世界柔道選手権が26日、ロシアのチェリャビンスクで2日目を迎え、男子66キロ級では2連覇中の海老沼匡(パーク24)が3大会連続優勝を収めた。日本男子の世界柔道3連覇は現男子代表監督の井上康生(100キロ級、1999〜2003年)に続いて5人目。同じく66キロ級に出場した高市賢悟(東海大)は準決勝、3位決定戦と敗れ、メダルを逃した。また女子52キロ級で前回大会3位の橋本優貴(コマツ)は準々決勝、敗者復活戦でともに一本負けを喫した。
不公平なジャッジも、地元の大声援も決勝で鮮やかに投げ飛ばした。
3連覇へ最後の砦は、ロシアのミハイル・ポリャエフ。完全アウェーの雰囲気のなか、海老沼は動じることなく、自分のペースで攻め続ける。そして開始から2分、ポリャエフの股の間にスッと左足を入れ、相手の体を腰に乗せる。一回転させて畳に打ちつけ、誰が見ても文句なしの内股で一本を奪った。
海老沼にとって最大の試練は準々決勝にあった。ゲオルギー・ザンタラヤ(ウクライナ)の一戦。2分30秒で技有を奪うも、ジュリー(審判委員)の指摘が入り、主審が取り消しのゼスチャーを見せないまま、いつの間にかポイントが消える。さらに残り1分30秒、一本背負いで相手を裏返しにしながら、主審は有効や技有を認めない。
せめて防戦一方のザンタラヤには指導が与えられてしかるべきだったが、主審は「はじめ」と試合続行を促すのみ。ようやく残り10秒で指導が入り、海老沼の勝利と思われた矢先、またまたアンフェアな判定が下される。試合再開直後、逃げ切ろうとした海老沼の動きが技の掛け逃げとみなされ、一発で指導を受けたのだ。
5分の試合時間を終了し、ポイントはなく、指導も1つずつで、まさかの延長戦へ。通常なら心が乱れても不思議ではない状況ながら、海老沼は顔色ひとつ変えず、目の前のザンタラヤをしっかりと見据える。延長戦でも攻撃の手を緩めず、1分過ぎ、相手に指導が入って勝利をつかんだ。
2年前のロンドン五輪も、昨年の世界柔道もジャッジに振り回された。特に昨年は反則技を見過ごされ、左腕を負傷しながらも金メダルを獲得した。こうした経験が何事にも動じない強さを培っている。苦しみながら到達した3連覇も、目標とするリオデジャネイロ五輪での金メダルへ糧となるに違いない。