15日、「第1回さいたま国際マラソン」開催(11月15日)が正式に決定した。東京国際女子マラソン、横浜国際女子マラソンの流れを汲む大会。記念すべき第1回は、2016年のリオデジャネイロ五輪日本代表選考レースを兼ねる日本代表チャレンジャーの部(女子フルマラソン)など5部門に分かれ、フルマラソンはさいたまスーパーアリーナを発着点に行われる。
(写真:主催者を代表して会見に出席した埼玉県の上田知事、日本陸連の横川会長、さいたま市の清水市長)
 埼玉県初の国際マラソンが誕生だ。前身は財政難などを理由に昨年の第6回で幕を閉じた横浜国際女子マラソン。世界で初めて国際陸上競技連盟(IAAF)が公認する女子マラソンとして1979年に産声を上げた東京国際女子マラソンからの後継大会にあたる。

 日本陸上競技連盟の横川浩会長は「前身の東京国際女子マラソンは日本女子マラソンの草分けでした。日本女子を世界トップクラスに押し上げた伝統と誇りを受け継ぎ、発展に大きく貢献する大会にしたい」と抱負を語った。「首都圏で継続させたいと考えていた」という中で、さいたまに協力を仰いだ。さいたま市はさいたまスーパーアリーナ、埼玉スタジアム2002など、大きなスタジアムを擁する。横川会長は「スポーツ文化を発信する地として最適であると確信している」と胸を張る。 

 フルマラソンは、さいたまスーパーアリーナを発着点にさいたま市内を駆け抜ける。この日の朝にコースを試走したという日本陸連の高橋尚子理事は「細かなアップダウンがあり、うまくリズムに乗れれば気持ちよく走れると思います」と感想を述べた。折り返し地点が3カ所あり、スピードが落ちる代わりにライバルとの差を測れるメリットがある。終盤の35キロからゴールまでは4つのカーブがあり、そこでスパートを仕掛ければ、後続の視界から消えることもできるなど、駆け引きが求められるコースだ。「体力と知力を兼ね備えた強さが求められる」と高橋理事。さいたま国際マラソンのサポーターに就任した川内優輝(埼玉県庁)は「駆け引きが上手いランナー。また本当に強いランナーが勝てるコースになるのでは」とコメントした。

 5部門中、日本代表チャレンジャーの部と一般の部の2部門がフルマラソン。中でも日本代表チャレンジャーの部は東京国際女子マラソン、横浜国際女子マラソン同様に国際大会の代表選考会を兼ねる。日本陸連の酒井勝充強化委員長は「簡単なコースではない。2時間22分30秒で走って優勝するのが、我々が目標とする世界と戦える選手」と語る。3月には日本実業団陸上競技連合がマラソン強化プロジェクトとして、好記録に対する報奨金制度の導入を決めた。いわゆる“ニンジン作戦”で盛り上がっている中、尾縣貢専務理事も「大いに期待したい。うまくリズムが作れ、力のある選手なら十分記録は出せる」と期待を寄せる。

 大会のキャッチフレーズは「ここから、世界へ。」と発表された。世界へのステップボートとなる舞台は東京から横浜へ。そして横浜からさいたまへと移った。所変われど、脈々と受け継がれてきた女子マラソンの遺伝子。晩秋のさいたまにニューヒロインは誕生するのか。駆け抜けたその先に世界が待っている――。

(文・写真/杉浦泰介)