18日、IBSAブラインドサッカー世界選手権グループリーグが行なわれ、第2戦でモロッコと対戦した日本は0−0のドローに終わった。日本は前半から何度もチャンスをつくるも、モロッコのゴールを割ることができない。3度あった第2PK(相手のチームファウル4つで得られるPK)も入れることができず、グループでの準々決勝進出一番乗りとはいかなかった。明日19日のグループリーグ最終戦では0勝1敗1分のフランスと対戦する。

 準々決勝進出は最終戦にもちこまれる(代々木)
日本代表 0−0 モロッコ代表
「チャンスは何度もつくれたが……」――試合後、監督、選手、ガイドとチーム全員が、一様に悔しさをあらわにした。
 世界選手権初出場のモロッコに対し、日本は前半から積極的に攻撃をしかけた。前半2分、MF黒田智成が左サイドからドリブルでゴール前へ切りこみ、ほぼ正面の位置からシュートを放つ。初戦のパラグアイ戦で貴重な決勝点を挙げたベテランはこの日も絶好調とばかりに、チーム最初のシュートを放った。

 さらに前半3分には日本がコーナーキック(CK)を得る。これを右コーナーからパスをもらったMF川村怜がゴール右から強烈なシュートを放つ。相手GKはパンチングでセーブするも、再び日本がCKを得る。しかし、これを得点に結びつけることはできなかった。その後も日本は川村を中心に果敢に相手ゴールを脅かすも、シュートが入らない。

 前半18分には、モロッコが4つめのファウルを犯し、日本は第2PKを得た。これを途中出場のキャプテン、FW落合啓士がトゥーキックでゴールを狙うも、ボールはGKの頭を越えてゴールラインを割った。

 終盤には黒田が個人技で突破を試みる。ボールを足元でコントロールしながら縦横無尽に駆け回り、素早いフェイントで相手を翻弄。さらに自陣でボールを奪うとドリブルで持ち込み、ゴール前で3人のディフェンダーをかわして、ゴール右からシュートを放った。だが、ボールはゴールの枠から外れた。

 前半、残り2分を切ったところで、モロッコにイエローカードが出され、日本がダブルPKを得た。しかし、やはりこれも得点には至らなかった。結局、前半を無得点のまま試合を折り返した。

 日本が主導権を握った前半とは一転、後半に入ると、拮抗した展開となった。このことについて、魚住稿監督はこう説明した。
「前半は攻撃に強く意識を置いて戦ったが、後半はモロッコも勝ちにくると思ったので、まずは自分たちのかたちである守備から大事にして、攻撃は少しセーブした。そこから徐々に相手が疲れてきたところを狙っていこうと、後半の後半に勝負をかける作戦だった」

 後半6分、モロッコがセンターラインからドリブルで中央を突破し、左サイドへパスを送る。これを再び中央へ。日本の守備をかく乱するかのような攻撃をしかけてくるも、これを日本は4人全員で守り切る。

 さらに後半18分、モロッコのFPアブデラザク・ハッタブがゴール前で放ったシュートが日本のディフェンダー陣の股下を通り抜け、ゴールへ。しかし、これをGK佐藤大介が素早く反応して阻止した。

 戦略通り、モロッコを無得点に抑えていた日本は、終盤には攻撃的戦術にかえ、果敢にゴールを狙いにいった。日本のゴールキックになると、川村と黒田が前線の、左右それぞれのサイドに上がり、そこへGK佐藤がロングパスを送る。そこから攻撃をしかけ、相手ファウルを誘ってPKを得るも、最後まで歓喜の瞬間が訪れることはなかった。

 試合後、悔しさをかみしめながら魚住監督は次のように試合の感想を述べた。
「日本にとっていいかたちの時間帯が長く続いていたので、ここぞという時に決まらなかったのが悔しい。今日で(準々決勝進出を)決めたかったが、やはり強豪がそろっている世界選手権。一歩一歩、自分たちのサッカーを確実にやっていくのが大事だと思う。そういう意味ではまだ得点を取られていないので、守備のかたちを崩されていないというところでは自信をもちたい」

 明日のグループリーグ最終戦ではフランスと対戦する。フランスはここ最近最も多く対戦しているチームだという。対戦成績は日本の0勝1敗2分。勝てば、フランス戦初勝利、そして文句なしでの準々決勝進出が決まる。「明日は勝利して、いいかたちでグループリーグを突破したい」と魚住監督。日本にとって、明日が正念場となる。

(文・写真/斎藤寿子)