27日、韓国・仁川でのアジア競技大会はレスリングがスタートし、女子48キロ級では世界選手権2連覇中の登坂絵莉(至学館大)が決勝でソン・アナン(中国)を破り、優勝を収めた。女子63キロ級の渡利璃穏(アイシンAW)はシルオ・ジュオマ(中国)を逆転で下し、金メダルを獲得した。男子フリースタイル70キロ級の小島豪臣(神奈川・中原養護学校教)は準決勝で敗れたが、3位決定戦を制して銅メダルだった。バドミントン女子ダブルス決勝では高橋礼華&松友美佐紀組(日本ユニシス、BWF世界ランキング3位)がインドネシアペア(BWF世界ランキング10位)にストレートで敗れ、44年ぶりの金メダル獲得はならなかった。また陸上はトラック種目の女子1万メートル決勝で萩原歩美(ユニクロ)が31分55秒67で3位に入り、銅メダルを獲得した。
世界女王の貫録漂うアジア制覇だ。
2週間前に世界選手権で連覇を達成したばかりの登坂は、準決勝でビネシュ(インド)に苦戦しながら勝利し、決勝に進出。2011年のアジア選手権覇者・ソンにも立ち上がりこそ攻めあぐねたが、第1ピリオド終盤にタックルで尻もちをつかせて2点を先制する。さらに第2ピリオドもバックをとって2点を追加するなど、危なげない試合運びで優勝を決めた。
一方の渡利は劇的な逆転勝ちで頂点に立った。
シルオとの決勝は第1ピリオドの立ち上がりに足をとって背中に回り込み、2点を先行。リードして試合を折り返す。しかし、第2ピリオドに入って、2点を返されて追いつかれると、右足をタックルに行ったところを逆に押し倒されて2点を失った。リードを許したまま、腕を封じられ、試合時間は残り10秒。万事休すかと思われたが、ラストチャンスでタックルを仕掛ける。これが見事に決まって4−4の同点に。最後にポイントを奪った渡利に歓喜の瞬間が訪れた。
【タカマツペア、悔しい銀メダル 〜バドミントン女子〜】
44年ぶりに決勝進出を決めた高橋&松友組だったが、“アジアの頂点”にはあと一歩届かなかった。今回の女子ダブルスには、世界ランキング上位2組は出場しておらず、最大のライバルと目されていたロンド五輪金ペアは準決勝で敗れ去っていた。対戦相手のインドネシアペアはの世界ランキングは、タカマツよりも下だった。さらには団体戦で対戦した際にも勝利を収めている。それだけに金メダルの期待は大きかった。しかし、決勝の舞台への硬さからか、相手の勢いに押され、第1ゲームは15−14の競った展開から7連続得点を奪われる。これがすべてだった。第2ゲームは9−21で落とし、万事休す。2年後のリオデジャネイロ五輪の選考レースでも先頭を走るエースダブルス。それに向けて、勲章をひとつ増やしたいところだったが、悔しい準優勝となった。
【萩原、陸上競技のメダリスト第1号 〜女子1万メートル〜】
陸上競技の初日となったこの日、メダル第1号はトラック種目から誕生した。序盤から先頭集団に食らいついていった萩原が、ラストスパートでUAE(アラブ首長国連邦)と中国の選手に突き放されたが、3位の座は守りきり、銅メダルを獲得した。女子1万メートルは、近年は世界選手権同種目5位の新谷仁美が引っ張ってきた。その新谷は今年1月で引退。日本陸上界はトラックの女王不在の状況だ。身長155センチ、体重40キロの小さな体躯の萩原が、その座に名乗りを上げた。