ボストン・レッドソックスとコロラド・ロッキーズのワールドシリーズ第4戦は29日、ロッキーズ本拠地のクアーズ・フィールドで行われ、レッドソックスが4−3で逃げ切って3年ぶり7回目の世界一の座を手にした。レッドソックスは初回に1点を先制すると、終始リードを奪ってゲームを優位に進めた。8回裏に岡島秀樹が2ランを浴びて、1点差になったが、最後は抑えのジョナサン・パペルボンが締めて、4連勝で頂点に立った。
 オルティス、先制タイムリー(レッドソックス4勝、クアーズ・フィールド)
ボストン・レッドソックス 4 = 100010110
コロラド・ロッキーズ   3 = 000000120
勝利投手 レスター(1勝0敗)
敗戦投手 クック(0勝1敗)
セーブ   パペルボン(3S)
本塁打   (ロ)ローウェル1号ソロ、キルティ1号ソロ
       (レ)ホープ1号ソロ、アトキンズ1号2ラン

 その瞬間、松坂が興奮気味にベンチから飛び出してきた。レッドソックスが04年に続き、負けなしでワールドシリーズを制し、勝利の美酒に酔った。

 3連勝と3連敗。敵地でのゲームながら、勢いの差は明らかだった。初回、レッドソックスは1番に入ったルーキーのジャコビー・エルスバリーがレフト線を破る二塁打で出塁する。このランナーを三塁に進め、3番デービッド・オルティスが狭い1、2塁間を破った。レッドソックスはあっさりと先取点をあげる。

 一方、先発ジョン・レスターは「1番・セカンド」でスタメンに入った松井稼頭央をピッチャーフライに詰まらせるなど、上々の立ち上がりをみせた。松井は3回に巡ってきた第2打席でレフトの頭上を越える2塁打を放ってチャンスメイクするも、後続が倒れて無得点。この攻撃に代表されるように、ロッキーズはあと1本がでず、流れをつかめない。

 すると、2回以降沈黙していたレッドソックス打線が再び目覚める。5回、初回以来のランナーを2塁に置き、7番ジェイソン・バリテックがライト前へタイムリー。7回にもマイク・ローウェルのソロアーチで1点を追加し、3−0とリードを広げた。
 
 土俵際ギリギリいっぱいに立たされたロッキーズは直後に1点を返したものの、8回、レッドソックスにダメ押しに近い1点を加えられ、スコアは4−1。投手交代と打順の関係で松井もベンチに下がり、味方の反撃を祈るしかなくなった。

 いよいよ8回裏には満を持してセットアッパー岡島秀樹が登場。レッドソックスは世界一への必勝リレーをスタートさせる。ところが第3戦で3ランを浴びた岡島のボールは長いシーズンの疲労を隠せない。その被弾した相手のマット・ホリデーこそ打ち取ったが、4番トッド・ヘルトンに安打を許し、続くギャレット・アトキンズにも鋭くバットを振り抜かれる。白球はレフトスタンドへ。2ランで1点差。ロッキーズファンが総立ちになり、試合は風雲急を告げた。

 しかし、岡島の後ろにはこの男がいる。クローザーのパベルボンが8回途中からロングリリーフ。ロッキーズの最後の望みを完璧に断ち切り、9回2死から代打セス・スミスを空振りの三振に切ってとった。戦いが終わり、3試合連続でセーブをあげた守護神を中心にあっという間に喜びの輪ができた。

 MVPには、この日も貴重な中押し点をたたき出したマイク・ローウェルが輝いた。打率.400(15打数6安打)、1本塁打、4打点とクリーンアップの一角として申し分ない働きをみせた。

 ルーキーイヤーでチャンピオンリングを手にすることになった松坂はポストシーズン4試合に先発して、2勝1敗、防御率5.03。決して満足できる内容ではなかったが、勝負どころのリーグチャンピオンシップ第7戦、ワールドシリーズ第3戦はいずれも勝利投手になった。

 同じく1年目で世界一を経験した岡島はシーズン同様、セットアッパーとして大車輪の活躍だった。最後の2試合に痛い1発を打たれたとはいえ、それまでの6試合では無失点。イニングをまたいで投げるケースも多かったが、与えられた役目を確実にこなした。

 ロッキーズはプレーオフ全勝でリーグを制した勢いを古豪の前に持続できず、初のワールドシリーズは全敗に終わった。松井稼頭央はシリーズ中17打数5安打、打率.294。コロラドには欠かせないプレーヤーとして存在感は示した。レギュラーシーズン162試合の後、約1カ月に渡った最終決戦もこれで終了。選手たちは来季に向けて、つかの間の休養に入る。

【松井成績】
「1番・セカンド」で先発出場
 4打数1安打
第1打席 投飛
第2打席 左越二塁打
第3打席 遊飛
第4打席 空振三振
※8回途中の守備でベンチへ退く

【岡島成績】
 8回、4番手で登板
 3分の1回、15球、2安打、2失点
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