テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有が10日、本拠地でのボストン・レッドソックス戦に先発し、9回2死まで無安打に抑える快投をみせた。あとひとりでノーヒットノーランというところでデイビッド・オルティスにライト前ヒットを打たれ、日本人では野茂英雄以来となるメジャーリーグでの快挙達成はならなかったが、9回3分の2、126球を投げて12奪三振、2四球の内容で今季3勝目(1敗)をあげた。試合はレンジャーズが8−0で快勝した。
 またしても、あとひとりに泣いた。
 9回2死まで許した走者は四球と失策による3人のみ。大記録へ30人目のバッターがレッドソックスの主砲オルティスだった。カウント2−1からの4球目、低めのストレートを引っ張られると、打球はオルティスシフトで狭めていた一、二塁間を抜けていく。打球の行方を見届けたダルビッシュは悔しそうな表情を浮かべた。

 昨季も9回2死までパーフェクトに封じながら、最後の最後で打ち砕かれた。2013年4月3日のヒューストン・アストロズ戦。それまで、ひとりのランナーも出していなかったが、センター前ヒットを許し、日本人初の完全試合はならなかった。

 ただ、偉業達成は逃したとはいえ、2年連続で記録目前までアウトを重ねられるのがダルビッシュの実力を物語っている。この日はいつも以上にストレートの球威、変化球のキレとも抜群だった。ダスティン・ペドロイア、オルティス、マイク・ナポリや好打者が並ぶレッドソックス打線を牛耳り、6回までパーフェクトに抑える。

 7回も簡単に2死をとり、3番・オルティスもライト前へのフライに打ち取る。しかし、これをセカンドとライトがお見合いし、間にポトリと落ちてしまう。記録はライトの失策が記録され、パーフェクトの夢は途絶えた。

 その後、2つの四球を出したものの、コースを突き、快音を響かせない。球数が110球を超えた9回もトップバッターのペドロイアをサードゴロ、続くシェーン・ビクトリーノを空振り三振にしとめ、失投はなかった。オルティスへヒットを打たれた1球も決して甘いボールではなく、これは相手がうまく打ったと言うべきだろう。

 今季のダルビッシュは首を痛め、開幕戦での先発を回避しながら、ここまでの登板7試合では6度のクオリティスタート(6回以上3自責点以内)と安定感をみせている。快投を機にさらなる上昇気流に乗っていきそうだ。

<田中、7回途中2失点で5勝目>

 ニューヨーク・ヤンキースの田中将大は、敵地でのミルウォーキー・ブルワーズ戦に先発し、6回3分の1を投げて7安打2失点で無傷の5勝目をあげた。これでレギュラーシーズンは日本時代から33連勝。この日はナショナルリーグの本拠地でのインターリーグだったため、田中は9番打者として打席にも立ち、3打席連続三振だった。ヤンキースは5−3で逃げ切り勝ちを収めた。

 開幕から安定したピッチングを続ける中で、唯一の課題といえる立ち上がりをうまく乗り切った。
 滅多に対戦しないナ・リーグのバッターを相手に初回は先頭打者を四球で歩かせてしまう。盗塁と犠打で1死三塁のピンチ。だが、3番・ジョナサン・ルクロイを速球で追い込み、ボールを挟まず、外へのスライダーでショートフライに打ち取る。さらに4番のアラミス・ラミレスはスプリットを3球続けて、空振り三振に切ってとった。

 この日は武器のスプリットを意識するブルワーズのバッターにスライダーを効果的に使った。相手に的を絞らせず、5回までは連打を許さない。6回に3連打で2点を失ったが、なおも無死一塁の場面ではきっちり低めに制球し、粘られながらもショートゴロの併殺打に仕留める。続くマーク・レイノルズからはスライダーで見逃し三振を奪った。

 7回も1死から連打を浴び、一、二塁と走者が溜まったところで交代となったが、先発としての役割は十分に果たした。ヤンキース移籍後初となる公式戦での打席では3三振。バッティングではメジャーリーグの“厚い壁”があったものの、本職でのピッチングでは全くそれを感じさせない内容を継続している。