二宮: 現東京都知事の石原慎太郎さんが隊長を務めた「国際ネッシー探検隊」も康さんがプロデュースされましたね。
: 猪木×アリ戦、トム・ジョーンズの日本公演を実現させて、新しい仕事を求めていたときでした。スコットランド北部「ネス湖」に出没すると言われた「ネッシー」の存在は、学生時代に新聞記事で見て以来、ずっと気になっていたんです。世界的にこれだけ有名なのに、その存在はベールに包まれていた。ならば、見つけ出してやろう、と。
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二宮: 石原さんとは長い付き合いだったんですか?
: 彼とは僕が東大生時代からの付き合いです。彼が芥川賞作家になって3年くらいたったころかな。当時は参議院議員でしたが、二つ返事で「オレが総隊長を引き受ける」と(笑)。「人間の進歩はそういった好奇心や冒険心から生まれるんだよ」と笑って理解を示してくれた。
ただ、外国の新聞からは随分、非難されましたね。ネッシーは現地では神聖な存在だった。「イギリスで美しい謎とされているネッシーを捕獲する必要があるのか」と。英国系のメディアからは「東洋人が金儲けに使っている」「実は油田を堀りに来たんだろう」などと言われましたね。しかも団長が、現役の国会議員ですから(笑)。

二宮: なるほど(笑)。で、実際に現地に行かれてみて、いかがでした?
: ネス湖に1年くらいいましたよ。巨大なうなぎがいるとかいう話もありましたが、実際に姿を見ることはできなかった。それでも、その存在が事実かどうかを検証すること自体が目的ではなかったので、満足感、充足感はありました。

  オリバー君はチンパンジーか人間か……

二宮: なるほど、求めたのはロマンだったわけですね。人間とチンパンジーの混血だという触れ込みの「オリバー君」も話題になりましたね。オリバー君の存在を知ったきっかけは?
: ネス湖から戻ってきてまだ間もない頃でした。僕の顧問弁護士の仲間だったユダヤ人弁護士が、不思議な生き物を「拉致」した、という情報を得たんです。「チンパンジーとも人間とも判別できない未知の生物」だと。「よし、これだ!」と思って、所有権を持っていた弁護士に頼みこんで、契約しました。その後、日本テレビの「木曜スペシャル」で特集番組を組むことになった。

二宮: オリバーくんを呼ぼうと思われたのは、直感ですか?
: そうです。面白いと思ったし、実際に人間とチンパンジーの遺伝子の差は0.5%以下とも言われていますから。来日の時は、大騒ぎになりましたね。

二宮: 覚えていますよ。僕は高校生でした。飛行機で来たんですよね。
: 米国のマイアミから、フライングタイガー社の特別チャーター機に乗せてきました。当時、羽田空港には100人以上の取材記者がきましたよ。

二宮: すごいですねぇ。ヘンな話、パスポートがなくても大丈夫なんですか?
: いや、大丈夫です。最初は京王プラザホテルに滞在する予定だったんだけど、「動物の宿泊は認められない」と断られました。「オリバーはサルではない。人間とサルの中間だ」と言ってもダメだった(笑)。いくつものホテルに断られて、ようやく了承を得た麹町のダイヤモンドホテルに宿泊しました。最高級のスイートルーム。もちろん人間扱いです。

二宮: すごいVIP待遇ですね(笑)。
: 当時、制作会社のADだったテリー(伊藤)君がエサ係でした(笑)。彼がまだ大学を出て、入ってきたばかり頃ですね。最後には頭に来て、スリッパで殴ったと言っていましたよ(笑)。

二宮: ハハハ。でも、テレビで見ていても、ただのチンパンジーではなさそうでしたね。タキシード姿は印象に残っています。
: 当時、「木曜スペシャル」の司会をしたのが、徳光和夫君だった。僕の母校・海城高校の後輩なんです。番組の中で晩餐会をやりました。訓練をしたのかわからないけど、フォークもうまく使って食べていました。

二宮: 結局、人間の遺伝子は入っていたんですか?
: 遺伝子をチェックする検査をしましたが、結局わからないままでしたね、

二宮: オリバー君に実際に会ってみた印象はいかがでした?
: 僕は本当に不思議な感じでね。チンパンジーというには、その挙動があまりにも人間的だった。ただ、握手したときに、力の強さがすごかった。そこはやっぱり人間とはちがうな、と。でも、女性のセクシーなポーズが載っている雑誌の写真を見せると、勃起するんですよ(笑)。あれには驚きましたね。それだけ、人間なみに脳が発達しているということですよね。

二宮: 康さんは、オリバー君が人間との混血だと?
: 僕は今でも混血だと思っていますよ。でも、テリーくんは、「とんでもない。サルです」と(笑)。でも、テリー君はあの騒動がきっかけで、「こういうわけのわからないことができるのが、テレビなんだ」と感じたそうです。その後、彼はテレビ業界で名をあげていくんだけど、オリバー君がテリー伊藤の生みの親と言っても、過言ではないでしょうね(笑)。事実、「KING」10月号のインタビューの中で僕のことを「唯一の人生の師」だといっていますが。


(続く)

康芳夫(こう・よしお)プロフィール
1937年東京西神田で、駐日中国大使侍医の中国人父と日本人母の次男として誕生する。東京大学卒業後、興行師・神彰のアートフレンドアソシエーションに入社、大物ジャズメンなどの呼び屋として活躍。同社倒産後はアートライフを設立、アラビア大魔法団、インディレースなどを呼ぶ。同社倒産後も「家畜人ヤプー」プロデュース、ネッシー捕獲探検隊結成、モハメド・アリ戦の興行、オリバー君招聘、アリ対猪木戦のフィクサーなどをこなし、メディアの風雲児として活躍を続けている。



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