台に立つことが目標だったと言ってもいい。「靴を履く前に“ここまで来れて良かった”と思いました」と木原。ペアを組む高橋も「目標がひとつ終わってホッとしています」と安堵していた。

 これで男子シングルの得点と合わせて13ポイントで4位となった。ペアでトップを獲り、総合トップに立ったロシアとは6ポイント差。2位以下はカナダが17ポイント、中国が15ポイントと続く。8日には女子シングルのショートプログラム、アイスダンスのショートダンスが行われる。女子シングルは浅田真央(中京大)が起用される予定。アイスダンスはキャシー、クリスのリード姉弟ペア(木下クラブ)で挑む。女子シングルで高得点を稼ぎ、アイスダンスでは中盤以内に入りたいところだ。

 上村、7位で予選通過 伊藤は棄権 〜女子モーグル〜

 5回目の五輪、33歳の上村は落ち着いた滑りで難なく予選を通過した。1回目のエアーはヘリコプター(水平回転)、2回目はアイアンクロスバックフリップ(板を交差し、後ろ回転)を決め、ターンも安定していた。タイムは30秒74と予選通過者の中では、女王ハナ・カーニー(米国)に次ぐスピードだった。トータルスコア30.74点と7位につけ、2日後の決勝1回目へと“一発合格”を果たした。

 上村は「最後のオリンピックという気持ちで、今までより広い視野で楽しめている」と語るように、難コースと言われるローザフートル競技場のコブにもうまく対応していた。17歳で初出場した長野五輪から7位、6位、5位、4位と一段ずつ階段を上ってきた。大技「コークスクリュー720」(斜め2回転)を温存しての予選通過。悲願の表彰台へ上るためには、あと3本滑らなくてはならない。

 前回8位に入賞を果たした村田は、1回目のエアーで得意の「バックフルツイスト」を披露したが、着地でバランスを崩してしまった。なんとか踏ん張り、転倒こそ免れたが時間をロスし31秒33。スコアも16.69点と低く22位に終わった。初出場の星野は安定感のある滑りは見せたが、得点は伸びず19.72で15位。村田、星野は8日の予選2回目に臨み、上位10人までに入れば上村とともに決勝1回目に進める。

 一方、負傷を抱えていた伊藤は、この日の公式トレーニングの際に右ヒザを痛め、予選1回目を棄権した。昨年12月に右ヒザの靭帯を損傷し、出場が危ぶまれていた。リハビリを経て、なんとかソチ行きを叶えた伊藤だったが、硬い雪面も災いしたのか負傷個所を再び痛めてしまった。シーズン前はエースとして期待されていた伊藤。果たして、予選2回目には間に合うのか。

(文/杉浦泰介)

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